つらい偏頭痛の原因は歯にあった?噛み合わせとの意外な関係

「顎がゆるめば、不調は改善される」(著: 滝澤聡明)より



つらい偏頭痛。病院に行っても原因が分からず、いつまで経っても治らないまま…。


そんな経験はありませんか? 実はその頭痛、噛み合わせの悪さが原因かもしれません。


「9割以上の人が正しくものを噛めていない」という滝沢氏。今回は偏頭痛を始め、噛み合わせの悪さが


起こす症状をいくつかご紹介します。


偏頭痛は噛み合わせが原因だった?


慢性頭痛、偏頭痛、群発頭痛……頭痛にはさまざまな種類がありますが、もしこの記事を読んでいるあなたが偏頭痛に悩んでいるとしたら、一度歯の検査をしてみるといいかもしれません


頭痛は、普段から噛み合わせが浅い人にはあまり見られないのですが、深く噛んでいる人には多く見られる症状で、顎関節症と併発していることも多いです。


上下の歯を深く噛んでいると、歯はロックされた状態になりスムーズに動かなくなります。可動域が狭まり行動が制御されることで、筋肉の緊張につながり、頭痛を引き起こしていると考えられるのです。


私も小学生の頃、ずっと偏頭痛に悩まされていました。こめかみにズキズキと痛みがあり、親に連れて行かれて脳神経外科でも検査を受けましたが、まったく問題なし。原因はわからないままでした。 


ところが、大人になって歯科医となり、さまざまな患者さんの歯を診察する中で、ふと気づいたんです。「いま思えば、噛み合わせが原因だったのではないか」と。


 


噛み合わせによって頭痛が起こる仕組み


当時、矯正や歯ぎしりの影響もあって右側で噛みしめる癖がついていました。矯正が完了し、その癖が緩和されて歯がスムーズに動くようになった頃から頭痛がなくなったんです。いまはもうまったく痛くありません。


私の両親は歯科医でもなければ医療関係者でもなかったので、頭痛に噛み合わせが影響しているとは思いもしなかったのでしょう。長年の謎が解けたような気がしました。


断言はできませんが、内科の偏頭痛外来に通う患者さんの半分以上は噛み合わせが原因ではないか? とも言われています。


感覚として、頭蓋骨の内側が痛むなら脳神経外科を受診した方がいいと思いますが、頭蓋骨の外側が痛むなら噛み合わせが原因の可能性があります。ぐっと噛みしめるとこめかみの筋肉が動きますよね。  このとき、こめかみだけではなく咀嚼によって顔の周りのいろいろな筋肉が動いているんです。


ですから、「ずっと噛んでいると他の筋肉と同様に疲れてくるので、あまり噛みしめすぎないようにしてください」と患者さんにはいつも伝えています。  朝起きたとき「顔が疲れている」「顎がだるい」という人は、寝ている間に噛みしめていたり、歯ぎしりをしている可能性があります。


そういう人は、噛みしめ防止のマウスピースをつけて寝ることで改善する場合があります。歯医者さんに一度相談してみましょう。


 


顎関節症 その症状と起こる原因



大きなハンバーガーを食べようとして口を開けたら、「カクッ」と音がして顎に違和感が生まれ、その後もカクカク、ジャリジャリといった音が鳴りやまない……。


顎の関節には、「関節円板」という軟骨のようなクッション状のものがあります。口を開けるとき、通常は下顎の骨が前方に動くのと連動してこの円板も移動し、顎はスムーズに動くことができるのですが、関節円板がゆるんでしまい、変形したり穴があいたり、口を閉じているときから円板が前方や側方へずれ落ちてしまうことがあります。 


すると口が通常より開けにくくなったり、下顎の骨がずれた関節円板の下にもぐり込んでひっかかりを感じたり、カクカク、ジャリジャリと音が鳴ったり、痛みが出るなどの症状が表れます。口を大きく開けたことだけが原因ではなく、歯並びや生活習慣、ストレスや筋肉の緊張など、さまざまな要素が複合的に絡み合って起こります。


 


顎関節症になってしまったら


当院の場合、顎関節症はまず左記のような方法で治療をします。特別なことはせず、基本的には生活習慣の改善がメインになります。


 


口を大きく開けない、固いものを無理して噛まない、歯ぎしりや噛みしめなどの癖が出るのを抑える


姿勢をよくする。頬杖をついたり顎を前に出したりする癖がある場合はやめ


顎運動のリハビリテーションとして、ご飯、野菜、魚や肉などごく普通の食事を奥歯でゆっくり噛んで食べる。


 片側で咀嚼せず、左右バランスよく噛んで食べる


顎をいたわりながら、ストレスを溜めずにリラックスして過ごす


 


これが治療? と思われるかもしれませんが、顎関節症が起こるのは、日ごろの生活習慣の乱れが身体へ蓄積されていき、身体が悲鳴を上げている状態。そのため、生活習慣の改善を行うことで症状が軽くなることが期待できます。


そして大事なのが、最後に挙げた「ストレスを溜めない」ということ。ストレスを抱えると、無意識のうちに歯を強く噛みしめてしまうことが多く、患者さんの中にはうつや更年期障害と一緒に顎関節症を発症している方もいらっしゃいます。


〝ストレスは万病のもと〟と考え、リラックスできる時間を作ることは大切です。映画を観る、音楽を聴く、家族と話すなど、ストレス解消の方法は何でもOK。自分が一番リラックスできるやり方で構いません。とはいえ、やけ食い・やけ酒など、暴飲暴食に走らないように気をつけたいですね。


 








『顎がゆるめば、不調は改善される』

(クロスメディア・マーケティング)





情報提供元: BUSINESS LIFE
記事名:「 つらい偏頭痛の原因は歯にあった?噛み合わせとの意外な関係
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