Nature Tokyo Experienceモデルプロジェクト報告会 フォトセッション
株式会社NOX Intervillage CEO 石山学氏
株式会社USPジャパン 横澤氏
株式会社アカツキライブエンターテインメント 小谷氏
東京都では、今年度、多摩・島しょの自然を活用した新たな体験型エンターテイメント創出事業「Nature Tokyo Experience」のプロジェクト提案を公募し、選定した事業者に広報支援を行ってきました。この度、平成30年2月8日(木)に、当事業で実際にプロジェクトを成功に導いた事業者3社やプロジェクト関連の自治体を登壇者とした、「Nature Tokyo Experience」モデルプロジェクト報告会を代官山T-SITE GARDEN GALLERYにて開催いたしました。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/149172/LL_img_149172_1.jpg
Nature Tokyo Experienceモデルプロジェクト報告会 フォトセッション
モデルプロジェクト報告会では、東京の自然を活用した新たな取組に興味・関心がある民間事業者、自治体関係者など約90名の観覧者が参加しました。各事業者が実施したプロジェクトの振り返りや成果報告を行いながら、東京の自然を活用した事業を行うことへのポテンシャルや課題・魅力などを共有。各プロジェクトに関わった各地域の自治体の方々にも発表していただきました。また、事業者、自治体など参加者同士で相互交流ができるネットワーキングを実施いたしました。会場では、先進的な事例を取りまとめた事例集を配布しました。
【「Nature Tokyo Experience」モデルプロジェクト】
(1)「CIRCUS OUTDOOR」初の“常設型”グランピングプロジェクト/株式会社NOX Intervillage
(2)“伊豆諸島の玄関口”調布地域と島とをつなぐ「ガストロノミーツーリズム」/株式会社USPジャパン
(3)八丈島で“大人のアソビ”を新提案!「星降るプレミアムデッキ」&「島コンシェルジュ」/株式会社アカツキライブエンターテインメント
(1)「Circus Outdoor」初の“常設型”グランピングプロジェクト/株式会社NOX Intervillage
「Circus Outdoor」ブランド初の常設のグランピング場(※)をオープン。
全国各地で注目を集めてきたグランピング集団が、最後に巡り着いたのは奥多摩の森。
事業名称 :Circus Outdoor Tokyo
取組主体 :株式会社NOX Intervillage
実施エリア:東京都西多摩郡奥多摩町
事業開始 :2018年3月(2018年1月にプレオープンイベントを実施)
<事業概要>
全国各地でグランピングイベントを実施してきた「Circus Outdoor」が、奥多摩湖を望む絶景のロケーションの地で初めての「常設グランピング場」を開設。価格帯の異なるグランピングテントを計5張用意。シェフが調理する本格的な料理やキャンプファイヤーなどが楽しめる。
(ホームページ: http://www.circusoutdoor.com/ )
※グランピング…「グラマラス(魅惑的な)」と「キャンピング」を掛け合わせた造語で、テント設営や食事の準備等の煩わしさから旅行者を解放した「良い所取りの自然体験」に与えられた名称。
<事業のポイント>
●未利用町有地を活用したい奥多摩町と利害が一致。地元住民の雇用等により町の活性化を目指す。
●法的な課題を乗り越えるため、行政関係機関と何度も協議し申請をクリア。
<事業立ち上げの背景>
我々の主なターゲット層は(1)キャンプが苦手であり、(2)自然に興味があり、(3)ゆっくりとした時間を過ごしたいと思っている方々。奥多摩町にある事業エリアは都心からのアクセス、景色の良さ、段々なフィールド等、我々が求めていた条件が揃っていたため、グランピングフィールドとして展開することに決めた。
<事業の成果>
現在の完成状況は8割。3月のグランドオープンに向けて準備を進めている。1月に実施したプレオープンイベントでは、お客様からの反応も上々であり、ここが東京だということを一瞬忘れさせてしまうような特別な時間を提供できていると自負している。メディア報道やSNS拡散等による予測では合計80万人以上にリーチしており、認知度も上がってきている。一方で抽選受付開始が遅れたことにより、申込が通常より少なくなってしまった。当選発表も直前で当選辞退が相次ぎ、結果満室にならなかった。今後の課題としては、夏の営業に関して暑さ対策、虫対策が必要になってくるため、奥多摩町と対策方法を検討している。
また、奥多摩町では20~30代の若年層が少ないので、雇用を生むためには官民協力による移住促進も検討する必要があると考える。
<今後の展望>
奥多摩町の雇用を創出するため、今後は「Circus Outdoor Tokyo」の運営を地元人材の中から育てていくことを検討している。また、日帰り客も楽しめる施設を増設し、施設自体の魅力も高めていきたい。
(2)“伊豆諸島の玄関口”調布地域と島とをつなぐ「ガストロノミーツーリズム」/株式会社USPジャパン
欧米で人気の「ガストロノミーツーリズム」(※)を多摩地域・島しょ地域で展開。
旅行客と地元住民・生産者が繋がり、島へのリピーターが生まれる契機に。
事業名称 :TOKYOガストロノミーツーリズム
取組主体 :株式会社USPジャパン
実施エリア:多摩地域(調布市、府中市)、島しょ地域(神津島、新島)
事業開始 :2017年7月
<事業概要>
「TOKYOガストロノミーツーリズム」は、多摩地域と島しょ地域を繋ぐ調布アイランド事業と連携しながら実際に島の食材の生産元である新島や神津島へ赴き、伊豆諸島の新鮮な食材を収穫、調理し、食べる体験プログラム。また伊豆諸島から調布飛行場に空輸された朝採れ野菜や魚等の新鮮な食材を調理して食べるイベントも併せて企画・実施。
(ホームページ: https://goislands.tokyo/ )
※ガストロノミーツーリズム…食べることでその土地の文化や歴史と料理の関係を学ぶ旅のスタイル
<事業のポイント>
●ツアーの企画開発が得意な取組主体と、島しょ地域の生産者とのネットワークを持つ連携先との協業により、両者の得意分野を活かして、島の食文化を体験する「ガストロノミーツーリズム」を展開。
●プログラムの実施により、島しょ地域の住民、多摩地域の住民、プログラム参加者の3者間の交流が生まれる契機に。
<事業立ち上げの背景>
現在、訪日外国人の約7割が「食」を旅の目的にしており、欧米での人気の旅のスタイルが「ガストロノミーツーリズム」となっていることから、今後日本でも需要が高まってくることが期待されている。多摩・島しょ地域は、東京とは思えない自然が豊かな地域であり、島ならではの新鮮な食材や島料理など独特の文化がある等、“ガストロノミーツーリズム”としてのポテンシャルが高い魅力的なエリアとなっているため、今回このエリアを選定した。
<事業の成果>
島を愛する作家・椎名誠氏をスペシャルサポーターとして起用し、「島はうまい!」をテーマに都内の離島で採れる新鮮な食材を使った調理方法やレシピ開発など、楽しくて美味しいイベントを全7回企画。当初は集客の面で苦労していたが、積極的な広報・宣伝活動により、回を重ねる毎に徐々に認知も高まってきていることを実感している。「TOKYOガストロノミーツーリズム」の実施を通して、「食を通して生産者や地元住民とコミュニケーション」ができる旅には市場価値があることを見い出すことができ、“人と人を繋ぐ”ガストロノミーツーリズムの可能性を感じた。
<今後の展望>
今回、台風の影響で神津島でのイベントが中止になってしまったので、来年度はリベンジしたい。また、東京には三宅島や式根島などまだまだ多くの島があり、それぞれの地域の魅力を活かした多種多様な“体験型”プログラムを企画・実施し、多くの旅行者にガストロノミーツーリズムの魅力を伝えていきたい。そのほか、訪日外国人をメインターゲットにしたプログラムも検討していきたい。
(3)八丈島で“大人のアソビ”を新提案!「星降るプレミアムデッキ」&「島コンシェルジュ」/株式会社アカツキライブエンターテインメント
八丈島の満点の星空をひとりじめできるスポットと、友達感覚のコンシェルジュサービスで、八丈島滞在の新たな付加価値づくりに貢献。
事業名称 :星降るプレミアムデッキ&島コンシェルジュ
取組主体 :株式会社アカツキライブエンターテインメント
:(※プロジェクト選定時は、株式会社ASOBIBA。平成29年12月21日に社名変更)
実施エリア:東京都八丈島
事業開始 :2018年2月
<事業概要>
「星降るプレミアムデッキ」は、1日1組限定で星空観察ができるスポット。360度を透明なシートで覆われたテントが用意され、冬でも寒さを凌ぎながら観察をすることが可能。また「星降るプレミアムデッキ」と並行して、島での遊びや食事、宿泊などさまざまな疑問に答えてくれる「島コンシェルジュ」をスタート。
(ホームページ: http://3place.jp/ )
<事業のポイント>
●何度も島に通いつめ、地元住民・関係者との人間関係を構築。地元事業者と連携し、星空観察ができる「星降るプレミアムデッキ」を展開。
●島の穴場スポットや体験型アクティビティを紹介・予約・決済ができる「島コンシェルジュ」サービスを実施。
<事業立ち上げの背景>
事業メンバーは、2016年度から八丈島が運営する地域活性化事業に関わる機会を持つことになり、何度も島を訪れていた。活動に参加する過程で、八丈島には豊富な地域資源があることに着目。羽田から55分程度と好立地で、ウミガメ見学やホエールウォッチングが体験できるという強い魅力を持っていた。八丈島では、ガイドブックやインターネット等、既存の情報だけでは伝わらない魅力が数多くあるに違いない、こうした魅力を活かす事業ができるのではないかと考えるようになった。
<事業の成果>
八丈島の自然資源の普遍的な価値をいかにトレンドに合わせて伝えていくかを模索していた。そんな中、もともとは夏から秋にかけての事業開始を目指していたが、台風の影響で施設の工事が遅れてしまい、営業のスタートができなくなってしまった。そこで、急遽冬の事業スタートに切り替えたところ、結果的に八丈島の課題であった「冬の集客」にコミットすることができた。今後の課題は、「星降るプレミアムデッキ」を宿泊やバーベキュー体験が可能なサービスへと変更していくことだ。特に、法規制関係でクリアしなければならない課題は多い。行政側と相談し、段階的に宿泊等が可能なグランピング事業を展開していくことを検討している。
<今後の展望>
島内のアクティビティ事業者や島外の旅行会社との連携を強化し、様々な島内アクティビティの提供を目指していく。また、本土で展開している自社事業の一つ、「チーズレストラン DAIGOMI」と、八丈島乳業とのコラボイベントを計画中。今後はその他の島の事業者とも連携してコラボイベントを増やしていくことを目指している。
【東京都 政策企画局のコメント】
東京には、多摩・島しょ地域などに、魅力ある自然豊かな地域リソースがたくさん存在します。『Nature Tokyo Experience』事業は、東京の自然を活用したモデルプロジェクトの支援を通じて、新たなエンターテイメント空間を創出することで、東京の自然の価値を顕在化させるとともに、都民だけでなく、国内外の皆さんへ「新しい体験の時間」を提供していくことを目指したものです。3つのモデルプロジェクトの取組が、これから新しく事業を始めようとされている方々や豊かな自然を発信しようとされている自治体の参考となれば幸いです。今後、各地域において、新しい、楽しい事業がどんどん生まれてくることを願っています。
【「Nature Tokyo Experience」概要】
「Nature Tokyo Experience」とは、2017年度に東京都が実施した、多摩・島しょ地域で、自然等の地域資源を活用した新しい体験の場を作ろうとする民間事業者のプロジェクトを公募・選定・支援し、事業の普及を行っていく“体験型エンターテイメント創出事業”です。東京都が委託した事業プロモーター(株式会社博報堂)が民間事業者を募集し、その中より優れた取り組みを計画する代表事業者を選定して広報活動等の支援を行ってきました。選定されたプロジェクトは、民間事業者に自らの事業として実施していただいております。
公式ホームページ: http://www.naturetokyoexperience.com/
※本事業は運営業務全般は、東京都から博報堂が受託しております。
また、株式会社博報堂は、運営事務局業務の一部を株式会社コミュニケーション科学研究所に委託しています。
情報提供元: @Press