連邦準備制度理事会(FRB)は連邦公開市場委員会(FOMC)で市場の予想通り政策金利(フェデラルファンドFF金利の誘導目標)を0.50%引き上げ、4.25-4.50%に決定した。4会合連続で0.75%利上げ後、利上げペースを減速した。

労働市場が依然非常にひっ迫しており、インフレが依然高く利上げ継続が適切となる可能性が強いと、追加利上げを示唆した。四半期ごとに発表されるスタッフ予測では23年のインフレを3.1%と、前回9月予測の2.8%から引上げ。また、コアインフレを3.5%と、3.1%から引き上げており、2025年までインフレは2%まで低下しないと見ていることが明らかになった。

さらに、金利見通しでは19人のメンバーのうち17人が23年ピーク金利を5%以上と予想していることが明らかになった。中間予想は5.1%と、前回9月予想の4.6%から0.5%大幅に引き上げられたことはサプライズとなった。2人のメンバーは5.6%を予想している。

FRBと市場の金利見通し乖離がさらに広がった。短期金融市場はピーク金利を4.85%と、5%を下回る水準を予想。米国の2年債利回りは4.21%と、FF以下で推移しており、専門家はFRBは利上げを今回で打ち止めるべきと主張している。

FRBのパウエル議長は、利上げを巡りまだやるべきことはあるとタカ派色を維持すると同時に、抑制域には近づいたとし、急速な利上げののち、金融市場のリスクと均衡させるために利上げペースを減速させる時期だと言及した。ウォールストリートジャーナル紙のFEDウォッチャーの質問に、利上げペースは指標次第と答えた。さらなる利上げ減速で2月に0.25%の利上げの可能性も否定しなかった。


■FRB23年予想
金利
4.9% 2人
5.13% 10人
5.4% 5人
5.6% 2人

インフレ:3.1%(2.8%)
コアインフレ:3.5%(3.1%)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:FOMCはタカ派色を維持、市場との見通し乖離広がる