書影


掲載写真(撮影=植本一子)

株式会社筑摩書房(所在地:東京都台東区、代表取締役社長:山野浩一)は、ラッパーのECDが写真家の植本一子に出会い、同棲から結婚、そして長女の誕生と、家族になるまでの日々を綴った『ホームシック――生活(2~3人分)』に<10年後のふたり>によるあとがきを収録し文庫化したものを、2017年9月8日、ちくま文庫から発売します。

その後の石田家の日々は、妻・植本一子の筆による『働けECD――わたしの育児混沌記』『かなわない』『家族最後の日』の3冊で赤裸々に綴られ、不器用で懸命な家族の在り方とその日常が多くの共感と反響を呼びました。本書にはそんな未来への予感のようなものが、ECDの淡々とした文章で描かれています。合わせて植本一子にとって初エッセイとなった出産前後の文章も収録しています。

今回の文庫化に伴い、現在、がんで闘病中のECDと植本一子による文庫版あとがきを収録。2007年から2008年にかけて書かれた本書を振り返る2人の文章には、家族と自分自身について、10年を経た今だからこそ書ける心情が綴られています。

7月にベストアルバム「21世紀のECD」をリリースしたECD。そのECDと植本一子、そして石田家の原点が詰まった“愛の記録”がついに甦ります。



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■文庫版あとがきより

「今、こんなに弱ったからだでも心穏やかにいられるのは家族がいてくれるからだ。この運命の不思議に僕は感謝するしかない」 ――ECD



「私に文章を書く力をくれたのも、図らずも石田さんだった。もしかすると石田さんにとって一人目の子供は、私だったのではないだろうか」 ――植本一子





■窪美澄による解説より

植本さんが描いた嵐の日々の前兆のようなものは、本書にも描かれている。



「産んじゃったら元に戻せないんだよ」

そう言っていちこは涙を流した。当たり前のことだけど、当たり前だからこそ誤魔化しようのない現実。

「本当にこれでよかったのかなあ」

そんな元も子もなくなるようなことを言い出す夜もあった。

僕は「大丈夫だよ」と繰り返すだけだった。(71~72ページ)



植本さんが出産や子育てに対する不安を口にする。あまりに正直に。それに対して夫であるECDさんが「大丈夫だよ」と繰り返すだけの場面。あっさりと読み飛ばしてしまうかもしれないが、こんな二人の会話に私は心を鷲掴みにされる。(中略)

案外、誰かと生きていくのは悪くない。忘れてしまいがちな、だけど大事なことをこの本はそっと教えてくれる。



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<撮影=植本一子>





■著者プロフィール

ECD

1960年生まれ。ラッパー。

著書に『ECDIARY』(レディメイド・インターナショナル)、『失点イン・ザ・パーク』(太田出版)、『いるべき場所』(メディア総合研究所)、『暮らしの手帖』(扶桑社)、『何にもしないで生きていらんねぇ』(本の雑誌社)など。



植本一子

1984年広島県生まれ。写真家。

著書に『働けECD―わたしの育児混沌記』(ミュージック・マガジン)、『かなわない』(タバブックス)、『家族最後の日』(太田出版)がある。





■『ホームシック――生活(2~3人分)』ちくま文庫

刊行日 :2017年9月8日

ページ数 :208

定価 :本体880円+税

ISBN :978-4-480-43472-2

解説 :窪美澄

写真 :植本一子

ブックデザイン:鈴木成一デザイン室

情報提供元: @Press