今回も、愛知県の「健康長寿・病気治癒」で有名な神社仏閣を紹介します。

耳病治癒にご利益があるお寺や、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康から信仰された尾張の代表的な神社などを詳細に紹介しておりますので、ぜひ最後までお楽しみください。

【尾張】健康・長生き・病気知らずの身体を。健康長寿、病気治癒の神社仏閣 Part2

性海寺~空海が開いたと伝わる耳病治癒のお寺

稲沢市の大塚にある性海寺は 耳病平癒で有名 です。

平安時代の818年、弘法大師空海が京都の東寺から熱田神宮にお参りする途中大きな塚をここに作り、金銅の歓喜炎天を埋め、愛染明王を本尊に 国家の安泰と万民の豊楽を祈願する寺 として創建されました。

宗派は真言宗智山派です。本尊は善光寺式阿弥陀三尊像、宝塔の本尊は愛染明王、ご利益は耳病平癒・五穀豊穣・無病息災・子孫繫栄など。

ここには多くの文化財があり、国の重要文化財だけでも4点が指定されています。

本堂は400近く前の建築で比較的新しいのですが、入母屋造の杮葺き・こけらぶきという、檜皮葺きとは違って薄く切った板を屋根に使っているという珍しいものです。天井、須弥壇などには800年前の室町時代の部材が残っています。

愛染明王が祀られている多宝塔も国指定重要文化財です。大きい塔ではありませんが、室町時代と年代も古く保存もいい貴重なものです 。2層とも銅板葺きで軽くすっきりしており、軒先に残された檜皮が以前の檜皮屋根をうかがわせます。2層目の組み物は非常に細かく作られています。

境内は「 大塚歴史公園 」と名付けられ、駐車場・いこいの広場・休憩所など整備し、また紫陽花50種類・1万株を植え「 あじさい公園 」として市民に親しまれています。

毎年6月から7月に行われるあじさい祭りでは、御本尊もその時にご開帳され名古屋や岐阜からも多くの参拝者が訪れます。

多宝塔の前の拝殿に掲げられたひしゃくは全部底が抜けています。これは例えば耳が遠くなったあるいは聞こえなくなったという人が、奉納したひしゃくを耳を通す、つまり聞こえるようにするという意味で、祈祷の最中に祈祷師が穴を開けたと言われています。

耳にまつわる怪我や病気の人 は一度お参りをお勧めします。

はだか祭りの元祖で有名な「国府宮神社」 から南へ、車で10分もかかりません。併せての参拝がおすすめです。

名鉄本線「奥田駅」と「国府宮駅」の間にあり、公共交通機関ではバスを乗り継いで行くことになりますが、駐車場も広いので車での参拝がおすすめです。

所在地、拝観料などの情報は公式ウェブサイトをご確認ください。

https://www.inazawa-kankou.jp/archives/57

津島神社~3英傑も信仰した尾張を代表する神社

愛知県津島市の津島神社は、およそ1500年前の540年、欽明天皇の代に創建されたと伝えられています。

昔から「 尾張国津島社 」として知られ、 津島さん とか 天王さん と呼ばれています。

ご祭神は建屋須佐之男命・タケヤスサノオノミコト、ご利益は疫病除け・病気除け・海上安全・産業開発です。

戦国時代、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康以降の徳川家から特別の崇敬を受け、本殿は松平忠吉、楼門は豊臣秀吉、さらに南門は豊臣秀頼の寄進によります。

特に織田信長の織田家の氏神でもあり、 紋章は「五瓜に唐花紋」で織田家の家紋と同じ ものです。

境内には本社をはじめとしてスサノオを祀った社殿が6社並んでいるのが特徴です。

本殿と拝殿、その間に立つ祭文殿の三つの社殿が回廊を通じて南北に一直線に並び、左右対称になっています。 この地方独特の尾張造り という建築様式です。 実は明治時代より前の熱田神宮もこの尾張造りで建てられていました。

社殿をつなぐ回廊には10個の吊灯篭がかかっています。そのうちの7個は徳川家康の9男で尾張藩を統治した義直が1638年・江戸時代の初期に奉納した三つ葉葵です。残りの3個は167年後の1805年・江戸時代中期に奉納された、織田家の木瓜紋です。

正門である南門と拝殿の間に短い塀がたっています。東海地区の神社へ行くと時々この形式が見られます。これは 神様に邪気が当たらないようにする目的 で建てられています。1598年、豊臣家の天下統一時代に豊臣秀頼が父の豊臣秀吉の病気平癒を祈願して寄進したものです。

東側に建っている楼問は1591年に豊臣秀吉が寄進しました。

この門の前に橋がありますが、これは江戸時代まで天王川が流れていて、そこから橋をわたって楼門から参拝者を迎えたようです。

第二次世界大戦の空襲などを逃れた津島神社は江戸時代そのままの建物が多く残り、全国3000以上ある天王神社の総本社です。

毎年7月に行われる 津島天王祭り は疫病や厄難の祈祷をするお祭りです。

名鉄津島線と名鉄尾西線「津島駅」から歩いておよそ15分です。車では東名阪弥富インターから国道155号線でおよそ7kmです。

所在地、拝観料などの情報は公式ウェブサイトをご確認ください。

https://tsushimajinja.or.jp/

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kanomao

余暇プランナー

仏像と歴史好きな、社寺建築の仕事をしていたおじさんです。全国の社寺、仏像を見て回り、古代から戦国の時代を空想しています。 空想しすぎて小説を書き、文学賞もらっちゃいました。旅ライターと小説家の2刀流おじさんです。

【尾張】健康・長生き・病気知らずの身体を。健康長寿、病気治癒の神社仏閣 Part2

情報提供元: YOKKA
記事名:「 【尾張】健康・長生き・病気知らずの身体を。健康長寿、病気治癒の神社仏閣 Part2