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ここでは、「包装前面栄養表示」による食生活や食意識、購買行動の変化や、「包装前面栄養表示」をスマホカメラで記録できるなら欲しいスマホアプリの機能について、調査結果を公表する。
1.調査結果概要
本消費者アンケート調査は、自分や家族(同居人)が食べるための食品を普段購入すると回答した国内在住の20~79歳の男女1,200人を対象に2024年6月に実施した。栄養成分表示の確認状況や購買判断状況、購入要件など質問して、機械学習(AI分析)と統計的分析手法を用いて消費者の潜在需要について考察した。なお、回答者には、事前に食品の「栄養成分表示」や「栄養成分の推奨表示・任意表示」、「栄養強調表示」、「包装前面栄養表示」に関する簡単な説明文や図を提示した上で、調査を実施している。
2020年4月以降、消費者向けに予め包装された全ての加工食品及び添加物(業務用を除く)には、食品表示法により栄養成分表示が義務付けられた。栄養成分表示は、消費者が容易に視認できる見やすい場所に表示されていることが求められているものの、実際には包装パッケージの裏面に記載されることが多いのが現状である。そこで消費者庁は「わかりやすい栄養成分表示の取り組みに関する検討会」を設立し、消費者の健康維持や増進に役立つ食環境を整えることを目指し、「包装前面栄養表示」の導入を検討している。
本調査では「包装前面栄養表示」が導入された場合、自分自身の食生活や食意識、購買行動に起こると思う変化について、選択式(複数回答、16の選択肢から2~7件を選択)で尋ねた。回答としては、「栄養バランスを意識する」が33.5%、「健康意識が向上」の24.9%、「特定の栄養の過不足を意識する」の16.0%が上位3位までを占めた。一方で『「包装前面栄養表示」されても、何も変わらないと思う』は41.6%で、最も高い回答率となった。回答率が上位の項目からは「包装前面栄養表示」が導入された場合の消費者への影響としては、日々の食品消費の中で栄養摂取に対する意識が現状よりも高まると考えられる。
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2.注目トピック~「包装前面栄養表示」を活用した新しい食品販促スキームの可能性
次に、加工食品の「包装前面栄養表示」をスマートフォンのカメラで記録出来るならば、スマホアプリで欲しい機能について選択式(複数回答、12の選択肢から5件まで選択)で尋ねた。回答結果では、「1日の食事の栄養バランスの評価・採点」が22.9%、「その食品と併せて、一緒に食べるべき食事の提案」の15.6%、「2つ以上の食品を合計した栄養摂取量の計算」の11.2%が上位3位までの回答結果となった。また、一方で「何れも、必要と思わない」は53.1%で、最も高い回答率となった。回答率が上位の項目から推測されるスマホアプリで欲しい機能は、食品単体を評価する機能よりも、他の食品も含めた食べ合わせや栄養のトータルバランスを知る機能に対するニーズが高いと考えられる。
本調査から考えられる「包装前面栄養表示」のスマホアプリ活用事例としては、まず食品メーカーが開発した自社スマホアプリから、自社や他社商品の「包装前面栄養表示」を読み取り、それらのデータを比較した結果から栄養バランスに配慮した自社商品を提案して販売につなげることが挙げられる。
また、小売業では、来店客が店頭で「包装前面栄養表示」を読み取り、その結果から栄養バランスに配慮した、店内で販売する別商品の食べ合わせ(献立)が提案できる。さらに、店内で一緒に購入するとポイントアップなど特典が付与されることで、1回あたりの購入点数・金額の向上につながることも考えられる。
「包装前面栄養表示」は統一されたルールで運用され普及すれば、スマホカメラでの読み取りやスマホプリでの応用もしやすい。また、消費者も楽しみながら栄養意識を高めることが出来るため、食品の新しい販促スキームが誕生する可能性も考えられる。
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調査要綱
1.調査期間: 2024年5月~8月
2.調査対象: 全国の20~79歳の男女1,200人
3.調査方法: インターネットモニターによる消費者アンケート調査
4.発刊日:2024年8月26日
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