10日の日本株市場は、高値圏でのもち合いになりそうだ。9日の米国市場ではNYダウ、ナスダック、S&P500指数は揃って最高値を更新しているが、SOX指数が弱いなど、半導体関連が利益確定の売りに押されている。指数インパクトの大きい値がさハイテク株への重しになる可能性がありそうだ。また、シカゴ日経225先物清算値は大阪比25円安の23835円となり、円相場は1ドル112円60銭台と円高傾向にあることも手掛けづらくさせそうだ。

 日経平均は連日でバブル崩壊後の高値更新となったが、92年の高値を超えているほか、先物市場では24000円にタッチしたこともあり、いったんは達成感が意識されやすいところであろう。

 とは言え、物色意欲は強く、先高観も依然として大きいなか、下値の堅さは意識されやすいだろう。値がさハイテクや自動車株辺りは手掛けづらくなりそうだが、内需系や原油相場の上昇を背景とした資源株などに資金が向かいやすいとみられる。日経平均が高値もち合いとなるなか、新興市場の中小型株に個人主体の資金が向かう可能性もあるだろう。

 また、決算シーズンとなる中、米国では企業業績への期待感を背景に投資家のリスク選好姿勢が高まっている。日本でも決算発表を手掛かりとした物色も次第に強まることになりそうだ。
(村瀬智一)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 中小型株に個人主体の資金が向かう可能性