11日の日本株市場は利食い優勢の相場展開になりそうである。10日の米国市場は、NYダウ、ナスダックいずれも小幅に上昇。原油相場の上昇が好感されたが、北朝鮮を巡る地政学リスクへの警戒が重しとなった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比45円安の18755円、円相場は1ドル110円70銭辺りでの推移に。

 まずはシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、前日の上昇に対する利益確定の流れが先行することになろう。北朝鮮では最高人民会議が開かれるほか、15日には北朝鮮金日成国家主席の生誕105周年を控えており、地政学リスクが上値の重しとなる状況は変わらず、積極的な売買は手控えられることになりそうだ。

 昨日は東証1部の7割近くが上昇していたが、狭いレンジでの取引であり、下値の堅さよりは上値の重さが意識されやすい状況となった。本日も地政学リスクへの警戒から、全体としてはこう着感の強い相場展開のなか、決算を手掛かりとした個別対応のほか、防衛関連への短期的な値幅取り狙いの商いが中心になりやすい。その他、2016年4-12月期決算発表が期限となる東芝<6502>に関心が集まりやすく、短期筋の思惑的な売買も増えそうだ。

<AK>

情報提供元: FISCO
記事名:「 北朝鮮リスク警戒から手控えムードに