- 週間ランキング
ニューヨーク & ジュネーブ--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 今年の国連女性の地位委員会(CSW67)のテーマである「ジェンダーの視点からイノベーションとテクノロジー」に沿って、女性起業家アクセラレーター(WEA)のCSWサイドイベントがニューヨーク市のメットライフ本社で開催され、各方面の専門家をはじめ、WEAのパートナー機関の上級職員、民間企業の代表者、一般市民が一同に会し、女性起業家がデジタル経済に参加し競争していくことのできる、よりジェンダー平等に配慮したエコシステムを構築する方法について議論しました。登壇者は、女性の起業のボトルネックに対処するうえで、WEAがマルチステークホルダーによる重要な解決策となることを確認しています。
創設後初めてジェンダーのレンズを通してイノベーションとテクノロジーの役割を取り上げた今回のCSW67で加盟国が最終的に採択した一連の合意事項は、政府、民間部門、市民社会を含むステークホルダーにとってのベストプラクティスの指針となります。この指針は、デジタル技術やイノベーションの過程の設計と展開において、女性および女児の完全かつ平等な参加とリーダーシップを促進することが狙いです。
パネルディスカッションの要点:
事業を発展させ、製品やサービスを市場に投入する際に女性起業家が直面する障壁については、以下の点にも焦点が当てられました。
女性起業家にとって重要なイネーブラーとなるデジタル化、コロナ禍で女性のビジネスを支えてきたデジタル技術の役割に焦点が当てられた一方、女性の労働市場への参加や女性の権利全体に対するパンデミックの後遺症についても話し合われました。
女性起業家が競争に参加して事業を拡大していくことのできるエコシステムをしっかりと構築することの重要性が、議論の柱となりました。そのエコシステムのさまざまな業界を代表するパネリストは、6つの独自の国連機関と民間部門との連携を通じて、女性起業を阻む障害への対処に取り組んでいるWEAが、ターンキー・プラットフォームとして突出した存在であると指摘しています。
今回のWEAのイベントでは、WEAデジタル・イノベーション・チャレンジの受賞者を発表する場も設けられました。
WEAが立ち上げ、ITUがメアリー・ケイと共同で運営するこのチャレンジの目的は、デジタルジェンダー格差など、女性による起業を阻む障壁に対処することで女性起業家のための環境を整備することであり、今年のCSW67のテーマである「ジェンダーの視点からイノベーションとテクノロジー」を補完するものです。
2022年12月にWEAのパートナーである国際電気通信連合(ITU)のジュネーブにあるグローバル本部で立ち上げられた WEAデジタル・イノベーション・チャレンジには、女性が経営するか、女性創業者が1名以上いる54か国の企業から250件の応募がありました。これらの企業はそれぞれが、地域社会の社会経済的利益を促進することを狙った独自のデジタルソリューションを持っています。このチャレンジの目的は、ITUが掲げる「Innovation and Entrepreneurship Alliance for Digital」(デジタルのためのイノベーションと起業家の連合)に沿って、デジタルイノベーターの新しいエコシステムがどのようなものになるかを紹介し、女性起業家がデジタル経済に参加できるようになるための地盤を構築することです。
今回のイベントにはチャレンジの入賞者10名が招待され、投資家やさまざまな業界の代表者で構成されるCSWイベントの審査員を務める専門家の前で2分間のライブピッチを行い、それぞれ独自の洞察を披露しました。
審査員は以下の通りです。
10名の受賞者は、今後数か月にわたり「デジタル・イノベーション・チャレンジ・アクセラレーション・プログラム」に参加し、事業計画をさらに磨き上げるためのバーチャルブートキャンプや能力開発トレーニングのほか、専門的なメンタリング、チェンジメーカーのネットワークを利用できるようになります。その後、選ばれた受賞者が、今年後半に開催されるITUの権威ある「グローバル・イノベーション・フォーラム」に参加し、デジタル・イノベーション・ディバイドを乗り越えてグローバルな課題に対処する方法を探る実践コミュニティに加わる予定となっています。
特別賞(Special Mention awards)も用意され、1919インベストメント・カウンセルからコンサルティングを受けた3社に対して贈られました。第1位となり、10時間のコンサルティングを受けたタイニー・トトスは、質の高い保育の確保に取り組むケニアの社会的企業です。同社はトレーニング、資本アクセス、ネットワーク、テクノロジープラットフォームを提供することで保育所の設立を支援し、国内における保育サービスの普及と質の向上に取り組んでいます。
5時間のコンサルティングを受けた第2位の企業は、ヘルス・イノベーション・エクスチェンジ(HIEx)とGwiji for Women Gig Workersの2社で、いずれも社会的な課題に取り組む企業です。HIExは、医療システムが抱える課題を特定し、主にアフリカとアジアの主要な医療エコシステム関係者とイノベーターをつなぎ、質の高い医療へのアクセスを改善するソリューションを提供しています。Gwiji for Women Gig Workersは、ケニアの低所得層の女性が労働市場に参加するうえでの障壁に対処するテック系スタートアップ企業です。同社はモバイルアプリを通じて、臨時清掃員として働く社会経済的背景に乏しい女性を潜在顧客とつなぎ、採用、審査、トレーニング、地位向上に取り組んでいます。
WEAデジタル・イノベーション・チャレンジは、デジタル技術の台頭とデジタル経済の成長が進行し、急速に変化する経済的環境を背景に開催されました。デジタル化の加速が不平等を永続させる可能性を認識したうえで、このチャレンジは、女性の経済的地位の障壁としてのデジタル化について議論する機会を設けました。
そのハイレベルなパネルディスカッションには、以下の分野横断的な代表者が参加しました。
以上のパネリストはディスカッションの中で、持続可能な開発目標の重要な実現要因としての女性起業家の重要性と、女性起業家がデジタル経済における競争に参加して事業を拡大していくことのできる、よりジェンダー平等に配慮したエコシステムを構築する必要性について確認しました。
「女性起業家は、資本不足から社会規範、さらには時間やスキルの制約など、事業の成長を阻害する壁に直面します。起業家精神は、社会的な課題に取り組むための大きな力となり得ます。しかし、起業家精神とそれがもたらす恩恵は、依然として男性中心のままです。スタートアップの味方になる、よりジェンダー平等に配慮したエコシステムを発展させ、現在のビジネスモデルに挑戦することで、私たちは女性起業家が直面する障壁を取り除き、成功に導き、彼女たちが持つ潜在能力を最大限に引き出すことができるのです」
シンディ・ペイス博士、メットライフ、バイスプレジデント兼グローバル・チーフ・ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン・オフィサー
「インドでは、コロナ禍で2億人の女性がお金を受け取りました。これは、デジタル化が進み、女性が自分の携帯電話でお金を受け取ることができるようになったことと、国民IDシステムの普及が要因です。しかし、コロナ禍が明けてから2年が経ち、女性はベンチャーキャピタルへのアクセス、ひいてはイノベーションを起こすうえで大きな障壁に直面し続けています。ベンチャーキャピタルのうち、女性が経営する企業に流れていくお金は5%にも満たないことが分かっており、女性のための資金調達のエコシステムが変わらない限り、女性起業家の生活は何も変わりません」
アニタ・バティア、国連事務次長、国連ウィメン副事務局長(国連調整、パートナーシップ、リソース、サステナビリティ担当)
「ここ数年で、初めてインターネットを使ったと言う人の数が6億人以上に増えていることが分かっていますが、27億人の人々がまだオフラインであり、その大半が女性です。また、女性は男性に比べてテクノロジーの使い方を知らない人が25%多く、テクノロジーを活用して成功するための基本的な機会を奪われています。さらに、女性が経営する企業は、世界で登録されている企業の30%を占めているものの、成長に必要となる資本へのアクセスのある企業は、そのうちわずか10%にとどまっています。また、女性がデジタルから恩恵を受けられるようにするためには、基本的な法整備が必要であることも忘れてはならず、つまり同時に女性の権利を向上させる必要があることを意味しています」
ウリカ・モデール、国連事務次長、国連開発計画総裁補佐、対外関係・アドボカシー局長
「私たちは、『ジェンダー・ブラインド・イノベーション』という現在のトレンドを覆し、テクノロジーへのアクセスや、デジタル教育・デジタルスキルに関して存在する『デジタル・ジェンダー・ギャップ』を是正する必要があります。今こそ、女性が取り残されないように取り組まなければなりません。これは、1つの企業や1つの産業が担うには、あまりにも大きな仕事です。この課題の大きさを考えると、女性起業家がイノベーションを起こし、競争に参加し、成功するための条件を整えるための取り組みに、より多くの分野横断的なパートナーの参加が必要となります。女性起業家アクセラレーターは、より平等で包括的なデジタル市場と社会を形成するうえで、私たちのターンキー・プラットフォームとなります」
デボラ・ギビンズ、メアリー・ケイ最高執行責任者
「調査によると、女性起業家が金融や市場といったエコシステムのリソースに平等にアクセスすることを妨げるジェンダーバイアスが内在している一方、エコシステム内での政府と民間の協力関係が弱いため、女性起業家がエコシステムの主要な柱にアクセスする妨げとなっていることが明らかになっています。その結果、多くの女性起業家は『自力でやっていく』傾向にあります。女性起業家アクセラレーターのような、より全体的かつ相乗的なアプローチをとる政策やパートナーシップの枠組みは、女性起業家の可能性を最大限に引き出すために極めて重要です。WEAのパートナーシップのさらなる拡大は、さらに前進する推進力となる可能性があります」
バージニア・リトルジョン、G20下部組織Women20(W20)米国代表団共同代表、W20の女性起業家行動イニシアティブ(WE Act)グローバルコーディネーター、G7下部組織Women7(W7)アドバイザー、女性のエンパワーメント、意義ある参加、リーダーシップに関する共同調整チーム、Forbes Women 50 over 50(投資)
「ここ10年間で、世界は約1兆米ドルを失いました。それは、デジタルの経済活動に女性を引き込まなかったからです。逆に言えば、そのジェンダーギャップを埋めることで、私たちは5,250億ドル以上を稼ぐことができるのです。つまり、政府が女性を積極的な経済活動家として取り込めば、今後5年間でさらに5,250億ドルの利益が上がるということです。さらに、2030年までに意味のある接続性ギャップを世界的に埋めるためには、4,300億ドルだけあれば十分だと考えられています。比べてみると、これは世界で毎年炭酸飲料を買うのに使われている金額と同額です!これは女性のオンライン化、起業機会の創出、デジタルサービスやデジタル製品への参加、作成、イノベーション、エンゲージメントの機会の創出の礎となるものです」
ソニア・ジョージ、グローバル・デジタル・インクルージョン・パートナーシップ(GDIP)創設者兼エグゼクティブ・ディレクター
「今回のチャレンジで発表されたみなさんのソリューションは、紛れもなく世界をより良い方向に変えていきます。インクルーシブで公平なイノベーションは、不安定性、不確実性、複雑性、曖昧性がますます増幅されていく新しいデジタル時代に生きる糧となります。デジタルイノベーション・エコシステムは、すべての人に影響を与える実質的なジェンダー・ディバイドに依然として苦戦しています。世界の経済と社会を引き上げ、私たちが目にした社会経済的危機から自分たちを守るためには、よりジェンダー平等に配慮したデジタルイノベーション・エコシステムが必要なのです」
コスマス・ラッキーソン・ザバザバ博士、ITU電気通信開発局長
パネルイベントの録画はこちらから、WEAのデジタル・イノベーション・チャレンジの録画はこちらからご覧いただけます。
女性起業家アクセラレーターについて
女性起業家アクセラレーター(WEA)は、2030年までに500万人の女性起業家に力を与えるために、国際労働機関(ILO)、国際貿易センター(ITC)、国際電気通信連合(ITU)、国連開発計画(UNDP)、国連グローバル・コンパクト(UNGC)、国連ウィメンの6つの国連機関とメアリー・ケイが集まった女性の起業家精神に関するマルチパートナーシップ・イニシアティブで、第74回国連総会で設立されました。
このイニシアティブの最終目標は、世界中の女性起業家のためのエコシステムを構築することであり、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて、女性起業家の開発効果を最大限に高めることです。本アクセラレーターは、女性起業家の可能性を引き出すための大規模なマルチパートナーシップによる変革の力を具現化するものです。詳細については、we-accelerateをご覧ください。Twitter(We_Accelerator)、Instagram(@we_accelerator)、Facebook(@womensentrepreneurshipaccelerator)、LinkedIn(@womensentrepreneurshipaccelerator)でのフォローをお願いします。
本記者発表文の公式バージョンはオリジナル言語版です。翻訳言語版は、読者の便宜を図る目的で提供されたものであり、法的効力を持ちません。翻訳言語版を資料としてご利用になる際には、法的効力を有する唯一のバージョンであるオリジナル言語版と照らし合わせて頂くようお願い致します。
Mary Kay Inc. Corporate Communications
marykay.com/newsroom
(+1) 972.687.5332 or media@mkcorp.com