国際通貨基金(IMF)は最新リポートで、2021年の世界経済見通し(WEO)を昨年10月に予想した5.2%から5.5%に上方修正した。主要国などで新型コロナウイルスワクチンの普及開始に伴う経済活動の回復が指摘された。また、機関投資家らも、21年の世界経済にポジティブな見方を相次いで示した。

中国のエコノミストらは、各国による金融緩和の実施や財政支出の拡大を受け、世界経済が2021年前半は大幅な回復を示す可能性があると予測。ただ、これは世界経済の実質的な回復ではなく、政府主導の財政支援によるものだと指摘した。新型コロナ流行に伴う各国の労働者が大幅な収入減に直面しており、先行きの不透明感から収入の多くは貯蓄に回す傾向があり、これが消費の落ち込みにつながると強調した。

また、新型コロナワクチンの普及が主要国などに集中しており、一部経済発展途上国での普及が大幅に遅れる恐れがあると指摘された。ワクチンが全世界に行き渡らなければ、世界経済の本格的な回復が望めないと予測された。

一方、新型コロナ流行でデジタル経済などの普及や発展を加速させるため、これは世界経済の効率化や生産性向上につながると評価された。また、中国経済が2020年も引き続きプラス成長を維持しており、中国経済の拡大が世界経済の成長にも寄与できると強調された。なお、IMFは、2021年の中国経済の成長率について、8.1%まで回復すると予測した。
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情報提供元: FISCO
記事名:「 【中国の視点】21年の世界経済、急速な回復は望めない