主要各国のパンデミックを受けた金融緩和策の解除方針に違いが見られる。供給不足で商品価格の上昇が見込まれる中、商品価格動向が景気動向を大きく左右する傾向があるカナダや豪州などの中銀は特に、回復ペースの加速を鑑み、速やかな金融緩和の解除姿勢を強めつつある。

カナダ中銀は27日に開催した金融政策決定会合で、市場の利上げ観測を否定しなかったばかりか、来年の4回の利上げ観測をさらに強めるタカ派方針を示した。中銀の利上げ条件達成の時期を年後半から早くて、4月に前倒し。

一方で欧州中央銀行(ECB)は市場の利上げ観測がガイダンスに一致しないとし、速やかな利上げの可能性を否定。マイナス金利を当面維持する方針を再表明した。また、日銀も黒田総裁が「日本のインフレ高進するリスクは極めて限定的」としており、当面金融緩和を継続すると見られる。

米連邦準備制度理事会(FRB)や英国中銀は来週、FOMCや金融政策決定会合を予定している。FRBはパンデミック対処の緊急対策として実施している資産購入策の縮小を開始する見込み。ただ、労働市場の最大雇用はまだ先で、2022年の利上げは50/50と金融政策者は見ている。英国中銀は年内の利上げが金利先物市場で100%織り込まれた。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:主要各国中銀の緩和解除方針が分かれる、ECBはマイナス金利維持VS商品通貨国中銀はタカ派色強める