RMBは2019年からオーハシ株式を保有し、経営陣と継続的に対話をしてきました。その過程で、RMBはオーハシにおける課題は資本構成、すなわち過剰資本であると分析します。
オーハシはファブレス製造業というビジネスモデルのため大規模な設備投資を必要としない一方、利益を毎期着実に計上してきました。その結果、同社の自己資本比率は2011年の50%台から一貫して上昇を続けており、特に、2015年には自己資本比率が70%を超過し、2020年には74%台に達するなど、過剰資本と判断せざるを得ません。
このような過剰資本の積み上がりとともにオーハシの自己資本利益率(ROE)は低下を続け、コロナの影響を受ける前の2019年においてさえ10%を割り込み、以降一桁台で推移しています。ROEの低迷を反映して同社株価は低迷を続けており、株価純資産倍率(PBR)は理論上の解散価値である1倍を大きく下回る0. 6倍台で推移しています。これは、オーハシの資本政策が株主資本を毀損していると株式市場が判断している証左に外なりません。
したがって、オーハシの株主価値向上のためには、これまで放置してきた過剰資本の調整・解消が喫緊の課題であることは明らかです。RMBは自己株式の取得についてオーハシ経営陣と議論を重ねてきましたが、残念ながら受け入れられなかったため、本提案を行うに至りました。
本提案(1.5百万株・24億円を上限とする自己株式の取得)は一見大規模なものに見えますが、オーハシの保有する現預金約213億円、株主資本約309億円と比較すると僅かな金額です。むしろ、オーハシは本提案の自己株式取得にとどまらず、継続して積極的な株主還元を行うことで、自己資本比率を適切な水準まで低下させるべきです。
オーハシは本年5月に一株当り5円の増配を発表していますが、これは総額わずか約7千万円の増配に過ぎず、株主還元、資本構成の見直しとしては極めて不十分です。
RMBはオーハシ経営陣に以下の提案をいたします。
当面の過剰資本是正策として、本提案(1.5百万株・24億円上限)を速やかに実行する
10%以上のROEを経営目標とし、自己資本比率を少なくとも60%台まで引き下げて適正化する資本政策を株主・投資家に明示する
そのために総還元性向を大幅に高める。具体的には、現行の配当性向目標30%を大幅に引き上げるとともに、自己株式の取得を含めた総還元性向を100%以上とする
株主から資本を預かっている企業経営においては、過剰なリスクは取るべきでないのと同様、過度の安心を求めて過剰資本を放置することも適切ではありません。資本政策においてはバランスが肝要であることはいうまでもなく、過剰資本の是正がオーハシの株主価値向上のために最も必要とされる経営判断であるとRMBは考えます。
なお、経営陣が発表した買収防衛策の継続についてもRMBは反対します。コーポレートガバナンスの重要性が認識される中、買収防衛策を廃止する日本企業が増えています。RMBは、オーハシにおいても株主利益保護の観点から買収防衛策は廃止されるべきだと考えます。
以上
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RMBキャピタル
Ilhwa Lee
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情報提供元: ビジネスワイヤ