ゴジラの作曲家 没十年
子供のために作った音楽を集めて記念コンサートを開催
2016年5月7日(土)伊福部昭百年紀4~十年祭に寄せて~

伊福部昭(いふくべ・あきら1914~2006)を記念して、次の世紀を超えてファンの輪を広げようと作られたグループ伊福部昭百年紀(代表:西耕一)は、伊福部昭の没十年を記念して渋谷でオーケストラコンサートを開催する。
コンサートは、こどもの日にも近い5月7日に行われ、伊福部が子供のために作った音楽を集めて「大楽必易(優れた音楽とは必ず平易なものである)」という言葉を踏まえた選曲となっている。
伊福部作曲の「セロ弾きのゴーシュ」「イワンと子馬」「子供のためのリズム遊び」や、伊福部の教え子で作曲家の芥川也寸志、黛敏郎、松村禎三、三木稔ら九人の弟子がゴジラのテーマなどお馴染みのメロディーを引用して伊福部に捧げた小品集も演奏する。
演奏は、NHKや新聞で特集され、タワーレコードCDチャートで1位も記録したオーケストラ・トリプティーク(水戸博之指揮)が担当する。

聴きどころ
・宮沢賢治の原作で知られる「セロ弾きのゴーシュ」の今回上演するバージョンは、1953年に「日本で最初の長編・総天然色・人形劇・音楽映画」として作られた。しかし、現在はフィルムの権利関係が不明となり、幻の作品となっている。この映画に作曲された音楽は、当時のトップチェリストであった井上頼豊と東京フィルハーモニー交響楽団により演奏されたもので、「インドの虎狩り」「ゆかいな馬車屋」など楽しく、多彩な音楽ばかり。今回は、音楽だけでも楽しめるよう構成して、伊福部が学長をつとめた東京音楽大学の教授でもあるロシア人チェリストのドミトリー・フェイギンがチェロソロをつとめて復活演奏をする。

・「イワンと子馬」(1953年)はケロヨンの生みの親として知られる藤城清治(1924-)の影絵劇の音楽を演奏会用に4つの楽章に構成したもの。ロシア文学を原作にしたこの影絵劇は1953年の初演以来、藤城の代表作として知られるが現在では幻の作品となっている。オーケストラだけでなく、エレクトーンも巧みに使い、イワンと子馬の冒険を表情豊かに描いている。

・「子供のためのリズム遊び」(1949年)は、伊福部がこどもの教育用SPレコードのために作曲したオーケストラ作品である。リズミカルで心躍るメロディーがたくさんあふれた音楽であるが、この曲は録音以来66年近くも埋もれており、オーケストラでの舞台上演は今回初の試みとなる。

・二十五絃箏曲「胡哦」(1997年)は、伊福部の作曲である映画音楽『モスラ対ゴジラ』のメロディーを二十五絃箏のために再作曲して仕上げたもの。箏曲家の佐藤康子は、伊福部の没十年法要でもこの曲を奉納演奏として捧げている。

「伊福部昭百年紀4 十年祭に寄せて」
2016年5月7日(土)13時50分開演(13時半開場)
渋谷区総合文化センター大和田 6F 伝承ホール JR渋谷駅南口徒歩5分
(〒150-0031 東京都渋谷区桜丘町23-21)
演目
伊福部昭:二十五絃独奏曲「胡哦」 箏演奏:佐藤康子
九人の門弟が贈る伊福部モチーフによる讃
 1. ゴジラの主題によせるバラード / 芥川也寸志
 2. Omaggio a maestro A.Ifukube / 池野成
 3. 幻の曲 / 石井眞木
 4. 狂想的変容 / 今井重幸
 5. Felicidades El Maestro! / 原田甫
 6. Homage to Akira Ifukube / 松村禎三
 7. Omaggio al maestro Ifukube / 真鍋理一郎
 8. Gozilla is dancing / 三木稔
 9. Hommage a A.I. / 黛敏郎
伊福部昭:子供のためのリズム遊び 全曲
永瀬博彦:伊福部昭十年祭へのオマージュ
休憩
第2部
伊福部昭:「セロ弾きのゴーシュ」より
 チェロSolo:ドミトリー・フェイギン
伊福部昭:組曲「イワンと子馬」(藤城清治の影絵劇より)
演奏 オーケストラ・トリプティーク
指揮 水戸博之
フルート 向井理絵
オーボエ 小野寺彩子
クラリネット 宮前和美
ファゴット 宮部貴絵
ホルン1 本田史由記
ホルン2 鈴木謁子
トランペット 小島光博
トロンボーン 山本靖之
打楽器 大家一将
打楽器 富岡春絵(三木稔曲で参加)
ピアノ 只野なつき
エレクトーン 竹蓋彩花
ヴァイオリン 三瀬俊吾(コンサートマスター)
ヴァイオリン 内藤歌子
ヴィオラ 伊藤美香
チェロ 竹本聖子
コントラバス 志水祐亮


司会:井上誠・小林淳
企画・総合責任: 西耕一(スリーシェルズ)
協力:伊福部家、永瀬博彦
楽譜作成構成:吉原一憲

伊福部昭百年紀実行委員会
井上誠、小林淳、吉原一憲、大橋鉄雄、山口翔悟、鈴木正幸、内原康雄、西川伸司、鹿野草平、櫻内功幹、佐藤俊哉、内山千尋、松田詠介、坂井正志

カンフェティチケットセンター
チケット購入:0120-240-540
質問窓口:03-6228-1630
チケットweb購入 http://www.confetti-web.com/detail.php?tid=33160&
前売:SS6,500円 S6,000円 A4,000円 B3,000円(税込) ※学生はすべて半額
プロフィール

水戸博之 MITO Hiroyuki 指揮

1988年、江別市出身。北海道立大麻高等学校を経て東京音楽大学、 及び同大学大学院作曲指揮科(指揮)を卒業。在学中の6年間、給費特待奨学生に選ばれる。これまでに指揮を広上淳一、汐澤安彦、田代俊文、加納明洋、三河正典、ピアノを奥山優香、北島公彦、米田栄子、野田清隆、音楽理論を伊左治直の各氏に師事。2010年、サントリーホール主催レインボウ21デビューコンサート出演。 2012年、東総文化会館「東総の第九」にて東京音楽大学シンフォニーオーケストラを指揮。井上道義、及び下野竜也両氏によるマスタークラスを受講し、いずれも優秀者に選出され、オーケストラアンサンブル金沢、金沢大学フィルハーモニー管弦楽団、上野学園大学管弦楽団を指揮する。
また、東京混声合唱団の合唱指揮者としてNHK交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団定期演奏会に出演する他、同合唱団の文化庁主催による巡回公演を指揮。その他、日生劇場、及び藤原歌劇団のオペラ公演に副指揮者として携わる。現在、オーケストラトリプティーク常任指揮者。京都市ジュニアオーケストラ、及び八王子ユース弦楽アンサンブルにてアシスタントコンダクターを務める。2015年4月、東京混声合唱団コンダクター・イン・レジデンスに就任。

三瀬俊吾 MISE Shungo コンサートマスター

東京音楽大学卒業後、桐朋学園大学院大学修了。第4回日本演奏家コンクール入選。第4回レガシィヴァイオリンコンクール銀賞、埼玉スバル賞受賞。第1回横浜国際音楽コンクール弦楽器一般部門第1位(2位なし)。同コンクールより奨学金を得、パリ・エコールノルマル音楽院へ留学。 第6級教育課程、研修課程及び室内楽のディプロムを取得。同音楽院にて、ドゥヴィ・エルリ、原田幸一郎の各氏に師事し、マスタークラスや音楽院内での演奏会に多数出演。
定期的に千々岩英一氏の指導も受け、パリでソロ・室内楽や新作の演奏活動も行う。2009年1月、東京オペラシティ・リサイタルホールで「第1回室内楽-OTO」に出演し7作品の新作演奏を行う。同年7月、名古屋、神戸、東京でリサイタル開催。2010年帰国。同年1月、「三瀬和朗の作品の夕べ若い演奏家達にI」に出演。同年5月、鎌倉、東京でリサイタル開催。
武生国際音楽祭、カリアリ国際音楽アカデミー、アンサンブル・モデルン・アカデミーなどに参加。これまでにヴァイオリンを、篠崎功子、霜佐紀子、水野佐知香、岡山潔、藤原浜雄の各氏に師事。

ドミトリー・フェイギン Dmitry Feygin チェロソロ

ロシア人チェリスト、ドミトリー・フェイギンは、有名なチェリストであった父、ヴァレンティン・フェイギンと、有名なチェロ教師であった母、ガリーナ・ズーヴァレヴァのもとに、モスクワに生まれる。その後、モスクワ音楽院中央付属音楽学校のもとで英才教育を受け、その後、モスクワ音楽院へ 入学、同大学院を卒業。その間、父にチェロを、室内楽をショスタコヴィッチ室内楽団のチェロ奏者アレクサンドル・カルチャーギンなどに師事する。
モスクワ音楽院在学中、1991年にモスクワ院大ホールにて指揮者アレクサンドル・ヴェデルニコフ(現ボリショイ劇場常任)指揮により、チャイコフ スキー作曲『ロココのテーマによる変奏曲』でデビューする。今までにショスタコヴィッチ室内楽コンクール、 日本のヴィヴァ・チェロコンクールなど数々の 賞を受賞。ショスタコヴィッチ室内楽コンクールではショスタコヴィッチ夫人から特別にソナタ賞を授与される。
1986年からロシア国 内外で演奏活動をはじめ、NEW-VIKTRINGフェスティバルやCARINTHISHERフェスティバル(墺)、カルマール・フェスティバル(仏、主催はロシア人ヴァイオリニスト、スピヴァコフ)、オレグ・カガン・フェスティバル(露、ナタリア・グッドマン主催)、モスクワ11月芸術祭などに出演する。1999年にはロシア人指揮者、イリヤ・ム―シンなどと共演する。最近では、小林研一郎を始め日本人で世界的な指揮者とも共演する。2013年には、世界的な指揮者広上淳一や、日本の有名なオーケストラと共演する。95年からはモスクワ・コンサート・フィルハーモニー協会のソリストを務め、モスクワ音楽院付属音楽学校で教える。
2003年に来日、現 在、東京音楽大学教授。06年からはモスクワフィルハーモニア協会主催による定期演奏会に、毎年、チェロとピアノ、デュオ室内楽のシリーズに新見フェイギ ン浩子(ピアノ)と連続出演する。日本とロシア中心にソロ室内楽で活動する。近年では、モスクワ、韓国および日本において国際チェロコンクールの審査員も務める。

吉原一憲 YOSHIHARA Kazunori 楽譜作成・構成担当

作曲を今井重幸氏に師事。
商業音楽の分野でアレンジャー、マニピュレーターとしてクラブミュージック、TV番組、CM音楽等様々なジャンルを手掛ける。幼少時にストラヴィンスキーの「花火」に触発され独学で作曲を始める。和田薫氏の吹奏楽曲「土俗的舞曲」をきっかけに邦人作品に興味を持ち、当時のテレビ番組を通じ遡るように芥川也寸志氏、黛敏郎氏、石井眞木氏、と辿り最終的に伊福部昭氏の音楽と出会い衝撃を受ける。
2013年 伊福部昭生誕99年コンサートの委嘱でオマージュを発表。
2014年 伊福部昭百年紀実行委員として3回シリーズのコンサートに関わる。第七回全日本吹奏楽連盟作曲コンクールファイナリスト。
2015年 故 今井重幸氏の追悼曲を作曲して発表(今井重幸追悼公演実行委員会委嘱)。
2016年 伊福部昭百年紀4のレジデンスアドバイザーとして、楽譜作成・構成を担当する。
代表作
リトミカ・オスティナータによる《讃》
アメノウズメの舞
「悠久の舞」の主題によるレクイエムとシフト・オスティナート


西耕一 NISHI Koichi 企画

日本の現代音楽評論と企画を専門とする。2004年より、日本作曲家専門レーベル・スリーシェルズにて、伊福部昭や3人の会(黛敏郎、團伊玖磨、芥川也寸志)を中心に演奏・CD化を行う。これまでにNHK 、東京藝術大学、日本作曲家協議会、日本現代音楽協会等、放送局や研究機関の依頼による企画協力や、NHK交響楽団、読売日本交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、東京バレエ団、新国立劇場等のプルグラム冊子執筆で評価される。執筆雑誌は『音楽現代』、『音楽の友』、『邦楽ジャーナル』、『バンドジャーナル』、『New Composer』等。
近年の主な仕事として、セントラル愛知交響楽団による日本の管弦楽曲100周年企画選曲や東京フィルハーモニー交響楽団黛敏郎個展における論文のほか、『松村禎三 作曲家の言葉』(春秋社)や『黛敏郎の世界』(ヤマト文庫)の企画・編集、CD『松村禎三作品集』(Naxos Japan)解説、伊福部昭百年紀シリーズ、芥川也寸志生誕90年記念コンサート、渡辺宙明卆寿記念コンサートシリーズなどがある。

オーケストラ・トリプティーク

2012年、旧奏楽堂にて日本の弦楽オーケストラ曲を集めて第1回コンサートを開催して評価を受ける。
第2回、第3回演奏会は、朝日新聞文化財団の助成を受け浜離宮朝日ホー ル(朝日新聞社内)で開催し、いずれもCD化され新聞、音楽誌他で好評を得る。
2014年は伊福部昭百年紀の公式オーケストラとして、NHKや新聞の取材 も受け、3回の公演を成功に導く。
2015年は、生誕90年の作曲家特集として、芥川也寸志と渡辺宙明の個展を開催して好評を得る。
フルオーケストラ、弦 楽オーケストラ、アンサンブル、小編成まで様々な形態で日本の作曲家の音楽をアーカイヴすべく活動している。
リリースされたCDは6枚。タワー・レコード やamazonのチャートで1位も記録している。
トリプティーク(三連画)とは、前衛、近現代音楽、映像音楽という三本の柱を持ち活動する意思の表明でもある。
http://3s-ca.jimdo.com/


関連URL

伊福部昭関連情報 http://www.ac.auone-net.jp/~snamuchi/

スリーシェルズ http://www.3s-cd.net/
スリーシェルズTwitter https://twitter.com/johakyu_

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オーケストラ・トリプティーク公式Twitter https://twitter.com/info_TRIPTYQUE

伊福部昭百年紀Facebook https://www.facebook.com/ifukube100
生誕90年 芥川也寸志Facebook https://www.facebook.com/akutagawa1925
生誕90年 渡辺宙明Facebook https://www.facebook.com/chumeiwatanabe

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〒170-0013 東京都豊島区東池袋5-7-6-604
TEL:070-5464-5060
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メール jcacon@gmail.com
担当 西








情報提供元: Dream News