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さらに毎日のちょっとした習慣で脳機能を上げる、とっておきの方法をお教えしましょう。それは、日々感謝の心を持つようにすること。感謝の気持ちを持つと、「自分は良くなれる」という自己効力感が高まり、記憶力や脳の機能全体が上がることがわかっています。
ハーバード大学のラザー博士らの研究によると、感謝を習慣化することで、意志力に関わる前頭前野の厚み自体が0.1ミリほど増すそうです。
具体的には、就寝前にその日1日の出来事を振り返り、感謝できることを1つ見つけることをおすすめします。大きいことでも小さいことでもかまいません。とにかく、「あれはありがたかったな」「これは感謝すべきだ」といった出来事をピックアップしていくのです。さらに「感謝日記」として思い出したことを記しておけば完璧。続ければ、朝の目覚めが良くなり、みるみる意欲がわいてくることでしょう。
この「日々の出来事に感謝の気持ちを見出して日記につける」というやり方は、カリフォルニア大学デイヴィス校のエモンズ博士らの実験によって実証されています。
どんな実験かというと、まず、192人の学生を3つのグループに分け、①感謝できること、②嫌なことやイライラしたこと、③単にその日の出来事について、それぞれテーマを決めて10日間日記を書いてもらいます。そして、どのグループにも「心の状態」「身体の状態」「人間関係」について並行して記録してもらいました。さて、どのグループの脳機能が一番上がったでしょう?
軍配は①のグループに挙がりました。毎日感謝の気持ちを書き続けたグループの学生たちは、ほかの2つのグループに比べて身体の調子が良くなり、エネルギーが湧いてくる感覚が持てるようになったと言います。
これは日記を通して感謝の気持ちを高めるという行為に、前向きな気持ちを育てる効果がある証拠です。さっそく今日から感謝日記を始めてみましょう!
日常的に家事をする習慣はありますか?
家事ができる人が、必ず仕事ができるとは言い切れませんが、仕事のできる人が家事も能率的にこなすことが多いのは事実です。家事は脳の司令塔である前頭葉を鍛えてくれるのです。
前頭葉は外部から情報を受けとり、蓄えられている情報と組み合わせて思考・行動を組立て、その判断を、運動野を介して命令を下します。この機能は使わないと、どんどん衰えていってしまいます。すると、なにもしたくない、出した服をたたんでしまうのですら面倒くさい、という無気力な状態に陥りかねません。逆に、積極的に使うようにすれば、この働きを鍛えることも可能です。
たとえば、料理をするときを考えてみてください。まず自宅にどんな食材があるか確認し、それを組み合わせてメニューを考える。それにはメニューのレパートリーや冷蔵庫の中の食材の種類・量の記憶も必要です。さらに足りないものを実際に手と足を動かして買い足す。実際につくる段階になれば、一品だけをつくるわけではないでしょうから、スープの野菜を切りながら肉をフライパンで料理。慣れている人ならテーブルセッティングと使った道具の片づけ、さらに洗濯やそうじなども同時にこなすことができるでしょう。
こう考えると、家事は前頭葉をフルに動かすのに最適の脳トレと言えるでしょう。
台湾の国家衛生研究院の調査によれば、週に5回以上料理する男性は、料理をしない男性に比べて20%以上も死亡率が減る傾向があるそうです。
自炊は外食に比べ栄養をバランス良くとることができるので、一見すると寿命が延びたのは栄養面の効果が大きいのではないかという気もします。しかし、バランスのとれた食事は、必ずしも自分で作る必要はありません。結婚していれば、パートナーに作ってもらうこともできます。ですから、この実験結果からは、家事によって脳が活性化し、それが寿命を延ばすことにつながったと考えることができるのです。
現代ではコンビニで手軽に食べ物が手に入りますし、なんでもパソコンで用事を済ませることができます。便利なものがたくさんあるのはいいことですが、作業が簡単になるにつれ、日常的に前頭葉を鍛える機会が減っているともいえます。
炊事・洗濯や部屋の片付け、ものを分類して処分するという地味で面倒と感じる作業をさっさと片付けられるのは、脳がタフということ。家事で脳を鍛えれば、仕事の段取りも効率的になるはずです。
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はたらく人のコンディショニング事典(岩崎一郎/松村和夏/渡部卓 [監修] クロスメディア・パブリッシング 2015)より