「くるみを摂取することで精子の質が改善され、その要因が精子細胞の過酸化による損傷を減少することである可能性が発見できました」と研究を率いたデラウエア大学のPatricia A. Martin-DeLeon博士(PhD)は述べています。「くるみのどの成分が原因であるかを把握するにはさらに研究が必要ですが、この研究結果はくるみが精子の健康に役立つ可能性を示唆しています。」
この研究は既に発表されているカリフォルニア州立大学のWendie A. Robbins博士による研究結果の裏付けとなりました。Robbins博士の介入試験では、くるみを一日75グラム(約2.5オンス)摂取した群、くるみを摂取しなかった群と比較し、精子の活力、運動性、形態が改善したことが示されていました(※2)。
2012年に「生殖生物学(Biology of Reproduction)」で発表されたこの結果に着目したMartin-DeLeon博士は、くるみを加えた餌によって精子が改善されるメカニズムについて研究を始めました。健康な雄のマウスと遺伝子的に不妊(Pmca4-/-遺伝子欠失)であるマウスにくるみを加えた餌とくるみを含まない餌(対照群)を無作為に割り当て、9-11週間追跡調査を行いました。
(※1) Coffua LS, Martin-DeLeon PA. Effectiveness of a walnuts-enriched diet on murine sperm: involvement of reduced peroxidative damage. Heliyon. 2017;3(2).
(※2) カリフォルニア州立大学公衆衛生学科および看護学科Wendie A. Robbins博士(PhD, RN, FAAN)が率いた無作為化比較対象試験で男性の生殖能力におけるくるみの潜在的な役割を証明。
Robbins WA, Xun L, FitzGerald LZ, et al. Walnuts improve semen quality in men consuming a Western-style diet: randomized control dietary intervention trial. Biol Reprod. 2012;87(4):101.