米連邦準備制度理事会(FRB)は新型ウイルス蔓延による経済への弊害を抑えるためゼロ金利政策や無制限の国債購入というバズーカを決定した米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨公表(3月15日開催分)を公表した。

短期的な経済の見通しが急激に悪化したことを理由に挙げた。さらに、先行き見通しにかなり大きな不透明性があり、経済が新型ウイルスの影響を克服するまでゼロ金利を維持する断固とした方針を示した。経済がさらに悪化した場合に、FRBの手段が尽きるとの投資家の懸念を生むことを回避するために小幅な利下げを主張するメンバーもおり、利下げ幅を巡り意見の相違があったものの力強い政策に支持が得られたことが明らかになった。また、信用市場支援で全ての手段を利用すると、必要とあれば一段の支援の可能性も示唆した。

景気回復のシナリオとして2つ挙げた。一つのシナリオでは、米国経済が下半期に回復を始めること。二つ目の最悪のシナリオでは、かなり遅い回復で、来年まで経済が回復する兆候を見せない可能性があること。シカゴ連銀のエバンス総裁は8日に、シカゴのエコノミッククラブでのビデオ会合で、「最善なシナリオでも、危機脱出後、米国や世界経済は危機前に考えられていたような繁栄に戻るのは困難」と述べ、打撃は大きいと見ているようだ。確かにウイルス危機を脱出し、経済活動が再開したとしても、消費者が危機前のように外出や外食、旅行などの活発な活動を速やかに再開するかどうかには疑問が残る。

パウエルFRB議長は9日に経済の見通しを発表する予定で内容に注目される。






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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:FRBは当面大規模緩和を維持へ=3月FOMC議事録