7日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:コーン氏辞任で米半導体株上昇の効果薄れる
■決算チェック:カナミックNが上期業績予想を上方修正、同時に株式分割も発表
■前場の注目材料:神戸鋼、川崎社長辞任、品質データ偽装、再発防止、新体制で

■コーン氏辞任で米半導体株上昇の効果薄れる

7日の日本株市場は不安定な相場展開になりそうだ。6日の米国市場ではNYダウは小幅に上昇。トランプ大統領が鉄鋼・アルミニウムへの関税導入を強行した場合、コーン国家経済会議委員長が辞任するとの思惑が報じられ下落に転じる場面もみられたが、その後はハイテク主導で切り返している。ナスダックは3日続伸で直近の戻り高値に接近している。シカゴ日経225先物清算値は大阪比185円高の21635円となり、これにサヤ寄せする格好から買いが先行しよう。

その後はこう着感の強い相場展開になりそうだが、週末に先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控え、引き続き先物主導によるインデックス売買に振らされやすいだろう。昨日の日経平均は5営業日ぶりに大幅反発となったが、売買高は2月26日以来の12億株台と低水準であった。

また、コーン委員長が辞任する意向と各メディアが伝えており、円相場は1ドル105円台半ばへと円高に振れて推移している。米半導体株上昇の波及期待が薄れる格好になるため、シカゴ先物にサヤ寄せするとしても、上値の重さが意識される可能性はありそう。また、米雇用統計の前哨戦となるADP雇用統計の発表が予定されており、こちらも見極めムードに向かわせよう。その他、中小型株については足元の急落で需給悪化が警戒されやすく、戻りの鈍さが目立つようだと、売り直される可能性もありそうだ。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■カナミックNが上期業績予想を上方修正、同時に株式分割も発表

カナミックN<3939>が18年9月期第2四半期(上期)業績見通しの上方修正を発表している。売上高見通しを従来の7.30億円から7.50億円(前期実績は6.30億円)に、営業利益見通しを同1.80億円から2.00億円(同1.70億円)へと見直した。18年4月の法改正を見越した顧客需要の伸びに伴って、主力サービスのカナミッククラウドサービスの販売が好調に推移したことなどから、売上高も含めて前回発表予想を上回る見通しとなった。当初予定されていた投資負担時期が下期に変更となるなどが考慮され、通期予想は据え置いているものの、同社の事業領域は少子高齢化や働き方改革などのテーマ性も絡むことから今後も業容拡大期待は高まりやすいとみられる。また同時に、18年3月30日(金)を基準日として1株につき2株の割合の株式分割も発表しており、流動性向上期待も支援材料となりそうだ。


■前場の注目材料

・NYダウは上昇(24884.12、+9.36)
・ナスダックは上昇(7372.01、+41.30)
・NY原油は上昇、(62.60、+0.03)
・SOX指数は上昇(1396.47、+20.61)
・シカゴ日経225先物(21635、+185)
・日銀、大規模な金融緩和を維持
・日経平均は上昇(21417.76、+375.67)
・マザーズは上昇(1186.62、+33.78)

・神戸鋼<5406>、川崎社長辞任、品質データ偽装、再発防止、新体制で
・ダイヘン<6622>、ドローン自動充電、小型ワイヤレスシステム


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・10:10  国債買い入れオペ(残存期間1年超5年以下と10年超)(日本銀行)

<海外>
・特になし



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情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~コーン氏辞任で米半導体株上昇の効果薄れる