アジア地域における安全保障問題の専門家や識者の間では、史上初となる米朝首脳会談の最大の目的は朝鮮戦争を終結させること(平和条約の締結)であるとの見方が多い。首脳会談開催の必須条件としては「米国が北朝鮮の現体制を保証するとの意思を明確に表明すること」を挙げている。そうすることによって、北朝鮮があらゆる大量破壊兵器をすみやかに廃棄する可能性が高まり、朝鮮戦争の終結(平和条約の締結)への具体的な動きが加速することが期待されている。また、朝鮮戦争を終結させるためには、米国と中国の関与が必要不可欠であるため、米国と中国の関係が著しく悪化しないことも大変重要となる。

 6月12日の米朝首脳会談で朝鮮戦争を実質的に終結させることは現実的ではないものの、米国、中国、韓国、北朝鮮の4者協議を開催することで双方が合意すれば、朝鮮戦争終結への期待は一段と高まることが予想される。朝鮮戦争の終結は日韓の株式市場にとって大いなるプラス材料になる。南北統一を視野に入れた北朝鮮におけるインフラ整備などの大規模な投資・開発案件も浮上するとみられており、技術力のある日本企業が開発案件に多く絡んでいくことが期待される。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 米朝首脳会談は無事開催されるか?