米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は20日、「緩やかな利上げ継続の根拠が強い」、「米国経済は非常に良好」、「インフレはFRBの目標である2%に近づいた」、「米国の財政政策は、今後数年、需要を押し上げ」などの見解を表明した。この発言を受けて米長期債利回りは反発した。米中貿易戦争激化に対する警戒感は低下していないものの、米国株式市場では、ナスダック総合指数は終値で最高値を更新しており、株安を意識したリスク回避的な取引は縮小しつつある。

 ただし、通商問題を巡る米国と中国の対立は現時点で解消していないことから、米中貿易戦争の激化によって世界経済が停滞する可能性は残されている。20日の米10年債利回りは反発したが、金利上昇につながる新たな材料が提供されない場合、3%をしっかりと上回ることは難しいとの声が聞かれている。


<MK>

情報提供元: FISCO
記事名:「 米長期債利回りのもう一段の上昇は難しいとの見方も