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東日本大震災被災地での復旧作業に従事。
地方建設業者の「使命」を悟った著者が、
生き残りをかけた事業多角化と地域との共生を語る。
建設業者は地域のインフラの整備や維持管理を担うだけでなく、災害時には最前線で復旧作業に着手するなど、地域の守り手としての役割を担っています。東日本大震災においては、行政からの依頼を受けた地元の建設業者が現場に駆け付けて、余震に脅かされながらも復旧作業を先導しました。
しかし、コロナ禍をきっかけに民間設備投資は大きく減少し、苦境に陥った地方建設業者は、地域の守り手としての役割を果たせなくなりつつあります。
仙台で建設業を営む著者は、震災時の復興現場で地方建設業者としての使命を再認識し、積極的に地域再生や社会復興のために何ができるかを模索し実践してきました。例えば資金の乏しい過疎地域で老朽化した水道管の入れ替え工事ができない状況に対しては、小規模水力発電所を設置して売電収入で工賃を確保するというスキームを構築し、地域のインフラを再生しました。こうした新しい試みを恐れず、積極的に事業を広げることで、地域再生や社会復興と会社の発展を両立することができる――著者は、それこそが不況にあえぐ地方建設業者が生き残るためのカギとなると考え、自ら事業の拡張を推し進めています。
本書では、淘汰が進む地方建設業の現状と社会における役割を明らかにしたうえで、地域の守り手としての地方建設業の使命と矜持、地方創生への取り組み方についてまとめています。
地域のために日々奮戦する地方建設業にとって、苦境を乗り越え成長するためのヒントとなる一冊です。
【書籍情報】
書 名:『地域再生と社会創造 未来をつくる地方建設業の使命』
著 者:深松 努(フカマツ ツトム)
発売日:2023年9月19日
定 価:1600円(税込価格 1760円)
体 裁:四六判・並製/200ページ
ISBN :978-4-344-94491-6
【目次】
第1章 公共事業の減少、担い手となる職人の不足
地方建設業が淘汰の時代に果たすべき使命とは
第2章 故郷を救いたいという一心で始めた小水力発電プロジェクト
老朽化する地方インフラを再生し、地元の限界集落を救済
第3章 何もかもを奪い去った東日本大震災
変わり果てた仙台の地で復旧・復興を先導
第4章 防災集団移転跡地ににぎわいを取り戻す
大型複合施設「アクアイグニス仙台」の建設・運営で地方創生に挑戦
第5章 未来の子どもたちが安心して暮らせる日本へ――
地方建設業のロールモデルとしてより良い社会を創造する
【著者プロフィール】
深松 努(フカマツ ツトム)
1965年生まれ。1987年日本大学理工学部土木工学科卒業後、前田建設工業株式会社で働いたあとに1992年株式会社深松組に入社。2008年に3代目社長に就任。リーマンショックや東日本大震災といった危機を経験し、それらを乗り越えるために事業の多角化を図り始める。また、東日本大震災時には率先してがれき撤去や復興に貢献した。現在は建設業以外にも、太陽光発電や小水力発電、ミャンマーでのマンション建設現地合弁会社の設立、沖縄(宮古島)観光事業、アクアイグニス事業等にも着手。幅広い事業を展開することで、安定的な経営を行っている。一般社団法人仙台経済同友会副代表幹事、一般社団法人宮城県建設業協会副会長、一般社団法人仙台建設業協会会長等を務める。TikTokとFacebookにて、経営論や生き方、考え方を発信中。
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