被験者の写真


色素沈着スコア


明度


明度の増加

株式会社ドクターズチョイス(所在地:東京都千代田区、代表取締役:山本 明男)は、安定型中性ビタミンC誘導体(AGAC、原料名MIRAVC(R))を配合した美容液の老人性色素斑(シミ)に対する抗色素沈着効果について、宇都宮大学バイオサイエンス教育研究センター特任教授、医学博士の芋川 玄爾先生、高田 真理子先生と共同研究を行い、その結果が、2024年12月15日、スイスMDPI社の学術雑誌「International Journal of Molecular Sciences」(インパクトファクター4.9)(※)に掲載されました。

※インパクトファクターとは、学術雑誌の影響度や引用された頻度を測定する指標です。


【掲載の概要】
論文タイトル:Treatment with Ascorbyl Glucoside-Arginine Complex Ameliorates Solar Lentigos
(和訳:アスコルビルグルコシド-アルギニン複合体の塗布は老人性色素斑を改善する)

URL : https://www.mdpi.com/1422-0067/25/24/13453
掲載論文: International Journal of Molecular Sciences, 2024, 25(24), 13453
DOI : 10.3390/ijms252413453


【論文の内容】
老人性色素斑(※)に対する効果的な抗色素沈着治療法を確立することは、特に肌の色が中間の黄色人種にとっては困難とされている。なぜなら、治療では、周囲の正常な色素沈着皮膚に望ましくない色素減少(白斑)や接触刺激を引き起こすことなく、色素沈着を軽減する必要があるが故である。ハイドロキノンは、老人性色素斑を含む色素沈着性疾患の治療に最も効果的な薬剤の1つだが、ハイドロキノンによる治療は皮膚刺激を引き起こすことが多数報告されている。そのため、長期治療でも皮膚刺激を引き起こすことなく老人性色素斑を改善できる抗色素沈着剤はこれまで存在しなかった。
すなわち、老人性色素斑の治療では老人性色素斑を発症させる原因因子(ケラチノサイトのDNA損傷とそれに続く腫瘍壊死因子の分泌)を標的としていないため、長期にわたって安全に使用できることは、老人性色素斑に対する明確な色素沈着低減効果を達成するために不可欠な要件となっている。つまり、治療を中止すると、せっかく薄くなった老人性色素斑も元の外観に戻るので、処理を中断することは不可能とされている。
本研究ではアスコルビルグルコシドをアルギニンとの複合体にして酸性度を下げ、使用濃度をローション特性を維持できる最高限度である28%まで上げることでアスコルビルグルコシドを改良した。このアスコルビルグルコシド-アルギニン複合体(AGAC)を28%で使用する利点は、5%アスコルビルグルコシドのpH1.98、5%アスコルビン酸のpH2.2~2.5と比較して、中性pH6.5であることで、このような強い酸性度は一般に顔に刺すような感覚を引き起こし、化学的な不安定性もあって、かゆみや皮膚刺激につながる可能性がある。さらに、AGACは安全性評価(エームス試験、24時間閉鎖パッチ試験、眼粘膜刺激試験、細胞毒性試験など)により、局所化合物としての一般的な安全性が証明されている。
本研究では、老人性色素斑を顔面に生じている日本人女性27名を対象に、28%AGAC配合と非配合のローション(それぞれテストローションとプラセボローション)を1日2回、24週間、二重盲検法により顔の半分に塗布する試験を実施した。対象者の顔の右側と左側の老人性色素斑における色素沈着スコアと肌の色は、フォトスケール、色差計、メグザメーターを用いて評価した。テストローションの塗布により、色素沈着スコアは0週と比較して24週目には有意に減少した。プラセボローションと比較しても、24週目には有意に減少した。テストローション塗布の老人性色素斑では、色素沈着レベルを反映する明度と色素指数の値は、塗布12週目と24週目にはそれぞれ0週目と比較して有意に増加および減少した。
テストローションとプラセボローションを塗布した老人性色素斑の明度の増加または色素指数の減少を比較したところ、テストローションを塗布した老人性色素斑では、プラセボローションを塗布した老人性色素斑と比較して、12週間および24週間の両方で、明度の増加または色素指数の減少の程度が有意に高いことが示された。これらの結果から、AGACは、老人性色素斑の色素沈着レベルを改善する効果があり、被験者にも目に見えて分かるレベルで、長期間の塗付でも、色素脱失や皮膚トラブルを引き起こすことなく、老人性色素斑への有意な色素沈着低減効果を有することが証明された。


※老人性色素斑とは、紫外線に繰り返し暴露された皮膚に、紫外線照射直後ではなく、数年たったある日突然出来てくる色素斑で加齢とともに色素斑の数が増加し、一度できると一生消えないシミである。紫外線暴露された皮膚表皮細胞内で蓄積されたDNA損傷が原因とされている。


【結果の抜粋】
1. 被験者の写真
被験者#7の試験開始0週、12週、24週における顔面の写真は、テストローションを塗布した老人性色素斑の色素沈着レベル(赤矢印で示す)が、24週では0週と比較してわずかに減少していることを示した。対照的に、プラセボローションを塗布した老人性色素斑(青矢印で示す)の24週目の色素沈着レベルは、0週目と比較して変化しなかった。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/421303/LL_img_421303_1.png
被験者の写真

老人性色素斑と1つの非病変性周囲皮膚領域の写真。赤い矢印は被験者#7の顔面左側のテストローションを塗布した老人性色素斑を示す。青い矢印は被験者#7の顔の右側にあるプラセボローションを塗布した老人性色素斑を示す。黒い矢印は、被験者#7の顔の右側または左側にある、テストローションまたはプラセボローションを塗布した非病変性周囲皮膚領域の1つを示す。

2. 皮膚科専門医より評価された色素沈着スコアの変化

画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/421303/LL_img_421303_2.jpg
色素沈着スコア

皮膚専門医によるテストローション処理した老人性色素斑の色素沈着スコアを評価した結果で、24週間の塗付で色素沈着スコアは有意に低下し、明瞭な色素沈着低減効果を示した。

3. テストローション塗付の老人性色素斑の明度及び色素指数の変化

画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/421303/LL_img_421303_3.jpg
明度

画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/421303/LL_img_421303_4.jpg
明度の増加

テストローション塗付の老人性色素斑の明度は12週と24週塗付後に高度に有意な増加を示し、改善を自覚できた被験者数は12週で27人中4人、24週で27人中15人となった。

画像5: https://www.atpress.ne.jp/releases/421303/LL_img_421303_5.jpg
色素指数

画像6: https://www.atpress.ne.jp/releases/421303/LL_img_421303_6.jpg
色素指数の減少

テストローション塗付の老人性色素斑の色素指数は12週と24週塗付後に高度に有意な減少を示し、改善を自覚できた被験者数は12週で27人中13人、24週で27人中11人となった。


【会社概要】
社名 : 株式会社ドクターズチョイス
代表 : 代表取締役 山本 明男
本社所在地: 東京都千代田区富士見2-7-2 ステージビルディング17F
URL : https://drs-choice.co.jp/
事業内容 : 大学、医療機関との共同開発による化粧品、医薬部外品、
サプリメント等の新規原料開発、有効性、安全性の評価及び、
医療機関向けを中心にした販売を行っています。
情報提供元: @Press