■株式相場見通し

予想レンジ:上限20300-下限19800円

来週は、7月2日の都議選の結果を受けてのスタートとなる。小池氏が代表の「都民ファーストの会」が、選挙協力する公明党などの支持勢力と合わせ都議会の過半数を獲得するかが焦点となる。自民党が予想以上に苦戦した場合、安倍首相の政策基盤が揺らぐ可能性も考えられ、市場の波乱要因になる可能性がある。都議選は人気投票的な面があるほか、国政に対する反対票が入りやすい傾向にある。自民党の苦戦は概ね織り込み済みといったところか。


また、3日には日銀が全国企業短期経済観測調査(6月短観)を発表する。大企業製造業の業況判断DI は15 と3月調査の12 から改善すると予想されている。また、大企業全産業の今年度の設備投資計画が7.2%増と同0.6%増から上方修正されるとの見方がコンセンサスとなり、設備投資関連への見直しといった形でポジティブ視されよう。もっとも、足元の景気判断は引き続き改善するものの、米国のトランプ大統領の政権運営をめぐる不透明感などから、先行きの判断は横ばい若しくは、悪化するという予測が大勢を占めていることもあり、市場反応は限定的だろう。

その他、4日は米国が独立記念日で休場となるため、海外勢のフローが減少するほか、週末には米雇用統計など重要な経済指標の発表が控えるなか、こう着感の強い相場展開が続こう。米国では長期金利の上昇傾向や米銀のストレステスト通過により、ここにきて金融セクターへの見直しが強まってきている。一方で、世界的なハイテク株物色に向かわせていた「FANG」銘柄の利益確定の流れがみられることから、資金の流れについては見極めが必要であろう。

もっとも、個人主体の需給状況は良好であり、中小型株の売買は引き続き活発だろう。過熱感が警戒されているゲーム株などは利食いに押されるものの、トレンドは依然として強く、資金の逃げ足が速い分、シコリが残らないためその後の戻りの早さも目立っている。先週も大きく値を下げる局面がみられたが、これまでの長期的な上昇トレンドに変化はなく、翌日には再び切り返しをみせている。今週も日経平均は2万円処での攻防のなか、中小型株への物色が強まることになりそうである。テーマ性では過熱感があるもののゲーム関連のほか、バイオ関連、サイバーセキュリティ関連、社会インフラ関連、人材関連、フィンテック関連、さらに好業績銘柄への物色といった流れを想定したい。


■為替市場見通し

来週のドル・円は7月2日投開票の東京都議会選の選挙結果や米金利見通しが、有力な手掛かり材料となりそうだ。東京都議選では小池百合子都知事率いる「都民ファーストの会」は過半数の64議席獲得の勢いと伝えられており、自民党(東京都議会自由民主党)は選挙前勢力の57議席を大幅に下回る40議席前後になる可能性があるとみられている。

加計学園問題や一部議員の問題ある行動・発言などに加え、防衛相が応援演説で自衛隊を政治利用した疑いがあることから、安倍政権への批判が一段と強まっていることが自民党苦戦の要因とされる。都議選で自民党が惨敗した場合、党内の不満が噴出し、政局流動化への懸念は高まるとみられており、都議選の結果次第でリスク回避的な円買いが広がる可能性は否定できない。



■来週の注目スケジュール

7月3日(月):日銀短観、中財新製造業PMI、英製造業PMI、米ISM製造業景気指数など
7月4日(火):豪小売売上高、米独立記念日など
7月5日(水):中財新総合PMI、英総合PMI、ユーロ圏小売売上高、FOMC議事録など
7月6日(木):独製造業受注、米ADP全米雇用報告、米ISM非製造業景況指数など
7月7日(金):GPIF16年度運用実績、独鉱工業生産、米非農業部門雇用者数など






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情報提供元: FISCO
記事名:「 来週の相場で注目すべき3つのポイント:都民ファースト、日銀短観、米雇用統計