*08:22JST 売り一巡後は次第に底堅さが意識される相場展開に  22日の日本株市場は、米株安の流れから売り優勢となろうが、売り一巡後は次第に底堅さが意識される相場展開になりそうだ。21日の米国市場は、NYダウが102ドル安、ナスダックは165ポイント安だった。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が半年に一度の金融政策報告に関する議会証言で、年内の追加利上げが必要だと再表明したため、警戒感から売りが優勢となった。NYダウは一時プラスに転じる場面も見られたが、金融引き締め長期化への警戒からハイテク株には利益確定の動きが強まり、結局主要な株式指数は下落で終了した。シカゴ日経225先物清算値は、大阪比5円安の33565円、円相場は1ドル141円70銭台で推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや売り先行で始まることになりそうだ。米国市場の流れから指数インパクトの大きい値がさハイテク株には売りが入りやすく、上値の重荷となりそうである。ただし、日経225先物はナイトセッションで一時33740円まで買われた後は弱含みとなったが、33500円を挟んでの底堅い値動きだった。為替相場では1ドル142円台に乗せる場面が見られるなか、海外投資家による押し目待ち狙いの買い意欲は強そうである。そのため、短期的に売られる場面が見られるようであれば、押し目買いのスタンスに向かわせよう。

 需給面では四半期末に伴うリバランス売りや7月に入るとパッシブ型ETFの決算を控えているため、売り需要が警戒されている。ただし、積極的な上値追いは慎重にさせるものの、イレギュラー的な需給要因ではないため、これら需給を想定した買い方も存在するだろう。このところの動きを見ても、下へのバイアスが強まる場面においては、下値を拾う動きも見られている。売り需要を睨んでの下落を狙った売りは動きも入りやすいだろうが、ショートに傾けるスタンスは避けておきたい。

 物色の流れとしては値がさハイテク株の底堅さを見極めるほか、こう着感が強まる局面においては、IPOラッシュが続くなかで個人主体による中小型株への物色になろう。また、ソフトバンクG<9984>が底堅い値動きをみせてくるようだと、生成AIなどのテーマ株への物色が強まりそうだ。
<AK>
情報提供元: FISCO
記事名:「 売り一巡後は次第に底堅さが意識される相場展開に