デスクワークに立ち仕事、私たちは肩コリ腰痛に悩まされることが当たり前のような生活を送りがちです。肩コリや腰痛はなぜ起きているのか、インドの伝承医学アーユルヴェーダの観点からみる、原因と解消法をご紹介します。
肩コリ腰痛の原因は“ヴァータドーシャ”の乱れ
ヴァータドーシャとは、全ての動き、伝達、運搬を司っているエネルギーのこと。ヴァータドーシャは、冷性、軽性、乾燥性、粗性という性質を持っています。時間や年齢の変化や季節の移り変わりもヴァータの作用によるものとアーユルヴェーダでは考えます。
特に人間への作用としては、心拍、血流、呼吸、神経伝達など、私たちの生命を維持するために必要不可欠な生理機能をヴァータドーシャが担っています。
ヴァータが乱れると、ヴァータが持っている性質が増え過ぎたり、生理機能が果たされなくなったりするため、さまざまな不調が生じることになるのです。
ヴァータが持つ性質が増えることで、体の冷えを招いて血液やリンパの循環の滞りを生じさせたり、精神的な緊張から筋肉のこわばりが強くなったりと、肩こりや腰痛の原因を作ります。
また、体の動きがスムーズに働かなくなると、老廃物や疲労物質の運搬が滞って体内に溜まり、それが痛みの原因となるともいわれています。
肩コリ腰痛を手放す!アーユルヴェーダ的解消法
ヴァータのバランスをとるためには、規則正しい生活をすることが大切。毎日の睡眠の時間、食事の時間を変えずに同じ時間にすることで体にリズムを作り、適切な消化力の維持と睡眠の質を向上させて疲れにくい体を作りましょう。
冷えや乾燥を避けることもヴァータの悪化を防ぐためには必要です。食事は温かく水分と油分をしっかりと含み、甘味があって食べるとほっと心の緊張も解放されるようなものがオススメです。
激しい運動や頭脳労働は避けて、心身ともにゆったりとリラックスできる時間を日々の生活の中で持ちましょう。深呼吸や瞑想なども良いですね。さらに、毎日のオイルマッサージと入浴を習慣化するとより効果的です。
肩コリ腰痛に効果的なオイルマッサージ
全身のオイルマッサージが難しい場合は、特に痛みがある場所にだけでもオイルを優しく擦り込んでホットタオルなどで温めるだけでも痛みの軽減が期待できます。アーユルヴェーダでは、オイルマッサージに使うオイルはセサミオイルが最適とされています。
セサミオイルは体の深部まで浸透して骨、筋肉、腱や靭帯などに潤いと栄養を与え、強化する効果があります。また、セサミオイルには温める作用もあるため、ヴァータドーシャのバランスをとるにはもってこいのオイルです。
オイルを塗ってから5~10分、可能なら20分ほど塗ったままにしておくと、オイルが体の芯の方まで浸透します。その後、湯船にゆったりと浸かったり、温かいシャワーを浴びたりと体を温めましょう。それができない場合は、足湯やホットタオルでオイルを塗った部分を温めてください。
アーユルヴェーダ的肩コリ腰痛解消法、いかがでしたか?誰もが悩まされがちの不調も、日々の過ごし方次第で改善していくことが可能です。皆さんも今日から始められることからぜひ実践してくださいね。
情報提供元: Tonoel