以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家兜町放浪記氏(ブログ「兜町放浪記」を運営)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。

----
※2017年1月26日9時に執筆

本日、日本時間早朝に取引を終えたNY株式市場のダウ平均が20000ドルを突破した。昨日の就寝前につけていたテレビでニュース速報が流れ、「また事件・事故か?」と家族の視線が集中するとこの件だった。

このところの日経平均の20000円乗せ手前での日本株の足踏み状況があるからだろう。投資家冥利を感じるような株高にまかせた高揚感が沸き立ってこないのは、私だけではないはずだ。どうしてここまで日米の株式市場に温度差があるのだろうか。

先週末に就任式を終え名実ともにトランプ新政権のスタートとなり、期待感だけで株価が上がってきたこれまでとは違い、これから世界の投資家の目が厳しくなるはずだ。就任演説で「アメリカ・ファースト」を掲げたものの、アメリカ以外の国からすれば「政治外交と民間経済が同じ天秤にかけられ取引材料になる懸念」が現実のものとなりそうだ。

公平と不公平の捉え方も今後のトランプ政権下ではおかしなものとなりそうだ。民間企業間の自由な競争の結果を受け入れることなく、ビジネスの敗者が米国にあれば、相手企業のある国の為替水準に口先介入を平気で繰り返すような姿勢は乱暴極まりない。

政治経験が無くとも、自分の会社を数回潰したビジネスマンでも、大統領に登りつめるような懐の深い国、アメリカの迷走はこれからだ。アメリカから見れば自らが軸だから、揺れ動くのは自分以外の国に映るだけのことだ。

世界最大の経済大国が、必要以上の保護主義をまくし立てることで世界貿易の停滞を招く愚かな時代に突入したのか。たった一人の思い過ごしや勉強不足、誤解から世界経済が混乱することを誰も防ぐ手立ては無い。

かつて日本にも「民主党ブーム」が吹き荒れ、政権交代が実現し「宇宙人・鳩山由紀夫」が総理大臣まで登りつめた。トランプにしろ、鳩山由紀夫にしろ、それぞれの国民が選挙をもって選択したわけだから文句は言えない。

「天の声にも変な声がたまにはあるな」とは福田赳夫が総裁選に敗れたときの弁であるが、この両名を選んだ両国民にもおかしな声が聞こえていたに違いない。変化を求めるあまり、それが劇薬だろうがブラセボだろうが飲み込んだのだ。

この先、アメリカのひとり勝ちで他国は焼け野原へ。そんなことになれば世界の金融市場が黙ってはいないだろう。

個別株では、引き続き、株式分割後の高値を更新中で着実な右肩上がりのチャートが好感できるエボラブルアジア<6191>、シニア世代の人材活用ビジネスに先行するキャリア<6198>などを注目している。

執筆者名:兜町放浪記
ブログ名:兜町放浪記



<MT>

情報提供元: FISCO
記事名:「 【FISCOソーシャルレポーター】個人投資家「兜町放浪記」氏:NYダウ20000ドル突破後の世界