11日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:北朝鮮リスク警戒から手控えムードに
■外資系証券の注文動向:差し引き60万株の売り越しとの観測
■前場の注目材料:トヨタ自、米工場に1500億円を追加投資へ


■北朝鮮リスク警戒から手控えムードに

11日の日本株市場は利食い優勢の相場展開になりそうである。10日の米国市場は、NYダウ、ナスダックいずれも小幅に上昇。原油相場の上昇が好感されたが、北朝鮮を巡る地政学リスクへの警戒が重しとなった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比45円安の18755円、円相場は1ドル110円70銭辺りでの推移に。

まずはシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、前日の上昇に対する利益確定の流れが先行することになろう。北朝鮮では最高人民会議が開かれるほか、15日には北朝鮮金日成国家主席の生誕105周年を控えており、地政学リスクが上値の重しとなる状況は変わらず、積極的な売買は手控えられることになりそうだ。

昨日は東証1部の7割近くが上昇していたが、狭いレンジでの取引であり、下値の堅さよりは上値の重さが意識されやすい状況となった。本日も地政学リスクへの警戒から、全体としてはこう着感の強い相場展開のなか、決算を手掛かりとした個別対応のほか、防衛関連への短期的な値幅取り狙いの商いが中心になりやすい。その他、2016年4-12月期決算発表が期限となる東芝<6502>に関心が集まりやすく、短期筋の思惑的な売買も増えそうだ。
(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■外資系証券の注文動向:差し引き60万株の売り越しとの観測

朝の外資系証券5社経由の注文状況は、売り1080万株、買い1020万株、差し引き60万株の
売り越しとの観測。なお、直近5日分の注文動向は以下の通り。

04月04日(火):100万株の買い越し
04月05日(水):90万株の売り越し
04月06日(木):40万株の売り越し
04月07日(金):170万株の買い越し
04月08日(月):160万株の買い越し


■前場の注目材料

・NYダウは上昇(20658.02、+1.92)
・ナスダックは上昇(5880.93、+3.11)
・NY原油は上昇(53.08、+0.84)
・全国企業倒産件数8年連続減少に
・シカゴ日経225先物(18755、-45)
・ドル円相場110円65-70銭
・米3月労働市場情勢指数0.4、予想下回る

・トヨタ自<7203>、米工場に1500億円を追加投資へ
・住友商事<8053>、ブラジルで上下水道参入
・イオン<8267>、食品加工ロボを順次導入へ
・帝人<3401>、エアバック需要増対応でベトナムに新工場

☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・東芝<6502>の4-12月期決算提出期限(これまで2度延期)

<海外>
・特になし




<SK>

情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~北朝鮮リスク警戒から手控えムードに