20日の日本株市場は、波乱含みの相場展開が見込まれる。19日の米国市場ではNYダウが123ドル安だった。史上最高値付近から利益確定売りが優勢となり、ハイテク株主導の下落に。バイデン大統領が2.3兆ドル規模のインフラ法案を巡り合意に向けた交渉に応じる姿勢を示すと下げ止まったが戻りは限定的で、終日軟調推移となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比350円安の29340円。円相場は1ドル108円10銭台で推移している。

 米国の下落については高値圏での利食いの範囲内であり、トレンドを大きく崩す状況ではないものの、シカゴ先物は大幅に下落しており、これまで下値の堅さが意識されていた29500円を割り込んできているため、インデックスに絡んだ売りが集中しやすい。そのため、シカゴ先物にサヤ寄せする形からギャップスタートを余儀なくされる。ギャップスタートとなることから指数インパクトの大きい値がさ株の影響がより大きくなるため、日経平均型の売買が指数を押し下げる格好になりそうだ。

 日本においては新型コロナウイルス感染症の拡大によって大阪府ではきょうにも緊急事態宣言の発出要請が見込まれており、国内要因による影響は大きいだろう。短期のヘッジファンドによる売り仕掛け的な動きも出ていると考えられ、本格化する決算を控えて薄商いが続いているなかでは、オーバーシュート気味の動きに繋がる可能性も意識しておきたいところであろう。ただし、ショートカバーの動きも早いため、売り一巡後の底堅さが意識されるようであれば、押し目拾いのタイミングとの見方にも向かわせやすいと考えられるため、見極めたいところである。

 物色の流れとしてはインデックスの影響を受けづらい個別の材料株などに資金が向かいやすいところである。また緊急事態宣言の発出により、改めてテレワーク関連などを見直す流れも見込まれよう。その他、成長期待の大きいIT関連や半導体関連などについては、インデックス売りの影響はあるものの、押し目狙いのスタンスに向かわせそうだ。
<AK>
情報提供元: FISCO
記事名:「 レンジ割り込み様子見ムード強まるか