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そこで今日は原油価格の下落の背景と今後の見通しについてレポートします。
足元の原油の動きについて、松永さんによると、『NY原油は、3カ月ほど前から51~55ドル付近でのボックス圏相場を続けております。しかし、昨夜のNY原油は、一時50.05ドルまで下落し、50.28ドルで取引を終えました』とのことです。続けて、ファンドの原油買い越し枚数に関しては、『昨年11月の米大統領選前のNY原油におけるファンドの買い越し枚数は27万枚程度でした。しかし、その後の3カ月間で買い越し枚数が55万枚付近まで急増したのですから、トランプ・ラリーによる原油市場の恩恵も相当なものでした』と分析しています。
さて、直近の原油価格下落の背景には需給バランスの変化があります。『昨夜発表されたEIA週間石油在庫統計は、原油が190万バレル増予想に対して820万バレル増、ガソリンが140万バレル減予想に対して660万バレル減、ディスティレートが90万バレル減予想に対して270万バレル減となり、製油所稼働率が0.1%低下の85.9%でした』と、予想より原油が増加していることがわかります。加えて、『原油在庫が大幅増加したことや、製油所稼働率が低下に転じたことなどが嫌気されたようです。そして、米原油生産の大幅増加も嫌気されました。米原油生産は、年初から日量31万バレルほど増加しており、昨年10月から日量63万バレルほど増加しております』と分析しています。
そして今後については、『米国株が更なる下落となれば、原油市場のファンドの本格的な手じまい売りが始まる可能性もあるだけに、原油市場の更なる下落に警戒するところかもしれません』との見解を述べています。今後も原油、米国株共に値動きをしっかりウォッチしてまいりましょう。
上記の詳細コメントは、ブログ「松永総研~北浜の虎と呼ばれた男~」の3月9日付「原油市場」「原油市場パート2」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。
フィスコリサーチレポーター 三井智映子
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