バイオマスポリエチレンとセルロースナノファイバー複合樹脂

GSアライアンス株式会社(Green Science Alliance Co., Ltd.:環境、エネルギー分野の最先端材料を研究開発する化学会社/本社:兵庫県川西市、代表取締役社長:森 良平博士(工学))は、生分解はしないがバイオマス由来のプラスチックであるバイオマスポリエチレン、バイオマスポリアミド(ナイロン)と同社の技術であるセルロースナノファイバーの複合樹脂を作成いたしました。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/253158/LL_img_253158_1.jpg
バイオマスポリエチレンとセルロースナノファイバー複合樹脂

人類の活動や人口爆発、二酸化炭素の増加などによって引き起こされる気候変動や、環境中のマイクロプラスチック汚染などの環境破壊問題は壊滅的なレベルになりつつあります。特に海洋中のマイクロプラスチック汚染問題は魚などの海洋生物への甚大なる悪影響や、それを食する人類の健康への影響も懸念されています。プラスチックは生分解性とバイオマス由来という観点から考えると大きく4種類に分類できます。1つ目は石油由来の生分解しないプラスチックであり、従来のPE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PVC(ポリ塩化ビニル)などのいわゆるマイクロプラスチックの原因になっているような汎用のプラスチックです。
2つ目は石油由来ではあるけれど生分解するようなプラスチック、これにはPBAT(ポリブチレンアジペートテレフタレート)やPCL(ポリカプロラクトン)などが相当します。3つ目は生分解しないけどバイオマスを原料としているようなプラスチック、これにはバイオマスポリエチレン(PE)、バイオマスポリプロピレン(PP)、バイオマスポリアミド、バイオマスナイロン(PA)などが相当します。4つ目はバイオマスを原料としており、かつ生分解するという環境には一番優しいとされる種類のもので、これにはデンプン系生分解性プラスチック、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシアルカノエート系(PHA)生分解性プラスチック、そしてセルロース系生分解性プラスチックなどが相当します。理想的にはこの4つ目の生分解性プラスチックが最適であると思われます。
一方で、生分解はしないものの3つ目のバイオマスから作られる生分解性プラスチックは、原料に石油を使用しておらず、CO2の使用削減という観点からは環境に配慮しているといえる生分解性プラスチックです。

GSアライアンス株式会社は、これまで特にこの4つ目に分類できる、石油系材料を使用しない100%天然バイオマス由来の生分解性プラスチックなどの、各種の環境にやさしい材料を開発し事業化してきています。この度は、上述した3つ目の類の、生分解はしないがバイオマス由来のプラスチックであるバイオマスポリエチレン、バイオマスポリアミド(ナイロン)に同社の技術であるセルロースナノファイバーを複合化させて、引張強度などの機械的強度を向上させることに成功しました。バイオマスポリエチレンは最近のスーパーのレジ袋などにも採用されており、実用化が進み始めているプラスチックです。
このようなCO2の使用量を削減している環境にやさしい材料に、セルロースナノファイバーを複合化させ機械的強度を向上させることができたことにより、バイオマスプラスチックを一部採用し始めているレジ袋などの強度を向上させることができる可能性もあります。強化繊維として炭素繊維やガラス繊維などの材料も、バイオマスポリエチレンなどの材料の強度を向上させることは可能ですが、これらの材料はバイオマス由来ではありません。石油系材料を使用せず、100%バイオマス組成を維持しながら強度を向上させることができるのは、同じく植物などのバイオマス由来のセルロースナノファイバーだけで、これは非常に有意義なことです。

今後はこれらの新材料の国内外への展開を加速させる予定です。


【会社概要】
商号 : GSアライアンス株式会社
代表者 : 代表取締役社長 森 良平博士(工学)
所在地 : 〒666-0015 兵庫県川西市小花2-22-11
事業内容: 環境、エネルギー分野の最先端材料、技術の研究開発
URL : https://www.gsalliance.co.jp/
情報提供元: @Press