東日本大震災の津波で多くの児童が犠牲になった宮城県石巻市の旧大川小学校の遺族らの姿を追ったドキュメンタリー映画「『生きる』大川小学校 津波裁判を闘った人たち」がこのほど完成した。来月18日から全国で順次公開される。 旧大川小を巡っては、児童23人の遺族が市と県に損害賠償を求め訴訟を起こし、2019年に震災前の津波対策で学校側に過失があったことを認める判決が確定している。 映画では判決の確定前とその後の遺族の思いを聞いたインタビューのほか、遺族の記録映像を活用。同校の校長らによる保護者説明会や第三者検証委員会の様子を124分にまとめた。 30日には東京都内の日本記者クラブで試写会が行われた。試写会後の会見で、当時3年生だった長女を亡くした只野英昭さんは「人ごとに思わないで」と強調した上で「たくさんの人に見てもらいたい」と心境を吐露。監督を務めた寺田和弘さんは「遺族の視点に立って見てほしい」と話した。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕東日本大震災で児童が犠牲となった旧大川小学校の遺族たちを追ったドキュメンタリー映画の試写会後、記者会見で心境を語る遺族の只野英昭さん=30日午後、東京都千代田区