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産業革命以来の大きなパラダイムを、人々のウェルビーイングを作るパラダイムに変換していく時ではないかと考えていました。」
とコメント。
兼ねてより必要性を感じていたところ、武蔵野大学 の西本照真学長がウェルビーイング学部を開設すること、学部長への就任の要請を受けたことで承諾したと話されていました。
新たに開設されるウェルビーイング学部についての説明によると、机についてみっちり授業を行うのは1年時のみで、2年時からは様々な地域に実際に出向き、地域の方々や団体と交流しながら、自然学習や地域課題解決といった実践での学習を行うことがメインとなるそう。
「ウェルビーイングを実践するためには、幸せ・生きがい・安心・福祉・健康・平和など、1人ひとりがウェルビーイングについての社会学・心理学的知見や、新たに創造的なデザインを行うための工学的手法・デザイン学的手法を学ぶことが必要。」
と説明。
また、こうした幅広い学術領域の習得に加えて、自然・地域・企業・世界でのフィールド・スタディーズから得られた体験的知見と創造的実践力を統合させることで、ウェルビーイングデザイナーを育成し、輩出するカリキュラムを構築するとのこと。
前野さんは大学において、ウェルビーイング学部と名称がつく学部は「世界初なのではないか」とも説明。
現在、世界各国の企業でも急速に認知・普及されているウェルビーイングの知見や人材育成などにおいて、世界をリードする学部として大いに期待しているともコメントされました。
その後は前野さんによる10分間の模擬授業も実施。
ウェルビーイングとは何なのか・その考え方・概念について、短い時間ながら分かりやすく集まった報道関係者や参加者、そしてオンライン上で閲覧している方々に向けて解説されていました。
同発表会には、ウェルビーイング学部に就任予定の株式会社YeeY代表取締役 島田由香さんもオンラインで参加。
現在和歌山県のアドベンチャーワールドで活動に取り組まれているという島田さんは、ウェルビーイングを高める5つの要素「PERMA」について解説。
「最新の研究で、ポジティブな状態では脳が拡張し、ネガティブな状態では脳が収縮するということも発見されています。幸せな感情は伝播していくので、このキャンパスから世界にウェルビーイングを広げていきたいと考えています。」
と話されました。
会場には、東京大学教授・慶應義塾大学特任教授で、元文部科学副大臣・前文部科学大臣補佐官も務めた鈴木寛さんも登壇。
西本学長とは同級生という鈴木さんは、共にウェルビーイングの未来を熱く語り合う同士でもあるそう。
様々な相談などを受けながらも、西本学長からウェルビーイング学部新設の話を聞いた時には「今すぐにでも必要です。ぜひやってください!」と後押ししたそう。前野さんも含めた3人で激論も行なったこともあると話された鈴木さんは、
「世界では“GDP(国内総生産)”だけでなく、“GDW(国内総充実)”が定義されて計測されたり、ニュージーランドは国家予算にウェルビーイングの項目を組み込みました。
中央教育審議会でも非常に重要なテーマであるとして、教育とウェルビーイングについて議論がされているほか、政策の中心概念にもウェルビーイングが据えられてきました。
これまでの武蔵野大学、西本学長たちのやってこられた積み重ねがあり、その上に世界的な情勢と相まって、ウェルビーイング学部は素晴らしい発展をすると確信しています。」
と期待を寄せたコメントをされました。
中央教育審議会議事録:https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo17/gijiroku/mext_00003.html
学生たちやその両親・親族たちにとって最も気になるのが、卒業後の進路についてでしょう。
発表会の後に行われたトークセッションで鈴木さんは、
「これから50年・100年経てば、経済学と同じ、もしくはそれ以上のインパクトでウェルビーイング学部が大切になってくる。数千・数万学部が世界中の学校で出来ていくと思いますが、武蔵野大学はその第1号だと思います。」
と語り、今後必要不可欠かつ当たり前な学部となっていくだろうと予想。武蔵野大学はそのメッカとなるかもしれないともコメントされました。
これには前野さんも
「わくわくしているんですよね。新しいものを作っていくことに対して!」
と非常に前向きな発言。ウェルビーイングが浸透すれば、幸せな状態からポジティブになり、新たな考えや発想・行動・人間関係を生んでいくという「拡張形成理論」について、自身が体現されたかのようなコメントもされていました。
「高校生の方々に伝えるならば、“ウェルビーイングデザイナーになろう”ということですね。世界・企業・自分自身のウェルビーイングをデザインしていく力を、卒業までに身に付けていく学部です。」
と西本学長は話し、より学生たちに具体的なイメージが湧くよう説明されました。
ウェルビーイング学部の将来的な就職先については、各企業のCWO(チーフウェルビーイングオフィサー)やその補助・部署などのほか、こういった人材を教育するところなどが現在想定出来るそう。
しかし、まだまだ認知が広まり始めている段階のため、今後卒業後の進路はさらなる可能性に満ちていると説明されていました。
名称:ウェルビーイング学部 ウェルビーイング学科
定員:入学定員80名 2年次編入学定員10名(収容定員350名)
授与する学位:学士(ウェルビーイング)
専任教員:16名
開設時期:令和6年(2024年)4月1日
設置場所:武蔵野大学武蔵野キャンパス(東京都西東京市一丁目1番20号)
主な就職先:1期生の卒業となる4年後の2028年3月以降、あらゆる産業分野で活躍出来るウェルビーイング分野の人材を輩出予定。
現在社会で注目を集めるウェルビーイング。実はSDGsの3番目にも記載があるものの、実際にはSDGsの上位概念だということで、世界的にも取り組むべき重要な課題だと言われています。
そのウェルビーイングに対して実習・実践を重視して学ぶことが出来る武蔵野大学ウェルビーイング学部は、2024年4月より開設予定。
詳細についてさらに詳しく知りたいという方は、ウェルビーイング学部のWEBサイトにてご参照ください。
武蔵野大学ウェルビーイング学部 WEBサイト:https://www.musashino-u.ac.jp/academics/faculty/well-being/