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米労働省が発表した12月JOLT求人件数は550.1万件と11月550.5万件から増加予想に反して小幅減少した。予想を若干下回ったものの米国の労働市場が依然健全であることが確認された。雇用が増えている一方で、解雇率は依然減少の基調にある。
同時に、労働市場に存続するスラックの解消ペースが相変わらず遅いことも明らかになった。JOLT求人件数はイエレンFRB議長が労働市場のスラックの状況を判断するため特に注目している指標のひとつ。イエレン議長が注目している9つある雇用項目の中で金融危機前の状態に改善したのは依然3項目に留まったまま。中でも労働者の市場への自信を反映するとして特に注目している最新の退職率(Quits rate)は2.0%と、金融危機前の水準に並んだ11月2.1%から低下。1年前の2.2%からも低下し伸び悩んでいる。米1月の雇用統計では賃金の伸びの停滞が示されたが、現段階で、2017年度の利上げが思ったように速やかに進まない可能性が示された。
■イエレンFRB議長の雇用たるみダッシュボード(最新)
◎危機前に比べ状態が改善 危機前の水準と比較
12月解雇率(Layoffs/discharges rate):1.1%(11月1.1%) 1.4%
1月失業率(Unemploynent rate):4.8%(12月4.7%) 5%
12月求人率(Job openings rate):3.6 %(11月3.7%) 3%
◎状態が危機前より依然悪い
1月広義の失業率(U-6):9.4%(12月9.2 %) 8.8%
1月長期失業率:40.0% (12月40.0%) 19.1%
1月労働参加率:62.9%(12月62.7%) 66.1%
12月採用率(Hires rate):3.6%(11月3.6%) 3.8%
1月雇用者数(Nonfirm payrolls):+22.7万人(12月+15.7万人) +16.18万人
12月退職率(Quits rate):2.0%(11月2.1%) 2.1%
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