学校法人「加計学園」の愛媛県今治市での獣医学部新設をめぐり、文部科学省が同学園理事会の議事録などを不開示としたのは違法だとして、東京都の女性(64)が国に決定の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決が14日、東京高裁であった。足立哲裁判長は請求を退けた一審東京地裁判決を変更し、一部開示を命じた。 開示が命じられたのは、2017年3月の議事録。原告側代理人弁護士によると、今治市からの補助金96億円について、理事会で了承された内容などが含まれるが、別の市民による請求で既に開示されたものだった。 国側は開示対象外だと主張したが、足立裁判長は「既に開示されているのだから、不開示情報に当たらないのは明らかだ」と退けた。 加計学園の獣医学部新設では、同学園の加計孝太郎理事長が当時の安倍晋三首相と友人関係にあったことや、内閣府が文科省へ「総理のご意向」と伝えた文書の存在が明らかになり、野党が国会で追及するなどしていた。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕加計学園の文書開示を求めた訴訟の控訴審判決で、「一部勝訴」の紙を掲げて記者会見する原告女性(左から2人目)=14日午後、東京都千代田区