11日の日本株市場は、底堅さが意識されるものの、こう着感の強い相場展開になりそうだ。10日の米国市場は、トランプ政権がメキシコからの輸入品に対する関税引き上げの延期を発表し、投資家心理が改善。NYダウは78ドル高となった。シカゴ日経225先物清算値は
大阪比30円安の21120円。円相場は1ドル108円40銭台で推移している。

 NYダウの上昇については前日のグローベックスのNYダウ先物の上昇で織り込まれており、日経平均は25日線を挟んでのこう着といった展開になりそうである。ただし、米半導体株の堅調さが目立っており、これが下支えとして意識されやすく、底堅い相場展開といったところであろう。また、週末に先物オプション特別清算指数算出(SQ)を控えているため、先物市場では限月交代に伴うロールオーバー中心の売買になりやすく、方向感は出難い状況でもある。

 日中値幅が小さい他、商いが膨らみづらい需給状況であるため、底堅さが意識されるとはいえ、積極的には上値を追いづらいところである。昨日の日経平均はギャップ・アップで始まったものの、その後はこれまで同様、こう着感が強まっていた。チャート上では25日線を挟んでの攻防となっている。メキシコへの関税引き上げが無期限で停止となったことを好感する格好であるが、日本主導では抵抗線突破による一段高は厳しかったようである。

 とはいえ、米中協議も長期化するとの見方の中であるが、G20での進展も捨てきれず、G20に向けてポジションを圧縮する流れが出てくると考えられる。リバランス中心とはいえ、内需系の利益確定に対して、景気敏感株の買い戻しといった動きを引き続き意識しておきたいところである。米半導体株の上昇も支援材料となるため、指数インパクトの大きい景気敏感株への買い戻しにより、結果的に日経平均の底堅さが意識されることになる。

 その他、ゲーム見本市「E3」開催により、グーグルやマイクロソフトなどの動向が刺激材料になる。最新ゲームリリース等で動意を見せやすいほか、「5G」関連への波及も意識しておきたいところである。また、昨年12月安値の信用期日が近づいており、需給妙味の大きい銘柄などへはアク抜けを意識した動きにも期待。その他、連日強い動きをみせている低位材料株等へも短期割り切りスタンスでの資金流入も続きそうである。


<AK>

情報提供元: FISCO
記事名:「 基本はこう着だが米半導体株上昇は支援材料