「中国モルディブ友好の橋」が間もなく完成する。インド洋に浮かぶ群島国モルディブ首都マリと、国際空港のある島を結ぶ7キロメートルの橋のことだ。名前は2014年9月、習近平国家主席が同国を訪れたとき、親中派アブドラ・ヤミーン大統領の提案で決まったという。

中国国営紙と提携する英字メディア「ビジネスレポート」によると、この6車線の橋の建造費は100億~150億円と試算されている。2018年8月に完成予定。橋が繋ぐ空港の島では、中国が845億円が投じて大規模拡張工事が行われている。首都マリでも、中国支援で5000棟の新住居が設けられた。

インド洋に浮かぶ群島国モルディブ。日本から約7000キロ離れたところにある。衛星写真に写るのは、首都マリと空港の島を結ぶ中国資本の「中国モルディブ友好の橋」(大紀元資料)

華やかな中国からの投資話とは裏腹に、モルディブは政情不安定に陥っている。事の発端は、最高裁判所が1日、獄中の野党政治家9人の釈放と、罷免された国会議員12人の復職を命令したが、政権交代を認めたくない大統領が、これを拒否したことにある。

ヤミーン大統領は非常事態宣言を5日に出し、治安部隊を最高裁庁舎に突入させ、大統領の異母兄で野党寄りのガユーム元大統領を拘束した。現地報道によると、拘束理由は発表されていない。

英国で亡命生活を送るナシード元大統領はツイッターで2月17日、モルディブで軍人に拘束されるジャーナリストの写真とともに「報道機関も統制され、自由主義が弾圧されている」と主張。

ナシード氏は、2008年に同国初の民主的な選挙で選ばれたが、2012年の選挙ではヤミーン氏に僅差で敗れた。以後、野党幹部の不当逮捕や拘束が起きている。

また、事態の収束にあたり、ナシード氏はインドに軍の支援を求めた。18日、インド防衛大臣とも面会し、直接要求したことをツイッターで明らかにした。

しかし、動いたのは中国軍だった。海軍艦隊が東インド洋を航行した。中国情報サイト新浪網18日付によると、艦隊の構成は中国人民解放軍海軍の052C/D型駆逐艦「中華神盾(イージス)」1隻、054A型ミサイル・フリゲートなど主力戦艦7隻、3万トン級の071型輸送揚陸艦1隻、2万トン級の補給艦3隻。

報道は、「インド海軍との差は大きくない」と強調するいっぽう、混迷続くモルディブとの関連性や、同艦隊がいつ配備され、いつまで展開するかについては触れていない。

ナシード元大統領は1月22日、訪問先のスリランカで開いた記者会見で、政情不安定なモルディブの土地を「中国が土地を収奪し、主権を傷つけている」と非難した。同氏によると、少なくとも16の島を中国の関係者が賃借し、港湾開発やインフラ整備が行われている。

ナシード氏は「外国からの直接投資に対しても反対はしていない。しかし、自国の主権の放棄には反対する」と強調した。中国共産党政府の影響力拡大について「植民地主義であり、許されない」と批判した。

つづき:中国色が濃くなる「インドの裏庭」手をこまねくニューデリー www.epochtimes.jp/2018/02/31532.html 

(編集・佐渡道世)



【ニュース提供・大紀元】




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情報提供元: FISCO
記事名:「 政情不安定なモルディブに中国資本 元大統領は「植民地化だ」と批判