日経平均は小幅続落。6.55円安の22192.45円(出来高概算4億9000万株)で前場の取引を終えている。

 20日の米国市場では、貿易摩擦の緩和に向けた米中協議への期待などからNYダウが89ドル高と3日続伸した。一方、為替市場ではトランプ米大統領が米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げに不満を示したことが伝わり、円相場が一時1ドル=109円台まで上昇。本日の東京市場では円高進行を嫌気した売りが先行し、日経平均は88円安からスタートすると、朝方には22053.14円(145.86円安)まで下落する場面があった。ただ、その後は円高一服とともに下げ渋る展開となり、前日終値近辺まで値を戻し前場を折り返した。

 個別では、ソフトバンクG<9984>、トヨタ自<7203>、スズキ<7269>、ソニー<6758>、キーエンス<6861>などが小安い。米長期金利の低下を受けて三菱UFJ<8306>も軟調。前日大きく売られたユニファミマ<8028>は本日も4%安と大幅続落した。一方、売買代金上位では任天堂<7974>やファーストリテ<9983>が逆行高。任天堂は一部証券会社の目標株価引き上げが観測された。東海カーボ<5301>は3%高と上げが目立つ。また、オープンドア<3926>
などが東証1部上昇率上位に顔を出した。セクターでは、非鉄金属、卸売業、ゴム製品などが下落率上位で、引き続き景気敏感株が軟調だった。半面、その他金融業、鉱業、鉄鋼などが上昇率上位だった。

 日経平均は為替の円高一服を支えに値を戻し、22000円レベルでの下値の堅さが意識されるだろう。日経平均の予想PERは12倍台まで低下しており、4-6月期の企業業績が堅調だったことも踏まえれば、下値を大きく売り込む流れにはなりにくい。本日は中国・上海総合指数が強含みで推移していることも投資家心理にポジティブに働くとみられる。

 しかし、前引け時点の東証1部の売買代金は8000億円程度にとどまっており、引き続き積極的な買いが入っている様子は見受けられない。20日から始まった米国の対中追加関税に関する公聴会、今週再開が見込まれる米中通商協議、23日から始まる米経済シンポジウム
(ジャクソンホール会議)といった重要イベントの内容を見極めたいとの市場の思惑が強く、トルコ情勢などの先行き不透明感もあって一段の上値追いの動きは限定的だろう。後場の日経平均は前日終値近辺でのもみ合いとなりそうだ。また、新興市場ではマザーズ指数や日経ジャスダック平均が続落している。個別材料株でもやや値幅が出にくくなっておりイベント通過まで個人投資家も手控えムードとなる可能性がある。
(小林大純)


<AK>

情報提供元: FISCO
記事名:「 日経平均は小幅続落、下値は堅いがイベント通過まで様子見ムード