図1 日本人と外国人の浴槽につかる入浴の頻度


図2 普段、主に何を使って身体を洗うか(SA)


図3 背中をしっかり洗っているか(SA)

ライオン株式会社(代表取締役社長・掬川 正純)は、家で過ごす時間が増加して「おうち時間」を充実させたいと考える人が増えている中、お風呂に着目し、日本人と日本在住の外国人(以下、外国人)との入浴スタイルや身体の洗い方について調査を行いました。その結果、日本人の入浴スタイルの特徴として、浴槽につかることが多く、タオルで身体を洗う人が多いことがわかりました。中でも、背中をしっかり洗うことにこだわりがありそうです。


【調査概要】
(1)定量調査
・期間:2021年5月28日(金)~6月2日(水)
・方法:インターネット調査
・対象:日本人117名、日本在住の外国籍の人(以下、外国人)251名の計368名
(内、身体を用具や手を使って洗う人は、日本人115名、外国人214名)

(2)定性調査
・期間:2021年4月9日(金)~4月16日(金)
・方法:オンラインのチャット機能を使ったインターネット調査にて身体の洗い方について詳細をヒアリング
・対象:本人、もしくは家族が海外出身の方、海外で生活したことがある日本人10名


■調査結果サマリー
日本人と日本在住の外国人で入浴スタイルに関する調査を行いました。その結果は以下の通りです。
(1)日本人は浴槽につかる入浴をする人が多く、外国人は日本在住であってもシャワー入浴をする人が多い。
(2)日本人の多くは、身体を洗う際、タオル類を主に使用している。
(3)日本人は、背中をしっかり洗っている人が多い。


■結果
1. 日本人の入浴スタイルは浴槽入浴派。日本在住でも外国人は浴槽にはあまりつかっていない。
まず、入浴のスタイルについて調べました。日本では浴槽が設置されていることが多いですが、日本人と外国人で、浴槽入浴の頻度に違いがあるのか調べました。その結果、「毎日浴槽につかる」「浴槽につかることが多い」と答えた日本人は計64%、外国人は計27%でした。日本人は浴槽につかる入浴をすることが多く、外国人は、日本在住であっても浴槽につからない入浴スタイルが多いことがわかりました(図1)。これは母国での入浴習慣が継続しているためと推察されます(表1)。


画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/268238/LL_img_268238_1.png
図1 日本人と外国人の浴槽につかる入浴の頻度

表1 外国での入浴の状況(定性調査より一部抜粋)
・水が貴重なので、シャワーは10分以内にしている(オーストラリア)
・水が大切だし、大量の水を排水できないのでシャワーのみの入浴(イタリア)
・水道代が高いので、入浴時間は平均3分以内にしている(ニュージーランド)
・お湯を使いすぎると出なくなるので早く洗って出る(オーストラリア)
・2日に1回程度の入浴。入浴しすぎると肌が乾燥したり、水のカルキで髪がきしんでしまう(ドイツ)


2. 日本人はタオルで身体を洗う人が多い!
次に、普段主に何を使って身体を洗うかたずねたところ、日本人も外国人もタオルを使う人が最も多く、6割以上の日本人がタオルを使って洗っていることがわかりました(図2)。外国人の方に実際の身体の洗い方について詳細にたずねたところ、「髪をシャンプーで洗ったあと流れるシャンプーの泡が背中を洗ってくれる」「固形石けんを手に持ち、直接肌にあててこすりつけて洗う」人がいることがわかりました(表2)。

図2 普段、主に何を使って身体を洗うか(SA)
https://www.atpress.ne.jp/releases/268238/img_268238_2.png

表2 外国人の詳細な身体の洗い方(定性調査より一部抜粋)
・固形石けんを手に持ち、直接肌にあててこすりつけて洗う。(カナダ、タイ)
・スポンジでこすらずに手にジェルを付けて軽くこする程度(アメリカ)
・髪を洗った後、すすぐ際に流れるシャンプーの泡が、背中を洗ってくれる(スウェーデン)
・ボディソープを泡立て、その泡を手で全身に塗ってシャワーで流す(ドイツ)
・足首から下と汚れやすい場所だけシャワージェルを手で泡立てて2日おきに洗う。(カナダ)
・男性は外でよく水浴びをしている。(タイ)


3. 日本人は背中をしっかり洗っている人が、外国人に比べて多い!
タオルで身体を洗っている人に、なぜタオルを使うのか、その理由をたずねたところ、「背中など手の届かないところを洗うため」「タオルで洗わないとしっかり洗った気がしない」などの答えがありました。
そこで、背中に着目し、日本人と外国人で背中をしっかり洗っているかどうかをたずねたところ、日本人で背中をしっかり洗っていない人は10%でしたが、外国人は22%でした。このように日本人の方が背中をしっかり洗っている人が多い結果でした(図3)。

図3 背中をしっかり洗っているか(SA)
https://www.atpress.ne.jp/releases/268238/img_268238_3.png

以上の結果について、身体を洗うタオルメーカーの「キクロン株式会社」の方からコメントをいただきました。


キクロン株式会社 営業企画グループ 木村 有由 様
身体を洗う用具は様々ですが、アンケートにもあるように「背中をしっかり洗う」習慣をもつ日本人には、ボディタオルは欠かせないアイテムです。
おうち時間が増えている今、入浴を重視する日本人にとって、バスタイムは気分転換に最適な時間です。ボディタオルで一日の汚れをしっかり落とし、浴槽につかりリフレッシュする…日本人の入浴スタイルこそ、今求められている「心身ともに健康を保つ為の習慣」だと考えています。


4. まとめ
多くの日本人は、浴槽につかる入浴スタイルであり、タオルで身体を洗っていることがわかりました。中でも、背中については意識してしっかり洗っていることも明らかとなりました。
日本の入浴の起源は、538年仏教が伝来した時に寺院が庶民にお湯を振舞ったことだそうです。当時は水が大変貴重だったため、蒸気で身体を温めて垢を手ぬぐいでこすり落とし、最後に湯ですすぐ方式でした(※1)。時が流れて、江戸時代では銭湯が流行り、浴客の背中を洗う三助がいたことや、ぬか袋で身体を洗っていたこと(※2)、明治時代には浴槽の横に広い洗い場が設置されていたことが知られています(※3)。このような背景から、日本人には身体を手ぬぐいなどでしっかり洗う行動が習慣化し、背中までしっかりタオルで洗うようになっているのかもしれません。
(※1)橋田他、BULLETIN OF JSSD,日本デザイン学会(2013)
(※2)筒井功、風呂と日本人、文春新書(2008)
(※3)山田幸一、大場修、風呂のはなし、鹿島出版会(2004)


今後も当社は、毎日の暮らしを前向きなものにできるよう、ひきつづき生活行動に関わる調査研究を行い、1人ひとりの心と身体に向き合った情報や製品を提供してまいります。
情報提供元: @Press