人的資本情報開示保証を山口重工業に授与

BSIグループジャパン株式会社(所在地:横浜市西区みなとみらい、代表取締役社長:漆原 将樹、以下「BSIジャパン」)は、山口重工業株式会社(所在地:福岡県福岡市博多区、代表取締役:山口 豊和、以下「山口重工業」)に対し、建築業界で初となる(※1)AA1000AS v3(※2以下「AA1000」)に基づくISO 30414(※3)人的資本情報開示の保証を行いました。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/377122/LL_img_377122_1.jpg
人的資本情報開示保証を山口重工業に授与

昨今、ESG投資が拡大し、人的資本の重要性が見直されてきました。投資家の関心は、財務から非財務、つまりサステナブルな成長が期待される組織に投資する方向に潮流が変わってきたといえます。特に、組織の成長を牽引する「人」に対する投資への関心は高く、人的資本を積極的に情報開示する組織が、投資家をはじめとしたステークホルダーからの信頼を集めています。
更に、国内に限定すると、2023年3月期決算から上場企業などを対象として義務化される人的資本の情報開示の要求に伴い、人的資本の情報開示に関する国際的なガイドラインであるISO 30414に対する関心が急速に高まってきました。

ISO 30414は、内外のステークホルダーに対する人的資本情報の開示のためのガイドラインです。同時に、経営戦略と連動した人材戦略が機能しているか否かを、定量的な指標を用いて見える化することにも役立ちます。
またAA1000 は、英国のAccountAbilityが発行している国際基準で、自社のアカウンタビリティを理解し効果的なサステナビリティ・マネジメントを検証するための枠組みを示しています。

今回の山口重工業における保証は、「Human Capital Report」における人的資本情報および人的マネジメントへの取り組みをAA1000に基づいて確認し、ISO 30414への適合性を検証したものとなり、レポートの正確性と信頼性と担保します。
BSIでは、ISO 30414のガイドラインに基づく人的資本のGAP分析および保証サービス、またサステナビリティレポートの保証サービスを展開しておりますが、建築業界でのAA 1000に基づくISO 30414の保証は、山口重工業が初の事例となります。

今後、人的資本のマネジメントに関するレポートを開示する企業はますます増加することが予想されます。開示する情報における組織の責任や社会課題との向き合い方を明確にすることは、組織の信頼性を確保し価値を創造していく上でも更に重要となっていきます。


-注記-
※1:2023年10月現在(当社調べによる)

※2:AA1000AS v3
サステナビリティレポートを中立的な立場で監査し、顧客及びステークホルダーに対する組織の取り組み及び公開された環境・社会・ガバナンス等の情報の信頼性を評価するための国際的な保証基準です。

関連するBSIジャパンのサービスはこちら
https://www.bsigroup.com/ja-JP/sustainability-reporting-gri/

参考情報:AccountAbilityのwebサイト
https://www.accountability.org/standards/aa1000-assurance-standard/

※3:ISO 30414
2018年12月に国際標準化機構(ISO)が発表した人的資本の情報開示のためのガイドライン。人的資本に関するデータ収集、測定、分析及び報告に関する指針を定めたもので、重要かつ組織の成長に不可欠な情報について、11のエリア及び58の具体的かつ定量的な測定基準が示されています。
ISO 30414に関する詳細はBSIジャパンのwebサイトをご覧ください。
https://www.bsigroup.com/ja-JP/iso-30414/


■山口重工業 代表取締役 山口 豊和様のコメント
― ISO 30414の第三者保証を目指した目的
近年、企業価値の中で人的資本の位置づけが大きくなる中で、国内でも人材版伊藤レポートやコーポレートガバナンス・コードの改定がより一層注目度を増しています。
当社は社是の1つに「最大の社会貢献は雇用の創出であること」という言葉を掲げています。
人財の成長こそが会社の、ひいては社会の大きな価値となる。その想いに向けた当社の姿勢を、第三者からの保証を受けることで、社内外に発信していくことができると考えました。

― 挑戦して良かったと思われること、またご苦労された点
人的資本のKPIの設定における仕組みの構築や、人財ポートフォリオ作りの基礎データ、また、若手・中堅層とのエンゲージメントに対する取り組みと改めて向き合いました。
導入制度・研修の再構築や人財ポートフォリオ作りにおける具体的な取り組みとして、アセスメントを行ったり、人事評価制度の見直しを行ったりと、社員一人ひとりの適性や持っているスキル、能力を明らかにしていくことに努めました。結果的に自社の社員の能力の棚卸のきっかけになり、人財のスキルの見える化に繋がりました。
またエンゲージメントサーベイも、より具体的な分析結果が確認できるものを導入することで部署ごと、年層ごとなど多方面から、組織の見えない課題の抽出を可能にし、改善に取り組む体制を整えました。
今回の保証にあたって改めて、人財基盤の整備と個々人のスキルの見える化ができました。今後も、企業価値向上とエンゲージメント向上のため常にブラッシュアップすることが優位だと考えております。

― 保証に際し、BSIを選んでいただいた理由、また検証を受けられた感想
別のISO認証でもお世話になったこともあり、今回人的資本における保証もお願いしました。
審査の中で、開示する内容や取り組みにどういった背景があるのか、取り組みを進めるうえで必要な情報は何かというのを詳しく確認いただき、開示における体制をきちんと整えることができたと感じております。

― 今後、期待する効果や更に挑戦したいこと
この保証を 受けるために設定した取り組みでは終わらぬよう、働きやすく・働きがいのある環境を整備していくことで、自立した人財を育て、企業の成長につなげていきます。
そして今回、ISO30414の指標のもととなるデータをまとめていく過程で見えてきた課題もあります。また、今後も経営戦略と人事戦略を掛け合わせるうえで新たな課題も生まれることでしょう。組織成長のため、1つずつKPIを設定しながら「個」のキャリアパスにつなげるよう取り組んでいきたいと思っています。
企業において無形資産価値として重要な人的資本。この見えない価値を「見える化」することで企業価値を長期的・持続的に高めていくよう努めていく所存です。


■BSIジャパン 代表取締役社長 漆原 将樹のコメント
『夢をカタチにしていく』というコーポレートスローガンを掲げ、何事においても世界トップを目指すという社長の山口様のお言葉どおり、常に時代の先を見据え、新しいことにチャレンジしている山口重工業様。今回のAA 1000に基づいたISO 30414保証に向けての取り組みは、まさに高齢化が進み、人材不足にあえぐ建設業界に風穴をあけるものであると感じます。
社員の皆様が、組織の未来を人的資本データで語ることができるようになったと山口様が仰っていましたが、これこそがまさに、
「夢をカタチに」更なるビジネスの成長と社会貢献の原動力になるものだと確信しております。
この度の山口重工業様の意欲的なチャレンジに検証機関として携われたことをまことに光栄に思います。


■BSI(英国規格協会)とBSIグループジャパン株式会社について
BSI(British Standards Institution:英国規格協会)は、業務改善と標準化を推進する機関です。設立以来1世紀以上にわたって組織や社会にプラスの良い影響をもたらし、信頼を築き、生活を向上させてきたことで評価を受けています。現在、195カ国、77,500社以上のお客様と取引をしながら、専門家、業界団体、消費者団体、組織、政府機関を含む15,000の強力なグローバルコミュニティと連携しています。BSIは、自動車、航空宇宙、建築環境、食品、小売、医療などの主要産業分野にわたる豊富な専門知識を活用し、お客様のパーパス達成を支援することを自社のパーパスと定めています。
気候変動からデジタルトランスフォーメーションにおける信頼の構築まで、あらゆる重要社会課題に取り組むために、BSIはさまざまな組織と手を取り合うことによって、より良い社会と持続可能な世界の実現を加速し、組織が自信を持って成長できるよう支援しています。
BSIグループジャパンは、1999年に設立されたBSIの日本法人です。マネジメントシステム、情報セキュリティサービス、医療機器の認証サービス、製品試験・製品認証サービスおよびトレーニングコースの提供をメインとし、規格開発のサポートを含め規格に関する幅広いサービスを提供しています。
URL: https://www.bsigroup.com/ja-JP/
情報提供元: @Press