*07:37JST NYの視点:米、高金利長期化の可能性も、成長、インフレ想定以上に強い可能性も 連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は1月の消費者物価指数(CPI)など強いインフレの結果が季節的要因によるもので、インフレ鈍化の基調はかわらず年内のどこかで利下げを実施するとの予想を維持していることを連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見で明らかにした。一方、ウォラー理事は27日のNYエコノミッククラブでの講演で最近のインフレのデータには失望しているとし、インフレの進展を巡り不明確となったと、利下げを巡り一段と消極的になった。FRBは3月連邦公開市場委員会(FOMC)でも声明で、利下げにはインフレが2%目標を達成することを一段と確信する必要があると繰り返した。データで証明ができなければ利下げは遠のく。

ウォラー理事は利下げには数カ月インフレ改善のデータが必要だと、主張。利下げを急がない姿勢を示した。実際、米10-12月期国内総生産(GDP)確定値で前期比年率+3.4%と、予想外に改定値+3.2%から上方修正。同四半期個人消費確定値は前期比年率+3.3%と、改定値+3.0%から上方修正され、成長や消費の底堅さを証明。今後、AIブームが米国の生産性を押し上げ成長も想定以上に強まる可能性もある。重要インフレ指標である2月PCEコア価格指数は前年比で+2.8%と1月と同水準の伸びに留まり、インフレ改善が停滞する見通し。

さらに雇用も先週分新規失業保険申請件数は20万件台にとどまっている。バイデン政権のオープンボーダー政策で、過去3年で1000万人の不法移民が米国内に流入したといわれているがそのうち200万人の不法移民が新たに労働許可証を取得、雇用市場を活況化、化金やインフレをさらに押し上げる。インフレでは、ウクライナ露、ガザの戦闘に加え、今週発生した橋崩落によるボルティモア港閉鎖により、サプライチェーン混乱が輸送コストを押し上げインフレが少なくとも今後2,3カ月予想通り改善しない可能性もありドルを支援する。短期金融市場では7月に利下げ開始、年内3回弱の利下げを予想している。

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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:米、高金利長期化の可能性も、成長、インフレ想定以上に強い可能性も