6日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:需給整理が進捗する可能性も調整長期化か
■外資系証券の注文動向:差し引き270万株の売り越し
■前場の注目材料:ハーモニック、産業ロボ部品、生産2.5倍、国内最大300億円投資


■需給整理が進捗する可能性も調整長期化か

6日の日本株市場は、引き続き不安定な相場展開になりそうだ。連休明け5日の米国市場は、NYダウが234ドル安となった。北朝鮮の地政学リスクが嫌気されたほか、トランプ政権による政策運営リスクへの警戒感も嫌気されている。北朝鮮の地政学リスクに対しては直近2日間での大幅な下げである程度は織り込んでいるとみられるが、米政権運営に対する不透明感から手掛けづらい相場展開が続きそうだ。

北朝鮮情勢については、9日の建国記念日の前にも新たなミサイル発射が警戒されており、手控え材料になる。急ピッチの下げによってセリングクライマックスが意識されやすいところだが、北朝鮮情勢の緊張により、押し目買いも入れづらい需給状況であろう。

また、イレギュラー的に下げる銘柄も散見されるなか、強制ロスカットにつながる格好になっている。昨日の日経平均の下落率は0.63%、TOPIXが0.80%に対して、東証2部が1.70%、JASDAQが1.98%、マザーズが4.65%と個人主体の中小型株の弱さが目立っている。これまで強い相場展開が続いていたこともあり、需給整理が加速していると考えられる。

強制ロスカットによって一気に需給整理が進捗する面はあるが、地政学リスクへの警戒感から調整が長期化する可能性もあり、目先は北朝鮮情勢の落ち着きを見守ることになりそうだ。物色としては日銀のETFなどの需給の下支え等を考慮し、東証1部の内需・ディフェンシブ系にシフトしてくる可能性はありそうだ。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■外資系証券の注文動向:差し引き270万株の売り越し

朝の外資系証券5社経由の注文状況は、売り1090万株、買い820万株、差し引き270万株の売り越しとの観測。

08月30日(水):130万株の売り越し
08月31日(木):10万株の買い越し
09月1日(金):580万株の売り越し
09月4日(月):190万株の売り越し
09月5日(火):157万株の売り越し


■前場の注目材料

・NY原油は上昇、主要製油所の操業再開(48.66、+1.37)
・政府、「生産緑地」維持で税優遇
・日銀のETF買入れへの思惑
・急ピッチの下げによる需給整理進捗
・省力化による産業用ロボット需要好調


・ハーモニック<6324>、産業ロボ部品、生産2.5倍、国内最大300億円投資
・タカキュー<8166>、衣料・雑貨を一体販売、若い家族層狙う
・ケーヒン<7251>、コスト3割減、部品製造、電動化向け対応
・日本航空<9201>、日航機、エンジンに損傷、滑走路に部品の破片


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・11:00  車名別新車販売(8月)
・11:00  車名別軽自動車販売(8月)

<海外>
・10:30  豪・GDP(4-6月)  1.8%  1.7%



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情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~需給整理が進捗する可能性も調整長期化か