4日のニューヨーク市場では、ジョージア州の上院選決選投票(5日)を控えて、リスク回避的な取引が一時活発となった。連邦議会上院2議席についての決選投票で、共和党候補が勝利すれば、大規模な刺激策の承認は阻止されるとの見方があるものの、民主党候補が勝利した場合、財政支出拡大への思惑で長期債利回りは上昇するとの見方が出ている。4日の米国株式は大幅安となり、債券利回りの上昇はやや抑制された。

 ただ、シカゴ連銀のエバンス総裁は「インフレ率が2.5%を大幅に超えて上昇することは懸念していない」との見方を示しており、米金融当局はインフレ進行(インフレ期待)を容認している可能性があることから、米国株式・米国債・ドルの見通しにも大きな影響を及ぼす可能性がある。昨年11月に行われた米大統領選について、一部の市場関係者の間からも「いくつかの州における選挙不正の疑いは払しょくされていない」との声が聞かれている。1月6日に行われる上下両院合同会議における選挙人投票の結果認定については、予断を許さない状況が続くとみられており、米国の政治不安は払しょくされていないが、米国債利回りは下げ渋っており、ドル安進行は一服するとの見方も出ている。
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情報提供元: FISCO
記事名:「 米国の政治不安とインフレ進行の思惑