オーラルウェルネス推進委員会


石原新菜先生


上田貴之先生


安部茂先生

「健康づくりは、“口からだ”」を掲げ、口腔ケアの重要性を啓発するオーラルウェルネス推進委員会は、感染対策における口腔ケアをテーマに、2020年11月16日(月)、フクラシア東京ステーション会議室Dにて、発足記念メディアセミナー「感染対策における、オーラルウェルネスとDOMACの可能性」を開催いたしました。また、開催に際して、WEBサイト「オーラルウェルネス推進委員会」を公開しました。( https://oral-wellness.jp/ )



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オーラルウェルネス推進委員会



人生100年時代といわれる長寿国・日本。健康長寿を延ばし豊かに過ごす方法を誰もが模索しています。従来、口は「食べる」「話す」などの基本機能が注目されてきましたが、近年、口内を健康な状態に保つ「オーラルウェルネス」の研究が進み、「口は全身の健康の要」であるということも明らかになってきています。



中でも感染症において、口は感染対策の第一関門とされ、口腔ケアを行うことでインフルエンザや風邪の発症率の低下が期待できるといった、「感染対策と口腔ケア」をテーマにした研究は、直近10年の間で約3倍にまで増加しているなど、注目が高まっております。そして、本セミナーにおいては、日々の生活で手軽に取り入れられる、キャンディによる口腔ケアの有効性を検証しました。中でも、数々の口腔ケアに関する研究が進んでいる、アロマ成分複合体「DOMAC(ドゥーマック)」に注目した発表になっています。



当日は、内科医であられるイシハラクリニック副院長の石原新菜先生から「感染対策における口腔ケアの重要性」をご紹介いただきました。また、最新研究結果をもとに東京歯科大学老年歯科補綴学講座教授の上田貴之先生からは「唾液力を上げるキャンディの可能性」、帝京大学医真菌センター客員教授の安部茂先生からは「上気道感染のリスク低減におけるキャンディの可能性」について発表いただきました。最後に、岐阜薬科大学地域医療薬学寄付講座特任教授であり、ウエルシアHD株式会社 会長付地域連携推進担当部長の小原道子先生とUHA味覚糖株式会社執行役員でバイオ技術開発セクションリーダーの松川泰治氏によるオーラルウェルネスの必要性、並びに企業としての展望について発表いたしました。



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石原新菜先生



イシハラクリニック 副院長 石原新菜先生

◆正しい口腔ケアで、インフルエンザ罹患率も低下。

新しい生活様式で迎える感染症シーズンにおいては、「手洗い」「うがい」「バランスの良い食事」「体を温める」などの基本的な対策に加えて、今年は「口腔ケア」に注目していただきたいです。

呼吸器感染では、口と鼻からウイルスが侵入するため、口は感染対策における第一関門です。対策のポイントは「唾液と舌」になります。

唾液はウイルスの体内侵入を阻止する免疫抗体IgAを含みます。さらに、舌は健康のバロメーターとして、健康状態が表れやすい場所です。舌の上に現れる「舌苔」は細菌や汚れの塊で、細菌数の増加は感染リスクを高めるため、意識してケアをする必要があります。



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上田貴之先生



東京歯科大学老年歯科補綴学講座教授 上田貴之先生

◆キャンディで唾液力を上げ、効果的な感染対策を。

現代は、不規則な生活習慣やストレス過多などが原因で、ドライマウスが急増するなど、“唾液不足”の時代といえます。唾液分泌が減少すると、「(1)口腔内免疫力が低下する」「(2)口腔内細菌が増加する」という2つの課題が生じます。唾液には、免疫物質「IgA」が含まれており、唾液中の「IgA」が細菌やウイルスの侵入を防御してくれています。つまり、「IgA」濃度を高めることは、感染の水際対策につながるのです。



感染の水際対策には「物理的なケア」と「化学的なケア(有効成分)」のダブルケアが重要であり、今回、比較的長時間口腔内に留まることができるキャンディを使って、その効果を検証しました。5分間キャンディを舐めた直後のIgAを測定した結果、「安静時」と比較し、「一般的なキャンディ摂取」と「アロマ成分複合体(DOMAC)を含んだキャンディ摂取」のそれぞれの「IgA」濃度の平均変化率において、全ての群で有意差を確認することができました。このことから、キャンディは“唾液力”を高めることで、感染予防につながる可能性があることが分かりました。



そして、“唾液不足”がもたらすもう一つの課題が「(2)口腔内細菌が増加する」です。口腔内細菌が増加すると、「IgA」などの免疫機構を消費します。すると口腔内の「IgA」が枯渇し、結果として、上気道における感染リスクが高まります。

口腔内細菌を見逃しやすい場所に「舌苔(ぜったい)」がありますが、舌苔が多いと、口腔内の微生物が多い状態です。



直近で行った研究では、アロマ成分複合体(DOMAC)配合タブレットを7日間摂取することで、舌苔を減少させ、舌表面の微生物を減らすことが明らかになりました。以上のことから、アロマ成分複合体(DOMAC)キャンディの摂取は、物理的ケア+化学的ケアにより、唾液中IgA分泌量を上げながら、舌苔を減少させることで、口腔内感染・上気道感染のリスク低減につながることが示唆されました。今後、感染リスクが気になる人混みなどが心配な場所でも手軽な対策として、キャンディは効果が期待できると考えます。



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安部茂先生



帝京大学 医真菌センター 客員教授 安部茂先生

◆DOMACがウイルス活性化酵素を抑制する可能性。

ウイルスの呼吸器感染を重症化させないためには、口や喉などの感染の「水際」で守ることが重要です。感染の「水際」である上気道でのウイルスの感染は、ウイルスの粘膜細胞への侵入から始まります。上気道感染症の主な症状としては、いわゆる風邪から、インフルエンザなどがありますが、これらのウイルス感染には「セリンプロテアーゼ」というウイルス活性化酵素が関与しています。セリンプロテアーゼによって、ウイルスが活性化し、感染しやすくなるのです。

そこで、これまで口臭減少や口腔炎症症状緩和などの研究結果が示されている、キャンディ成分・DOMACを用いて、セリンプロテアーゼへの効果を検討しました。



結果、アロマ成分複合体(DOMAC)入りのキャンディは「セリンプロテアーゼ」を代表する2種の酵素を抑制することを明らかにしました。このことから、インフルエンザウイルス活性化で働くセリンプロテアーゼや、コロナウイルス活性化で働くTMPRSS2も抑制すると考えられます。最新の研究では、舌、口腔粘膜、喉頭に「セリンプロテアーゼ」が多く存在するという報告もあります。感染防御力を高められるか今後の研究により明らかにしていきたいです。



そして、最後に研究が進むオーラルウェルネスに関して、これからオーラルウェルネスを牽引していく企業として、オーラルウェルネスの必要性や今後の取り組みについて、協賛社を代表してご登壇いただきました。



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小原道子先生



岐阜薬科大学 地域医療薬学寄付講座特任教授

ウエルシアHD株式会社 会長付地域連携推進担当部長

小原道子先生

私たち薬剤師も薬を作るところから在宅医療にシフトしています。服薬支援の際、口腔機能の低下を目の当たりにすることが多くなりました。薬局では口腔ケアといえば従来は歯ブラシや歯磨き粉といったグッズが多かったですが、これからは介護や食品と一緒に連携をしながら、摂食嚥下障害・食支援といった分野でもオーラルケアとして連携が必要になってくると感じます。そのことが地域を守る薬局・薬剤師の立場として健康へのスタートラインの第一歩となると考えています。



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松川泰治氏



UHA味覚糖株式会社 執行役員 バイオ技術開発セクションリーダー

松川泰治氏

「おいしさは、やさしさ」がUHA味覚糖のコーポレートアイデンティティ。オーラルケアに関する研究は日々進歩している一方、メーカーとして商品をいち早く社会には還元していかなければならないと考えています。キャンディなら、どこでもいつでもおいしく、手軽にできるため革命に近い可能性を秘めていると思っています。今後、お菓子を食べたときに心が和むやさしさと身体の健康を実現したいです。

情報提供元: @Press