サーモグラフィー実験


松生 恒夫先生

厳冬になる傾向にあるラニーニャ現象の発生を気象庁が発表しました。例年に比べ寒さが厳しくなる恐れがある今年の秋・冬は、特に、体を温めることを意識する必要があります。ヒトの体温は1日の中で変動しており、最も体温が低下するのが睡眠で活動量が少なくなっている朝の時間帯です。体が冷えている朝に、体温を上げるために重要なのが朝食です。



そこで、「腸温活プロジェクト」は、寒い時期の朝食にはどのようなスープが適しているのか、体の温め・保温効果について、3種類のスープによる比較検証を実施いたしましたので発表いたします。



「腸温活プロジェクト」とは、体全体を温めてコンディションを整え、美容や健康を手軽に手に入れるための活動を推進するプロジェクトです。当プロジェクトは学識者のメンバーによる監修の下、低体温・冷えからくる体の不調のリスクをなくすべく、朝食の重要性と腸の働きを活性化し体を温める活動「腸温活」の啓発・推進することを目的に、情報を発信しています。





■食物繊維入り具だくさんスープは、温め・保温効果が持続

この度、腸の専門家である松生 恒夫先生(松生クリニック院長・医学博士)の監修の下、3種類のスープの温め・保温効果について検証を行いました。

被験者に、豆・雑穀・野菜の(1)具だくさんスープ、(2)具無しのスープ、(3)コンソメスープを飲食してもらい、サーモグラフィで体の温度を測定。その結果、(1)の「具だくさん」のスープを食べることが体を温める効果が最も高いことが分かりました。



▽サーモグラフィ画像:(1)具だくさんスープ、(2)具無しスープ、(3)コンソメスープの温め(保温効果比較)

https://www.atpress.ne.jp/releases/112211/img_112211_1.jpg





■食物繊維入り具だくさんスープの温め効果を確認

~実験監修 松生 恒夫先生(松生クリニック院長・医学博士)コメント~

被験者に(1)食物繊維入り具だくさんスープを食べてもらったところ、30分後から上半身だけでなく、末梢の指先までじわじわと温まりはじめ、その温め効果は120分後も持続していました。(1)具だくさんスープと(2)具無しスープで比較すると、(1)具だくさんスープの方が温め効果がより高くなっていました。具材による温め効果増強のメカニズムとしては、噛むことや消化吸収がゆっくり進むこと、具材による保温効果などが関係していると考えられます。

また、被験者に具無しスープの代表として、(3)コンソメスープを食べてもらったところ、体を温める効果は認められるものの、(1)具だくさんスープと比べると効果は弱いものでした。また(3)コンソメスープは手が温まらないのに対して、(2)具無しスープは手全体が温まっており、試験に用いたスープ自体の温め効果も高かったようです。



今回の試験結果から、食物繊維入り具だくさんスープには、体や末梢を温める効果が期待できることが分かりました。また、複数の豆、雑穀、野菜が含まれており、水溶性と不溶性の食物繊維両方を摂ることができるので、中長期的に見ると腸内環境を整えることにもつながるでしょう。

寒くなるこれからの季節、お腹・腸を冷やして体調を崩される方が多くなります。特に朝はどうしても体温が低くなるので、食物繊維入り具だくさんスープを朝食に取り入れて、体を温めるとともに腸内環境ケアに取り組んでみてはいかがでしょうか。





■松生 恒夫(松生クリニック院長・医学博士)

東京慈恵会医科大学卒業後、大腸内視鏡治療の実施件数で国内屈指の実績を誇る松島病院(横浜市)で大腸肛門病センター診療部長を経て2003年1月に東京都立川市に松生クリニックを開院。これまでに4万件以上の大腸内視鏡検査を施行しており、生活習慣病としての大腸疾患、地中海式食生活(地中海式ダイエット)、漢方療法等の治療を行っている。松生クリニックは国内では珍しい便秘外来を設置しており、便秘に苦しむ多くの方々の治療にあたっている。便秘、腸の名医としてメディア出演も多い。著書に「腸はぜったい冷やすな!」(光文社)、『「腸を温める」と体の不調が消える』(青春出版社)、「長生きしたけりゃ、腸は冷やすな―老い、がん予防に効く! 温める腸健康法」(主婦の友社)など100冊以上ある。





■実験結果サマリー

豆・雑穀・野菜の具だくさんスープは最も体が温まり、保温効果は120分後も持続。その上、上半身だけでなく末梢まで温まる。



<プロトコル>

対象  :女性2名(被験者A:27歳、BMI 16.4、被験者B:33歳、BMI 18.6)

試料  :(1)具だくさんスープ(温)200g

     (2)具なしスープ(温)200ml

       ※ (1)のスープの具を除いたもの(分量調整)

     (3)コンソメスープ(温)200ml

試験方法:試料摂取前、摂取後0分、30分、60分、90分、120分後の全身、

     上半身、両手をサーモグラフィで撮影。

     試料は70℃で、7分間かけて摂食。

試験期間:2016年6月4日、5日(2日間)

実験監修:松生 恒夫先生(松生クリニック院長・医学博士)





【腸温活プロジェクト 概要】

名称  : 腸温活プロジェクト

発足日 : 2016年9月15日

活動目的: 「腸温活」を取り入れるライフスタイルの推進



■プロジェクトメンバー(五十音順)

・青江 誠一郎(大妻女子大学 家政学部 学部長)

・川嶋 朗(東京有明医療大学 教授)

・本多 京子(医学博士・管理栄養士)

・松生 恒夫(松生クリニック院長・医学博士)

・森田 達也(静岡大学 学術院 農学領域 教授)



■協賛企業(五十音順)

・オムロン ヘルスケア株式会社

・敷島製パン株式会社(Pasco)

・フジッコ株式会社



■活動内容

(1)朝食の重要性と腸の働きを活性化し体を温める「腸温活」を啓発する基礎知識、研究結果、最新ニュースなどの収集と発信。

(2)WEBサイト「腸温活プロジェクト」の運営管理



URL: http://cho-onkatsu.jp/
情報提供元: @Press