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●ams OSRAMとFraunhofer Instituteのチームが「Deutscher Zukunftspreis - German President's Award for Innovation in Science and Technology」(ドイツ未来賞 - 革新的技術に対するドイツ連邦共和国大統領賞)を受賞
●ams OSRAMの「デジタルライト」LED技術は、交通照明の世界へインテリジェンスと高精度をもたらし、プロジェクションなどの斬新で安全に関わるアプリケーションの実現を支援
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※本プレスリリースは、2024年11月27日にドイツ・ベルリンで発表したプレスリリースの抄訳版です。
本日、ドイツのFrank-Walter Steinmeier大統領がベルリンで開催された式典で、Deutscher Zukunftspreis 2024(2024年ドイツ未来賞)の受賞者に賞を授与しました。この賞は、自動車のヘッドライトをプロジェクターに変えるLEDマトリクスというアイデアを技術的に実現した、ams OSRAMのNorwin von Malm博士とStefan Grötsch、およびFraunhofer Institute for Reliability and Microintegration IZM(信頼性とマイクロ統合のフラウンホーファー研究所)に所属するHermann Oppermann博士のチームに授与されました。このチームによって開発されたLED技術は、その高解像度の配光と電力効率により、革新的な設計に新たな可能性を拓くものです。
デジタルライトプロジェクトの一部として、研究者らのチームはインテリジェントなLED技術を一から再考し、自動車のヘッドライトを超えて、数々の新しいアプリケーションを可能にする基本技術を確立しました。ams OSRAMのNorwin von Malm博士とStefan Grötsch、およびFraunhofer IZMのHermann Oppermann博士は、従来の光源よりも小型で、明るく、効率的、インテリジェント、かつ高精度の光源を開発しました。この新しいシステムは、例えば、自動車のヘッドライトが対向車や歩行者の目を眩ませたり、危険にさらしたりすることなく、前方の道路を正確に明るく照らすことを可能にします。ライトの空間的配光を制御でき、かつライト自体がそれぞれの状況に適応できなければならないため、ここでは従来のロービーム/ハイビームの組み合わせは選択肢にありません。これを達成するために、新しいヘッドライトは従来のヘッドライトのように2つの光源を使用する代わりに、320 x 80ポイントのマトリクスを構成する25,600個のLEDを使用し、各LEDをデジタル信号で個別制御できるようにします。これに特殊なレンズを組み合わせることで、ビデオプロジェクターのように動作するヘッドライトを作り出すことができます。
コンパクトな設計で高効率
この新しいシステムは最小限の設置空間しか必要とせず、希望の配光に必要なLEDだけが点灯されるため、高効率です。対照的に、パッシブ調光システムは遮光に頼っているため、光源は常にフルパワーで点灯しており、不要な光がフィルターで除去されています。しかし、これは不必要な光を生み出しているため、非効率なソリューションです。さらに、生み出された熱を放散する必要があり、大きく高額な冷却システムが必要となります。この新しいシステムはこれらの無駄を初めから発生させないようにするものです。
投影したピクトグラムを通じて安全性を向上
安全性を向上するために、ams OSRAMとFraunhoferは特別な機能を生み出しました。このヘッドライトは正確かつ効率的に前方の道路を照らすだけではありません。同時にプロジェクターとしても動作し、例えば霜の危険がある場合は雪の結晶、逆走ドライバーに対して知らせる特定のシンボルなど、路上にピクトグラムを投影することができます。
デジタルライト - 明日の世界に向けたインテリジェントなLEDテクノロジー
光による情報は、チームが開発したデジタルシステムにより制御可能なLEDマトリクスに数多くの新しいユースケースをもたらします。これには、例えば、データセンターにおけるAIアプリケーションや拡張現実(AR)のためのコンピューターチップ間の光データ通信などが含まれます。この場合、ライトマトリクスを実世界の環境だけでなく、デジタル情報がユーザーの視野に表示されるARグラス用のバーチャルモニターとして使用できます。ARグラスは軽く、長いバッテリー持続時間が必要なため、コンパクトな設計と電力効率が重要となります。これらのユースケースは、人が電子機器とやり取りする方法の変革に関するデジタルライトの大きな可能性を示しています。
Deutscher Zukunftspreis(ドイツ未来賞)- 技術と科学における革新的な功績を称賛
ams OSRAMのCEOであるAldo Kamper(アルド・カンパー)は次のように述べています。「この素晴らしい授賞に際し、Norwin von Malm博士とStefan Grötschが率いるチーム、そしてFraunhofer IZMに敬意を表します。2007年の初受賞を経て、今回当社のインテリジェントなLEDソリューション、デジタルライトがドイツ大統領のDeutscher Zukunftspreisを受賞したことは、Fraunhofer-Gesellschaft(フラウンホーファー研究機構)全体にとって特別な栄誉です。この賞は、ams OSRAMの革新における大きな強みを証明するとともに、現在そして未来のデジタル社会におけるインテリジェント照明とセンサ技術の重要性を強調するものです」
Fraunhofer-Gesellschaftの理事長であるHanselka教授は次のように述べています。「この素晴らしい賞を手にしたams OSRAMとFraunhofer IZMのチームを心から祝福したいと思います。彼らのデジタルライトプロジェクトの一部として、研究者らは効率、安全性、設計に新たな可能性を拓く画期的な技術の開発以上のことを成し遂げました。研究と産業間のコラボレーションを通じて最先端の科学的発見を実用的な応用に転換することにより、革新の強みを示す非常に素晴らしい例を提供することにもなりました。Fraunhofer IZMのチームは、Fraunhofer-Gesellschaftの特徴であり、その成功の基礎を形成している、献身、創造力、先駆的な研究、そして起業家精神を明確に示しています。Deutscher Zukunftspreisの受賞は、チーム全体にとって素晴らしい成功であり、このプロジェクトに注がれた並々ならぬ努力を証明しています」
1997年から毎年授与されているDeutscher Zukunftspreisは、科学的業績に対するドイツで最も権威ある賞の1つであり、250,000ユーロの賞金が贈られます。すぐに製品に応用できる技術、工学、科学の分野における優れた業績を称えるものです。毎年、権威ある審査団が複数の審査段階を踏んで、幅広いプロジェクトから3つの研究チームとそれぞれの革新的なアイデアを選出します。これら3チームが最終選考「circle of the best」へと進みます。審査団はイノベーションに加えて、プロジェクトの経済的・社会的可能性も評価します。FraunhoferがDeutscher Zukunftspreisを受賞するのは10回目となり、Fraunhofer IZMは初めての受賞となります。
詳細情報:https://www.deutscher-zukunftspreis.de/en
受賞者のポッドキャスト:https://www.fraunhofer.de/de/mediathek/podcasts/2024/podcast-led-technologie.html
デジタルライトのテクノロジーについての詳細情報は、こちらをご覧ください。
デジタルライト: 新しいLED技術が明日の世界での照明へインテリジェンスと高精度を導入 | ams OSRAM
https://ams-osram.com/innovation/new-led-technology-brings-intelligence-and-precision-to-the-illumination-of-tomorrows-world
Fraunhofer IZMについて
高度に統合されたマイクロエレクトロニクスはどこにでもありながら、目に触れることはあまりありません。4つの中心的なテクノロジークラスターを擁するFraunhofer IZMは、量子力学のほか、医療、通信、高周波技術など幅広い分野を対象としています。世界をリードする専門知識により、電子パッケージング技術の費用対効果に優れた開発と信頼性評価、ウェハ、チップ、基板レベルでのカスタムメイドのシステム統合技術をお客様に提供しています。30年以上にわたり、3つの拠点で、スタートアップのサポートだけでなく、中規模~大規模な多国籍企業を(知識移転で)支援し、未来のインテリジェントな電子システムのための重要な技術を研究しています。
Fraunhofer IZMの詳細情報はこちら:https://www.izm.fraunhofer.de/en.html
ams OSRAMについて
ams OSRAM Group(SIX:AMS)は、インテリジェントセンサとエミッタのグローバルリーダーです。照明にインテリジェント性を持たせてイノベーションに情熱を注ぐことで、私たちは人々の生活を豊かにします。
合わせて110年以上の歴史を持つ当社は、想像力、深いエンジニアリングの専門知識、そしてセンサと光の技術におけるグローバルな生産能力を提供できることが主な特徴です。当社は、自動車、産業、医療、コンシューマー市場のお客様が競争力を維持することを可能にするイノベーションを創出し、環境負荷の軽減を行う一方で、健康、安全、利便性の面で生活の質を向上させるイノベーションの推進を行っています。
世界中の約20,000人の従業員が、センシング、イルミネーション、ビジュアライゼーションの分野でイノベーションを起こし、運転をより安全に、医療診断をより正確に、そして日々のコミュニケーションをより豊かにしています。その業務は画期的なアプリケーションのための技術を生み出しており、これは15,000件以上の特許の取得・出願に反映されています。また、オーストリアのプレムシュテッテン/グラーツに本社を置き、ドイツ・ミュンヘンに共同の本社を設置しています。そしてグループは2023年に36億ユーロの収益を達成しており、ams-OSRAM AGは、スイス証券取引所に上場しています(ISIN:AT0000A3EPA4)。
詳細情報はこちらをご覧ください:https://ams-osram.com/ja/
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