診療種別1人当たり医療費の対前年度比の寄与度(令和3年度)
1人当たり医療費 将来の保険給付費の見通し
けんぽのいっぽ!
(資料1)京都の協会けんぽ加入者における生活習慣病と生活習慣病以外の医療費
全国健康保険協会京都支部(京都市中京区、支部長 守殿 俊二、以下、協会けんぽ京都支部)は、京都府の約55,000事業所、88万人が加入する医療保険者です。健診(生活習慣病予防健診)の実施および、受診後の健康サポート(特定保健指導」等の実施や、「健康の現在値(いま)を見よう」広報プロジェクトを通じた保健事業等の周知、健康づくりに関する啓発を行うことで、健康保険料率の低減に資する取り組みを進めています。
【トピック】
(1) 令和5年度の健康保険料率が医療費などを基に決定。
2040年の保険給付は1.7倍(*1)の試算も。
(2) 医療費の約3割(*2)が生活習慣病にかかる医療費。
生活習慣病を早期に発見いただくための健診(生活習慣病予防健診)の補助率のアップを実施。
(3) 生活習慣病は35歳頃から有病率が上昇。
京都発“健診を受けた日”の健康サポート事業「トータルヘルスケアサポート」を推進する他、関係団体や加入事業所との「データを活用したコミュニケーション」を推進。
*1 2018年-2040年比
*2 協会けんぽ京都支部加入者が対象。がんを含む
(1) 令和5年度の健康保険料率が医療費などを基に決定。
2040年の保険給付は1.7倍*の試算も。*2018年-2040年比
令和5年度の健康保険料率(京都支部)は10.09%(令和4年度 9.95%)及び介護保険料率(全国一律)は1.82%(令和4年度 1.64%)。納付は本年3月分(4月納付分)から変更になります。*任意継続被保険者は4月分(4月納付分)より
健康保険料率は、加入者みなさまの医療費に基づき算出されます。令和5年度健康保険料率の計算の基礎となる医療費(令和3年度医療費)の伸び幅は47都道府県中3位という分析結果となり、全国的にみても医療費の伸びが大きかったといえます。また、医療費がコロナ禍以前の水準に戻ったこともわかっています。
今回の保険料率の上昇はコロナ禍における受診行動の影響が大きかったことが主な要因ですが、京都の協会けんぽ加入者の医療費の傾向として、他の地域に比べ特に60歳以降の医療費支出の割合が高いという分析結果もあります。協会けんぽ京都支部では、若いうちからの生活の見直しで未然に発症・重症化を防ぐことができる生活習慣病の予防に向けた取り組みを行っています。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/347751/LL_img_347751_1.jpg
診療種別1人当たり医療費の対前年度比の寄与度(令和3年度)
●2040年の保険給付は1.7倍の試算*。*2018年-2040年比
日本の1人当たり医療費は、年齢を重ねるごとに高くなる傾向があります。今後、2025年に団塊の世代全員が75歳以上となり、2040年には65歳以上の人口がピークを迎えることで、2018年に39.2兆円であった国全体での保険給付費は、2040年には68.5兆円まで増加することが見込まれています。(国全体における医療費等)
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/347751/LL_img_347751_2.jpg
1人当たり医療費 将来の保険給付費の見通し
急速な少子高齢化の波を避けられない状況の中、わたしたちができることは、「将来、次世代が背負う負担を少しでも軽くするため、若いうちから健康のための暮らしの工夫をすることである」ということであるといえます。
※保険料率の解説は公式サイトもご参照ください。( https://www.kyoukaikenpo.or.jp/LP/2023hokenryou/ )
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/347751/LL_img_347751_3.jpg
けんぽのいっぽ!
(2) 京都の協会けんぽ加入者医療費の約3割が生活習慣病にかかる医療費。(がんを含む)
生活習慣病を早期に発見いただくための健診(生活習慣病予防健診)の補助率のアップを実施。
京都の協会けんぽ加入者の医療情報※より、生活習慣病と生活習慣病以外の医療費を集計しました。生活習慣病の医療費は187億5,555万円で医療費全体に占める割合は15.3%で、生活習慣との結びつきが強いがん(新生物)も合わせると、総医療費の約3割を生活習慣病が占めることが分かりました。(資料1)※入院(DPCを含む)、入院外、調剤の電子レセプト。
また、京都の協会けんぽ加入者における生活習慣病疾病別の患者一人当たりの医療費と有病率について分析を行ったところ、生活習慣病患者を母数としたときの有病率が最も高い疾病は糖尿病(10.7%)、次いで高血圧性疾患(9.9%)であることがわかりました。一方、有病率は低いものの一人当たり医療費の高い疾病(腎不全、くも膜下出血等)も分析により判明しています。このようなデータに基づいて、有病率、医療費それぞれのボリュームゾーンに対して適切な保健事業等を行ってまいります。(資料2)
画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/347751/LL_img_347751_4.jpg
(資料1)京都の協会けんぽ加入者における生活習慣病と生活習慣病以外の医療費
画像5: https://www.atpress.ne.jp/releases/347751/LL_img_347751_5.jpg
(資料2)生活習慣病疫病別 患者一人当たりの(京都支部加入者)医療費と有病率
●健診補助率のアップについて
生活習慣病は、予防ができる疾病といわれています。協会けんぽでは、生活習慣病を早期に発見いただくための健診(生活習慣病予防健診)を実施し費用の補助を行っております。この度、皆さまからお預かりしている保険料を皆さまの健康のため、また医療財政の適正化のため、令和5年4月から健診費用補助率の拡大(62%→72%)を行います。こちらをはじめとして、今後も順次さらなる保健事業の拡充を行ってまいります。
健康保険は、加入者の皆さまの収入の約5%を拠出いただいて運営しています。自分のために、社会のために有効活用いただくことをお勧めしています。
【一度考えてみませんか?健康保険料の有効活用のこと。】
https://kyoukaikenpo-kyoto-hoken.jp/report04/
(3) 生活習慣病は35歳頃から有病率が上昇。京都発“健診を受けた日”の健康サポート事業「トータルヘルスケアサポート」を推進する他、関係団体や加入事業所との「データを活用したコミュニケーション」を推進。
生活習慣病の有病率は、35~40歳頃から上昇することが分かっています。保険料率は医療費と密接な関係にあり、ご自身の健康、社会全体を通しても“健康”でいることが、この抑制につながります。
●京都発・“健診を受けたその日”に受けられる健康相談「トータルヘルスケアサポート」。
健康でいるためには日頃からからだのチェックを行い、メンテナンスにつなげていくことが重要です。協会けんぽ京都支部が独自に始めた「トータルヘルスケアサポート」は、これまで協会けんぽが健診結果で“高リスク者”となった方のみを対象として行っていた健康相談事業(特定保健指導)を、本事業ではより多くの方を対象とし、“健康について考える日=健康診断(生活習慣病予防健診)を受診したその日”に、健康相談ができるサービスです。詳しくは協会けんぽ公式ホームページをご参照ください。※令和5年度の事業の概要については追ってホームページに掲載いたします。
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/shibu/kyoto/cat040/hokenpilot2019/
●保有する医療や健診データを使用した関係団体とのコミュニケーション
加入者のみなさまが“健康”でいられるための事業として、協会けんぽ京都支部では関係団体や加入事業所との「データを活用したコミュニケーション」をさらに推進いたします。
現在、分析結果にて健康リスクが高いことが分かっている業態団体等へ、リスク傾向にかかるデータを活用したアプローチ、ジェネリック医薬品使用推進にかかる医療機関等への調剤データを活用したアプローチを実施しています。
また、加入事業所へは従業員の健診結果を集約して見える化したツール「事業所健康度カルテ」を提供しています。※協会けんぽの健診を受けている従業員さまが10名以上いらっしゃる事業所さまに提供
今後はさらに、保有するデータをわかりやすく発信するため、データブック「健康白書」を作成し、関係団体や加入者へ健康保険事業や医療財政の理解促進・啓発を行ってまいります。
【加入事業所向け「事業所健康度カルテ」提供サービス】
職域、地域における健康保険ならではの「業態比データ」、「地域比データ」を示し、事業所の“健康度”をお知らせします。
画像6: https://www.atpress.ne.jp/releases/347751/LL_img_347751_6.jpg
事業所健康度カルテ
【補足資料】
■協会けんぽ京都支部の広報プロジェクト
https://kyoukaikenpo-kyoto-hoken.jp
からだの中は見えない、だから健康の現在値(いま)を確認しよう。
広報プロジェクト「健康の現在値(いま)を見よう」
協会けんぽ京都支部は、加入者の皆さまがご自身の健康や生活習慣に関する情報を得て、その情報を活用する力(ヘルスリテラシー)を向上させていただくため、令和3年度より、「現在値(いま)が見える場所」という統一テーマを掲げた広報プロジェクトを開始しています。みなさまが生涯にわたり元気に、夢を持ち、活躍し続けるためには、ふだんの生活の中からは見えないからだの現在値(いま)を見ることが大切であると考えています。ご自身のからだの現在値(いま)をみていただくため、健康診断(健診)の受診勧奨をはじめとした保健事業の利用推進を行っています。
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健康の現在値(いま)をみよう
協会けんぽ京都支部では、皆さまが「現在値(いま)をみる」きっかけとなる、動画や特設ウェブサイト、メールマガジン等、広報活動を実施。また、健診結果等のビッグデータを活用し、京都府の健康課題や、かかりやすい疾病の傾向などを分析、発信し、京都の皆さまの健康の後押しをしてまいります。
今後も、このプロジェクトを通し、多くの皆さまが健康意識を高め、また各事業所が健康経営(R)への取り組みを加速できるよう活動してまいります。
※「健康経営(R)」はNPO法人健康経営研究会の登録商標です
【お問合せ先】
全国健康保険協会 京都支部 企画総務グループ
担当: 浴畑・堤
TEL : 075-256-8636
FAX : 075-256-8670
情報提供元: @Press