米供給管理協会(ISM)が発表した11月ISM非製造業景況指数は56.5と10月54.4から低下予想に反して上昇した。景況指数、雇用、在庫、輸入項目がそれぞれ上昇し、全体指数を押し上げた。

重要項目である新規受注は56.0と、56.5から低下、6カ月平均の58.4を下回った。雇用は51.5と、10月に50割れに落ち込んだのち、活動拡大の50を再び上回った輸出はドル高の影響もあり新規輸出受注は38.4と、前月47.7から2カ月連続の50割れで、さらに低下。逆に輸入は59.5と、50.4から上昇。
仕入れ価格も70と、前月比70.7から低下した。

■米11月ISM非製造業景況指数:56.5(10月:54.4、6カ月平均56.1)
景況指数:64.7(55.7、59.4)
新規受注:56.0(56.5、58.4)
仕入価格:70.0(70.7、72.2)
受注残:51.8(52.2、54.9)
入荷水準:53.8(56.2、56.4)
在庫増減:47.9(47.2、46.3)
雇用:51.5(49.1、50.1)
新規輸出受注:38.4(47.7、55.0)
輸入:59.5(50.4)

ウォールストリートジャーナル紙のFedウォッチャーが賃金の高い伸びにより、FRBは政策金利であるFF金利誘導目標を5%以上へ引上げることを検討することになり、現在市場が織り込んでいる以上に政策金利が上昇する可能性に言及した。加えて、12月13日に発表予定の消費者物価指数(CPI)が鍵を握ると指摘し、結果次第で12月に続き2月も50BPの利上げの可能性を高めるとした。

一方で、S&Pグローバルマーケッツが発表した11月サービス業PMI改定値は46,2と、5カ月連続で活動の縮小となる50を割り込んだ。第4四半期の経済がマイナス1%成長に落ち込む軌道。チーフエコノミストはハイテクやヘルスケアセクターで柔軟性が見られるものの、他のセクターは、コストの上昇や金利の上昇、弱い世界需要、信頼感の低迷で生産が減少しており、企業の多くは売上に拍車をかけるために割引などを行っている。このため、今後著しくインフレが鈍化する可能性に言及している。

景気後退を示唆するとされる米2年債と10年債の逆イールドは1981年来で最大となった。当面は、インフレ動向を引き続き綿密に確認していくことになる。11月CPIはコアで10月の6.3%から6.1%へ伸びが縮小する見通しとなっている。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:米11月ISM非製造業景況指数は予想外に改善も11月サービス業PMIはQ4マイナス成長示唆