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コーヒーやお茶、紅茶はおいしいけど、カフェインが気になる…という人も多いのではないだろうか。特に、妊娠中や授乳中、小さな子どもなどが飲む場合、市販されているお茶やコーヒー、紅茶といったドリンクはカフェイン入りが多く、なかなかカフェインレス商品が見つからなかったり、どれを選べばいいのか分からなかったりと悩ましい。そこで今回は、スーパーやコンビニなどで簡単に手に入り、すぐに飲めるペットボトルのおすすめ『ノンカフェイン・デカフェドリンク特集』をお届け。
公開:2020年2月27日/情報更新:2023年4月7日。
コーヒー、お茶、ココアなどは老若男女問わず嗜好品として愛飲されている飲料。しかしその中に含まれているカフェインは、興奮作用による寝付きの悪化や不眠、さらに妊婦や授乳中に摂取すると胎児への悪影響が懸念されている成分としても知られている。
むろん一切のカフェイン摂取を禁止している訳ではない。適切な量を摂取すればリフレッシュや眠気覚ましにもなるし、ガンの発生を抑制する効果もあると言われている。つまりはカフェイン摂取量をコントロールしましょうというお話だ。
なお、日本ではカフェインの1日あたりの摂取量は定められていないが、例えばカナダ保健省(HC)では、健康な成人で400 mg(コーヒーをマグカップで約3杯)まで、妊婦や授乳中の場合は300mg(コーヒーをマグカップで約2杯)までとされている(2010年時点)。英国食品基準庁(FSA)では妊婦・授乳中の場合は200mgと、さらにその基準は厳しい。
とはいえ、コーヒーや紅茶は嗜好品としての役割も大きく、1日の摂取量を超える量を飲みたいと言う人は多いはず。ならば、ノンカフェインタイプの飲み物でその欲を満たしてみてはいかがだろうか。
今回は『ノンカフェイン・デカフェドリンク特集』と題して、買ってすぐに飲めるペットボトルタイプのおすすめノンカフェイン・デカフェドリンクを計5本(お茶3種、カフェラテ2種)紹介する。
ラインナップは次の通り。カフェインなしの味わいを細かくレビューしよう。
1番目に飲むのはアサヒ飲料(東京都)の『アサヒ 十六茶』(630mlPET・希望小売価格 税込172円・発売中)。東洋健康思想に基づき、その名の通り厳選された16の素材を使用したブレンド茶だ。
それぞれの素材ごとに最適な焙煎を行い、100以上の工程をかけて作られるこだわりの味わいが楽しめる。その中のこだわりの1つが、カフェインゼロというわけだ(2005年からノンカフェイン化)。
2022年に発売30周年目を迎えたのを機に大幅なリニューアルを実施。素材の配合を見直し、香ばしさとすっきりとした後味の強化を行っている。
パッケージには、大きな特製ブレンドのロゴを配置。さらに、1993年の発売初期デザイン(当時は缶飲料だった)を取り入れた30年の歴史を感じるデザインとなっている。容器は薬瓶や洋酒瓶をモチーフとした新しいボトルを採用。コンセプトの”健康ブレンド茶”を思わせる独特な形状だ。
香りを嗅いですぐにわかる奥深さ。香ばしさとはまた違う、複雑な印象だ。
飲んでみると、かなり濃い目の味。口当たりはライトなのに、中盤からぐわっと色んな味が重なり合っているのがよく分かる。空気を含ませれば、香ばしさがより一層感じられるので、購入した際はぜひためしてみてほしい。後味は風味は残しつつも、雑味や苦みは抑えられていてすっきりとした味。とはいえ、がっつりとお茶の香ばしさを堪能したい人におすすめだ。
続いては、サントリー食品インターナショナル(東京都)の『キリン 生茶 カフェインゼロ』(430mlPET・希望小売価格 税込151円・発売中)を飲んでみよう。
この商品は同社の「キリン生茶」のノンカフェイン版として開発された緑茶で、「まる搾り生茶葉抽出物」や「まるごと微粉砕茶葉」など、同様の製法で作られている。
「キリン生茶」と違うのは、「カフェインクリア製法」を使い、お茶の美味しさを保ったままカフェインだけを取り除いていること。従来はカフェイン除去によってお茶の味わいを損ねていたが、この独自技術によってお茶の味わいをより残せるようになった。
2022年にリニューアルを行い、生茶葉の甘味とすっきりした味わいを強化。商品名は「生茶デカフェ」から『キリン 生茶 カフェインゼロ』に変更となった。
パッケージは前商品のコンセプトを引き継いだ白ベース。お茶だと分かりやすくするためか、茶葉のイラストが大きくなっている。
香りはやや控えめながら、新茶のような凛とした印象。
味は全体的にすっきり。ただ、記者の印象としては、リニューアル前よりも、緑茶らしい茶葉の風味や雑味、渋味が前に出てきた印象だ(決して濃くはない)。甘味が強化されたことで、逆に感じやすくなったのだろうか。カフェインゼロとは思えないおいしさが楽しめた。生茶葉らしいフレッシュさがあるので、リフレッシュもしたい人におすすめだ。
サントリー食品インターナショナル『キリン 生茶 カフェインゼロ』
3番手はサントリー食品インターナショナル(東京都)の『GREEN DA・KA・RA やさしい麦茶』(680mlPET・希望小売価格 税込162円・発売中)。ご存知の方も多いだろうが、麦茶はもともとカフェインが入っていないカフェインレスドリンクの定番。ノンカフェインの緑茶や紅茶が合わない人はいっそこちらに切り替えるというのも手だ。
2022年に発売10周年を迎えたのを機にリニューアルを実施。大麦、炒り米、はと麦などの素材はそのままに、進化した焙煎技術によって豊かな香ばしさを引き出したとのことだ。また、麦茶の飲みやすさをアップするべく、新開発の水出しエキスが加わっており、すっきりとした味わいを実現している。
さらに容量もアップし、従来の650mlから680mlへと増量。コスパも良いので、熱中症対策に水分補給をしたいこれからの季節や、スポーツのお供にもおすすめだ。しかも『GREEN DAKARAやさしい麦茶』は冷凍できる容器なので、長時間外出する人にも使いやすく体温調整にも便利。麦茶ならではの利点を生かしている。
パッケージは従来の麦色から水色ベースへと変更。ゴクゴクと爽快に飲めるようなイメージデザインとなった。
キャップを開けると、麦の濃厚な香りがふわりと広がる。
ゴクゴクっと口に入れると、雑味の全くないクリアな味が喉を通り抜けていく。麦のしっかりとした旨味と香ばしい風味を残しながらも、引っかかりの一切ない透明感のある飲み心地だ。これが水出しエキスの効果なのだろうか。麦茶は家でも簡単に作れるが、これほどきれいな飲みやすさは同社だからこそできる技術だろう。後に残る麦の味をじんわりと感じながら、爽快感も感じられるそんな1本だ。
サントリー食品インターナショナル『GREEN DA・KA・RA やさしい麦茶』
4本目はサントリー食品インターナショナル『クラフトボス デカフェ〈ラテ〉』(500mlPET・希望小売価格 税抜170円・2020年7月7日発売)。ペットボトルに入ったコーヒー飲料としてすっかりお馴染みの人気商品となった「クラフトボス」ブランドの初のデカフェ飲料だ。
ノンカフェインのコーヒーは豆やインスタントタイプでも売られているほどにメジャーだが、ペットボトルで販売されているのは多くない。
自宅であればわざわざペットボトルで購入する必要はないが、妊娠・授乳期でも頻繁に外出したり働き続けたりする女性にとっては心強い味方と言えるだろう。
キャップを開けてひと嗅ぎ。香ばしくもまろやかな香りが楽しめる。しかし問題は味。
ノンカフェインのコーヒー飲料は苦みやコクなどコーヒーらしさを感じにくくなっているのが一般的という印象なので、嗜好品として成立しているかどうかが重要となる。
一抹の不安を抱きながらゴクリと一口。
コーヒーのコクのある深みについては心許ないが、比較的風味がしっかりとしているのでカフェオレの味わいを感じられる仕上がり。苦味がないので、コーヒーは苦手だけどカフェオレは大好きという人にはぴったりな味わいだ。
原材料に砂糖を使っているが、甘さはかなり控えめ。ミルクの甘味が前面に出ていてカフェオレとしてはかなり美味しい部類。この優しい甘さはカフェイン入りと比べてもそん色のないレベルだ。
なお、カフェインレスではあるが「クラフトボスラテ」の90%オフとなっているので実際には1本あたり約15mg入っている。これだけの量なら影響が出るとは言い難いが、0mgではないので注意しておきたい。
サントリー食品インターナショナル『クラフトボス デカフェ〈ラテ〉』
最後は、UCC上島珈琲『BEANS & ROASTERS デカフェ・ラテ』(500mlPET・希望小売価格 税抜170円・発売中)を飲んでみよう。「BEANS & ROASTERS」は家やオフィスでもカフェのような心地よさを過ごせることを目的としたブランド。昨今の外出しづらい状況下においてはぴったりといえるだろう。
『クラフトボス デカフェ〈ラテ〉』よりもひと足早く発売されたこの商品は、深炒り・挽きたてのカフェインレスコーヒーを100%使用することで満足感のあるコクを実現した1本。
ノンカフェインの物足りなさを余計な添加物を加えることなく解決したようだ。
液色は少し濃いめだが、香りは控えめ。それでは飲んでみよう。
香りとは裏腹に、コクや風味はしっかりと感じられるほど濃いめ。むろんノンカフェインの中ではだが、カフェラテを飲んでいるという気分を堪能できる味わいだ。
後に残る香りもコーヒーらしさがあって満足度も高い。
牛乳の脂肪分が多いのかまったりとした味わいで甘めに仕上がっている。といっても人工甘味料を使っていないのでしつこい甘さではなくすっきりとしているから比較的飲みやすい。
なお、こちらもカフェインは90%カットであることにご注意を。具体的な数値は記載されていないが、微量は含まれているので一切摂取したくない! という人は飲まない方が良いだろう。
UCC上島珈琲『BEANS & ROASTERS デカフェ・ラテ』
ノンカフェイン・デカフェドリンクのペットボトルタイプのおすすめ5種類を紹介してきたが、いずれもこれまでのノンカフェインのような無機質さはなくそれぞれの味わいをうまく引き出していた。
飲みごたえがありながらもクリアな飲み口なのでこれからの暑い時期の水分補給としても飲みやすいはずだ。
カフェオレ2本については、コーヒーらしさをしっかりと味わいたいのなら『BEANS & ROASTERS デカフェ・ラテ』がおすすめ。コクとまろやかさがあるのでリフレッシュ目的にも力になってくれそう。
反対に甘さ控えめでスッキリと飲みたいのなら『クラフトボス デカフェ〈ラテ〉』がおすすめだ。コーヒー飲料特有の口臭もあまり気にならないので飲むシーンを選ばないのも良い。
カフェインは適量であればその恩恵を受けることができるが、摂りすぎると思わぬ副作用をもたらす諸刃の剣。うまくコントロールをして上手に付き合っていこう。