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「一般用医薬品(OTC)・医療用医薬品共に、数量ベース・金額ベースで伸長しております。特に一般用におきましては、今月末の見通しで730億円という見込みとなっており、こちらは過去最高値となっております。」
と漢方薬市場は拡大していると説明。特に一般用においては、20代〜80代までと幅広い世代で伸長傾向にあることを説明しました。
これまで漢方薬は「中高年層が購入する割合が高いもの」でしたが、20代・30代の若年層需要の増加傾向が見られるなど、漢方薬の需要は幅広い年代に広がっているようです。
草柳社長は、
「若い方も比較的、ネット・SNSの進展等で情報が手に入りやすくなったことも含め、漢方に親しみを覚えて頂いている方も増え漢方を購入してくれているのではないか、と見ております。」
とコメントしました。
なお、市場のメーカー別シェアではクラシエは一般用1位・医療用で2位になるなど、漢方薬市場においてトップシェアメーカーとして輝いていることも明かしました。
続いて登壇したクラシエ株式会社 薬品カンパニー ヘルスケア事業部 マーケティング部課長の砂橋久瑠実さんは、2023年の人気だった漢方薬や2024年度の漢方トレンド予測を発表。
「1位は風邪に広く用いられる“葛根湯(かっこんとう)”、2位には肥満改善に用いられる“防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)”、そして3位には足のつりに用いられている“芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)”がランクインしています。」
と紹介。
また、最も伸長した漢方は“のどの痛み”などの異常に対応する「響声破笛丸(きょうせいはてきがん)」だったと説明しました。
のどだけでなく、アレルギー性鼻炎(花粉症)や耳鳴りにおいて2023年で漢方薬の需要が拡大したことも紹介。コロナ禍を経て自身の体調管理や軽度な体調不良を自身で治療する「セルフメディケーション」意識の拡大や、それに伴って咳など風邪の症状への意識が高まったことが要因ではないかと述べました。
また2024年のトレンド予測では、上述した「セルフメディケーション」の重要性が増加すること、漢方薬市場における「デジタルシフト」がトレンドとなると説明。
その中でも特に注目すべき点として、女性の社会進出による「フェムケア」の需要拡大を紹介しました。
「フェムケア」とは、女性が抱える健康課題をテクノロジーで解決するという「フェムテック」から発展し、テクノロジー以外の方法・商品で快適に過ごせるようにサポートすることを指します。
「漢方薬は女性特有の多種多様な悩みとの親和性が高いという特徴があり、2019年前後から顕著に伸長を続けているほか、20代〜30代の女性を中心に需要が増加傾向にあり、働く女性からの漢方ニーズは高まっています。」
と砂橋さんはコメントしました。
クラシエが行った調査によると、41%の方が月に1回異常の体調不良を感じながら勤務し、仕事に支障が出ていると答えた方は半数以上となる「64%」という結果に。
頭痛や疲れ・だるさといった症状に次いで、女性特有の症状である「月経痛・月経不良」がランクインしており、プレゼンティーズム(欠勤には至らないが、仕事に支障が出ている状態)で苦しんでいる現状が明らかになったと指摘。
「女性特有の月経関連の症状による労働損失は約5000億円に迫るとの試算もあります。一方で“眠くなるから”という理由で服薬を避けるような傾向も見られ、漢方薬の特徴である“眠くなる成分が含まれていないというメリットから、プレゼンティーズムが認知が広がるにつれて、漢方薬へ注目が集まることも期待されます。」
と、漢方薬市場はますます伸長していくのではないかという予測を詳しく解説してくれました。
働く女性と漢方は相性が良いのではないかと考えている、と説明する砂橋さん。
今後女性がさらに社会進出した際には、より一層プレゼンティーズムが大きな問題となっていく可能性がある中で、漢方薬をより役立てていきたいというスタンスをクラシエ薬品は表明しています。
女性に限らず「欠勤する程ではない体調不良」に悩まされ、業務効率が低下するなど仕事に影響が出てしまったことがある、という方は多いのではないでしょうか。
こういった悩みを解消するために、ぜひ「漢方薬の服用」を選択肢の1つとしてみてはいかがでしょうか。
クラシエ公式HP:https://www.kracie.co.jp/