日本銀行は12月19-20日に開いた金融政策決定会合で、長期金利の許容変動幅を拡大することを決めた。同日の東京市場でドル売り・円買いが急速に広がったが、欧米市場でもこの流れは変わらず、ニューヨーク外為市場でドル・円は一時130円58銭まで下落した。ドル・円相場は24時間で7円程度下落しており、約4カ月ぶりのドル安円高水準となった。市場参加者の間では「年内に135円程度まで戻す」との見方が出ているが、多くの市場参加者は「長期金利の許容変動幅拡大はドル・円相場に重大な影響を及ぼした」と考えているようだ。

今後の相場について、市場関係者の間ではいくつかのシナリオが存在しているようだ。ある市場参加者は「今回の決定は市場機能の改善を目指したものであろうが、長短金利操作の機械的な運用によって円安効果が増幅されていたことは否めない。ただ、米国金利の先高観は後退していないため、日米金利差の拡大を意識したドル買い・円売りが年明け以降、再び広がる可能性は残されている」と指摘している。

一方、「日銀新総裁の下、イールドカーブコントロール(YCC)のさらなる修正やマイナス金利の撤廃などの追加措置が講じられる可能性は残されている」との声も聞かれており、2%超のインフレ率が2023年も続いた場合、金融緩和策のさらなる縮小が想定されるとの見方も出ている。この場合、ある市場参加者は「1ドル=130円突破も十分あり得る」と予想し、「ドル高円安が加速した水準である125円ないし126円までドル安円高が進行する可能性は排除できない」と見ているようだ。

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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:長期金利の許容変動幅拡大で2023年のドル・円相場はどう動く?