自動車用フィルム・シートメーカーは、CASE(Connected、Autonomous、Shared、Electric)の各項目に対応する製品の開発・投入を進めてきたものの、関連需要の創出・拡大にはそれほど結びついていないのが現状である。しかしながら、次世代自動車のための技術は着実に進歩しており、CASE実現に向けた動きは不可逆的なものである。 また、今後20年の内には自動運転やパワートレイン、生産台数、ビジネスモデル、モビリティサービス(MaaS:Mobility as a Service)などの状況は大きく変容すると見る向きもあり、CASEを中心とした自動車業界の変革が進む見通しである。 例えば、これまで自動車の生産は「自動車メーカー」が担っていたが、EV化や電装化が進んだことで、家電メーカーやICT機器メーカーがコンセプトカーを発表するという動きもある。これに伴い、車室内空間をリビングやシアタールーム、リモートワークスペースとして活用したり、EVに搭載した蓄電池や太陽電池をエネルギー源として災害の際に利用することも期待されている。